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白亜の断崖、セブン・シスターズ2
セブン・シスターズ1の続きです。初めての方は、1から読んでいただけると嬉しいです。
白亜の断崖
牧場を抜けたら、突然、目の前に広がった光景です。
真っ白に輝くセブン・シスターズです。快晴で良かったです。快晴でないとこういう風に白が引き立たず、くすんだコンクリート色に見えるそうです。
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まさに白亜の断崖ですね。全長5キロとそれほど長くもないのです。それでセブン・シスターズの丘の上をハイキングする人が多いそうです。
対岸には海水浴をする人たちがいましたが、こちらの丘にはほとんど人がいません。ベンチに腰を掛けて、セブン・シスターズを眺めながらゆっくりとお昼をとりました。
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天気に恵まれてラッキーでした。というのは、前日まで1週間ほど雷雨続きで、荒れ模様だったからです。
Cliff Edge (崖っぷち)
私たち(かみさんと私)が、セブン・シスターズを眺めながらお昼を食べたところは、まさに崖っぷちでした。
そこにあった標識が、これです。「Cliff Edge」です。
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滑落注意の標識というか、立て札だと思うのですが、見れば分かるよ、とツッコミを入れたくなりました。注意というか、警告らしきものはこれだけでした。
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確かに落ちたら(滑落)したら、「確実に死ぬ」ような高さです。
景観をぶち壊すような防護柵のようなものは一切ありません。
つまり、柵も何もないので、本当に崖っぷちギリギリのところまで行くことができます。すべては「自己責任で」ということだと思います。安全重視して大人を子供扱いをする文化と自己責任で行動してくださいと大人扱いをする文化の違いかなと思いました。
個人主義、自由主義というものの一面を見たような気がしました。
丘を降りて海岸へ
丘から降りてきました。海岸です。下の写真のセブン・シスターズの頂上付近に見える小さな黒いシルエットは、丘の上を歩いている人たちです。
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画面下の青い筋、3人連れの人が歩いている手前の青い筋は、川です。
対岸の砂浜には、たくさんの海水浴客がいます。泳いでいるというよりは、海辺での日光浴や水遊びです。
川を渡る
対岸に渡るには、川を渡るか、あるいは4,5キロ先のバス停まで戻り、もう一度やって来る必要があります。往復で軽く2時間はかかります。
それはないなぁということで、靴を脱いで渡ることにしました。ご覧のように川幅も狭く、簡単に渡れそうに見えますよね。
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見かけよりもずっと深く、流れも急で、何度も転びそうになりました。足元にはフリント(火打ち石)が転がっていて、それが痛かったです。
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無事に渡りきった後の記念写真(?)です。
8月1日なので、真夏です。でも、そこはイギリスの夏です。気温も25度はない感じで肌寒く感じました。とにかく水が冷たかったです。体感的には日本の初夏という感じでした。
白亜の断崖へ
白亜の断崖の実物に触ろうと思って、それを目指してひたすら海岸を歩きました。
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上の写真は、歩いてきた海岸を振り返って撮影したものです。
海岸の奥に見える丘が、バス停から牧場を抜けて辿り着き、お昼を食べたSeaford Headの丘です。そこから降りてきて、川を渡り、海岸をトボトボと歩いてきたという訳です。
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だいぶん近づいてきました。日光浴や海水浴をしている人たちが増えてきました。写真で小さく見えていた人たちが、大きくなってきました。
白亜の断崖に到着
歩きに歩いて、ようやく崖の下に到着です。
崖は、遠目には柔らかい砂のようなものに見えたのですが、案に相違してコンクリートのように硬いものでした。石灰岩ですから当たり前ですよね。
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近くで見るとまさに断崖絶壁です。よじ登ることはちょっと無理そうです。
ロッククライミングをやる人なら軽々と登れそうですが、しかし、岩のようでいて岩ではない感じなので、崩落の危険があります。
ここにも注意書きなどはありませんでしたが、登っている人はもちろんひとりもいませんでした。
ここまで近くに来ると、当然のことながらセブン・シスターズの全景を見ることはできませんし、その美しさを堪能することも無理です。
おまけに近くで見ると笑窪はあばたです。
アバタもエクボではありません。
フリント(火打ち石)
石灰岩の中にフリントが混じっています。
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写真中央部の黒い石の塊がフリントです。横一列に飛び飛びにありました。
フリントの様子がよく分かる写真が、撮影したものにはなかったので、日本版ウィキペディアから引用します。下の写真です。
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フリントについて、前回の投稿の説明を再掲します。
「フリントは、硬く、ガラスのような光沢がある石です。外見は黒曜石に似ています。黒曜石が火成岩であるのに対して、フリントは、石灰岩が形成される過程で、珪素分が集まってできた石です。」
終わりに
本日の旅は、ここまでです。
セブン・シスターズの旅は、まだ続きます。
次は、このセブン・シスターズの丘に登り、眺望を楽しみます。そして、帰路へ。
本日もつきあっていただきありがとうございました。
皆様にご覧になっていただくことが、書く意欲につながっています。