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投票日は雨??

 海上にある熱帯低気圧は今後台風13号となる見通し。今後の進路次第では週末には関東付近を通過する予定になりそうだ。週末といえば9月10日(日)投開票の牛久市長選挙。新人4人が争う激しい選挙になっていることから県内外から注目されている。
「雨が降ると投票率が下がる」投開票日に天気が悪いという予報が出ると必ずといって言われる。確かに雨の日に出かけるのは億劫になりがちだが果たして選挙の投票行動と天気は本当に関係があるのか?

 昨年夏の参議院選挙時の読売新聞に面白い記事を見つけていたのでご紹介。過去の参議院選挙から、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡と沖縄の七か所で、過去に気象庁が降水量を公表し、投票率が分かるという二つの条件を満たす第6回(1962年)参院選からの計20回を分析した結果、必ずしも雨が降っても投票率が「低くなる」とは言えなかった。
 例えば、1962年の第6回選挙。この時、福岡では21・4ミリの雨に見舞われたが、福岡県の投票率は66・18%。全国の平均は68・22%で若干下回ったが、東京都や愛知県よりも高かった。65年の第7回選挙では、7・3ミリの雨が降った大阪が64・56%で、調査した都市部の中では2番目に高い投票率だった。雨が激しく降ったとしても、他の選挙区と比べて著しく投票率が低調になることはなかった。
 第10回参院選は投開票日となった74年7月7日に「七夕豪雨」と呼ばれる猛烈な雨が東海地方を襲った。静岡県では44人が亡くなるなど甚大な被害を出したが、この日、名古屋で65ミリの大雨に見舞われた愛知県の投票率は67・84%だった。この選挙は物価が急激に上がるなどして政治的な関心が高まっていた。そのため、全国の投票率の平均は73・20%で、愛知県は及ばないものの、高い水準を保っている。
  史上初の「衆参ダブル選挙」となり、現役首相の急逝など政治的な関心が非常に高かった80年の第12回参院選は全国の投票率の平均が74・54%だった。
 一方、国政選挙として初めて投票率が50%を割った95年の第17回参院選(44・52%)では、全国的に好天に恵まれている。雨が降る票率は「下がる」かもしれないが、必ずしも「低く」なることはない。天気よりも政治的な関心の高まりが投票率を左右しているということが浮かんできた。
元経産省官僚で、政策シンクタンク「青山社中」のCEO、朝比奈一郎さんによると「雨が降れば投票率が下がると気をもむ人もいるが、天気が投票率を左右する最大の要素ではないということを示している」と語っている。ただし、「雨が降っていても投票率が高い地域は、降らなければもっと高くなったかもしれない。『無関係』とも言い切れないでしょう」と指摘もしている
 
 以前noteで生活満足度と投票行動についてのメモを書いたことがあるが「生活満足度が低いと投票参加率も低い傾向がみられる」というものだった。天気よりも政治的な関心や自身の生活環境が投票行動に影響を及ぼしやすいということであれば、天気を気にすることなく10日の投開票日を迎えられそうだ。ただし、最近の雨は想定外の雨量になり災害につながる恐れがあるので、できれば期日前投票などを利用しておくことが最良なのであろう。
https://note.com/mato0104/n/nc1846a400faf

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