ギョーザ耳の印象:好き?嫌い?
ブラジリアン柔術を続けているとよく見るのがいわゆるギョーザ耳、耳介血腫と呼ばれる症状です。ぶつかったり、強く押し付けられたりすると内出血し、それが膨らみます。血を抜けばある程度戻りますが、放っておくと固まってしまいます。それがいわゆるギョーザ耳、耳介血腫です。柔術だけでなく、柔道、レスリングなど組み技系の競技経験者には多いです。
ギョーザ耳はどう見える?
Hirt たちは、ギョーザ耳の印象を調べるため、807人を対象に調査をしました(Hirt et al., 2023)。参加者には、ギョーザ耳の男性4名とそうでない耳の男性5名の顔写真を見て、魅力、話しかけやすさ、成功しているか、などを100満点で点数をつけてもらいました。
格闘技経験の違い
807名の参加者を、格闘技経験の有無や性別でわけ、印象の違いについて調べました。誰でも予測できそうですが、格闘技経験があるほど、ギョーザ耳に良い印象を持っていました。経験があると、ない人に比べ、餃子耳の人を魅力があって、話しかけやすく、成功していると評価することがわかりました。
さらに格闘技経験が長いほど、ギョーザ耳に対する印象もよくなりました。未経験(51点)、趣味(58点)、元プロ(59点)、プロ(64点)と、経験が豊かなほど、ギョーザ耳に良い印象を持っていました。
男女差
さて、興味があるのは男女差です。予想に反して、全体的に男女差はありませんでした。つまり、ギョーザ耳だから特別に女性に嫌われるということはないようです。ただし、格闘技経験別にみると男女差には興味深い点もありました。
格闘技経験のある男性は、女性に比べ、ギョーザ耳の男性に話しかけやすいという印象を強く持っていることわかりました。仲間意識でしょうね。ちなみに男性は平均で70点、女性は61点の点数をギョーザ耳の人につけました。これはちょうわかります。ギョーザ耳を見ただけで「あ、こっち側の人だ!」って思っちゃいますよね。
格闘技経験がある人が、ギョーザ耳に良い印象を持ったことは仲間意識と関連するでしょう。また、ギョーザ耳は練習に打ち込んだ証拠でもあります。その態度や経験への尊敬も当然含まれるでしょう。
ギョーザ耳に対する印象は総じて悪いものではないことがわかりました。ちょっとホッとしますよね。
引用文献
・Hirt, Z., Stephen, L., Liu, J., Barnett, J., & Lee, A. H. (2024). Perception of cauliflower ear amongst combat sport athletes. American Journal of Otolaryngology, 104293. https://doi.org/10.1016/j.amjoto.2024.104293
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