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腕十字は使える

ブラジリアン柔術で初めに習うテクニックのひとつに腕十字固めがあります。クローズドガードからの腕十字固めと三角絞めは、基本中の基本。試合で極めることができるほど習熟するのは大変です。しかし、基本運動であるエビの実践的な使い方や、腕や襟のグリップなど基本的な要素がたくさん含まれています。習い始めで練習するには良いテクニックです。極め技はカッコいいし。

一番使われるサブミッション

IBJJFやADCCなどの7567試合を分析した結果、最も多く使用される極め技(関節技・絞め技)は腕十字固めでした(Tagief, 2024)。集計した極め技全体のおよそ20%を占めました。極め技は数え切れないほどあるので(たった今にも新しい技が生まれているので)、そのうちの20%を占めるのはかなりのものです。

腕十字固め、裸絞め、三角絞め、ギロチン・チョークの順で使用されれる回数が多く、これらでおよそ全体の半分でした。やはり基本の技が試合でも用いられるようです。このあたりがやはり有効な技なので練習すると効率が良いのかもしれません。一方でこれらの技が多く使用されるなら、エスケイプやディフェンスの練習は絶対にしておいた方が良いでしょう。

腕十字は成功率も高い。

腕十字固めの成功率は、およそ50%で、極め技全体でも2番目の成功率の高さでした。ちなみに一番成功率が高いのは襟絞めで、75%もタップを奪うことに成功しました。ただ、使用回数はあまり多くありませんでした(全体のおよそ4%)。比べると腕十字は掛けやすく、極めやすいと言えるのかもしれません。

パリ五輪2024でも

腕十字固めは柔道でもかなり使えるようです。パリ五輪での女子48級で金メダルをとった角田夏実選手の活躍を多くの方が覚えているでしょう。最近は柔道でも寝技の時間を長く取るようになったので、試合でも関節技を目にすることが増えてきました。

オリンピックの公式記録でも腕十字固めの有効性が示されています。一本勝ちで最も多く使われた技は背負い投げ、2番が腕十字固めでした(IOC, 2024)。一本勝ちには投げ技の印象が強いですが、腕十字もなかなか使えますね。

最初に習う基本の技が実は一番有効だったりする。基本はやはり強いですね。

引用文献

・IOC (2024). Overall Competition Statistics in Judo Paris Olympics 2024. https://olympics.com/OG2024/pdf/OG2024/JUD/OG2024_JUD_C83C_JUD-------------------------------.pdf
・Tagieff、J. (2024). The Best BJJ Submissions (According to Data) https://bjjblog.ca/blog/list-of-bjj-submissions

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