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データが示す典型的な柔術家像

ブラジリアン柔術はだいぶポピュラーになってきました。連日のように有名人が柔術をやっているニュースを目にします。さて、柔術はどんな人たちがをやっているのでしょうか

Chris Kavanaghのデータ

帯たたきに関する調査で、Kavanaghは帯色や年齢などの特徴についてもデータを収集しました(Kavanagh, 2019)。そして、最も典型的な値を並べたところ以下のようになりました。いわば、典型的な柔術家像です。

・年齢:30歳
・帯;青帯
・経験:3年6ヶ月
・練習時間(1週間あたり):6時間
・所属:グレーシー・バッハ

数値で換算できるものは、中央値(順に並べた真ん中の値)を、そうでないものは最も多かった回答を上に示しました。英語圏を中心に727人のひとから回答を得て2012年に収集したデータです。現在の日本と比べるとちょっと年齢が若いですかね。

上の情報をもとに動画検索すると以下の動画が出てきます。イメージ通りです。

日本だとこんな感じです。最初に出てくるひとがグレーシー・バッハの道衣を着てますね。

実際のデータはこちらから見ることができます。
http://www.bjjsurveys.com/

イギリス柔術連盟(UKBJJA)のデータ

もう少し新しいデータをイギリス柔術連盟が出しています。こちらは2020年に新型コロナウイルス感染症の影響を調べるために行った2142人を対象とした調査の結果です(Martin, 2021)。

・年齢:35歳
・帯;白帯/青帯
・練習回数(1週間あたり):3-5回

Kavanaghと調査項目が完全に一致していないので、比較できない項目もありますが、よく似ています。

とはいえ、多少は差があり、年齢が少しだけ上がり、青帯の割合が少し低くなっています。2012年から2020年の8年の間で幅広い年齢層の人が始めるようになったのかもしれません。こちらの方が日本の現状に近い印象があります。

白帯・青帯の比率

ちなみにKavanaghのデータでは727人中、白帯=22.9%、青帯=43%でしたが、イギリス柔術連盟のデータでは白帯=39.28%、青帯=31.85%でした。どちらのデータでも柔術家の6–7割が白帯、青帯という比較的経験の浅い帯であることは共通しています。

ちなみにそれぞれの帯の人が、平均してどれくらいの経験があるかを聞くと以下のようになりました。

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大半の人が白帯か青帯であることを考えると、半数以上の人がせいぜい数年の経験であることがわかります。

これらのデータから、ブラジリアン柔術をしている大多数のひとは比較的最近はじめた人が多く、そこそこ歳をとっていることがわかります。これは誰でもはじめられる格闘技であることをデータから示すものです。格闘技なので男性が多いですが、イギリス連盟のデータでは12.24%が女性でした。もちろんハードルは高いかもしれません。それでも決して少なくない女性が楽しんでいる競技でもあります。興味があったらぜひ近くの道場を覗いてみてください。

引用文献

・Kavanagh, C. M., Jong, J., McKay, R., & Whitehouse, H. (2019). Positive experiences of high arousal martial arts rituals are linked to identity fusion and costly pro‐group actions. European Journal of Social Psychology, 49(3), 461-481.

・Martin, R. (2021). A study into the balance of risks to mental and physical health from the 2020 lockdown and cessation of training for Brazilian Jiu Jitsu (BJJ) players in the UK versus the risks to physical health from Covid-19.

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