ムヒは進化、変わらない私
時期にもよりますが、仕事中とされる多くの時間をデスクトップに向かって過ごす私にとって、庭の草むしりは労働ではなく息抜きなのです。梅雨から本格的な夏へと移り変わるこの季節、雑草の成長はすさまじく一雨ごとに景色を変えるほどですが、ほんの5分だけと、肌を覆うこともなくぬるり作業に入ってしまえば、もう無心でその範囲を広げてしまうのは毎年のことであります。無心の草むしりは精神安定にすこぶる貢献します。たった一つの問題は、除草範囲にともなって広がる虫刺され被害であります。蚊による捨て身の攻撃から、半袖短パンサンダル姿で逃れることはまず不可能であります。いよいよ痒みが限界に近づき、すでに爪でかきむしった、なぜかいつも同じ場所に、血が滲みだすと、今日はこれくらいにしておこうと身を引くのであります。
夏はもうすぐそこに、冷水で患部を洗い流しながら、待ち構えているであろう蚊の顔を浮かべて思ったのであります。
ムヒを買いに行こう。
冷水もむなしく、痒みも鎮まる気配がないのだし。
近頃は虫刺されと言ってもムヒ一択ではないようであります。ムヒの中にもおなじみの軟膏やら液体やら、何かの成分のありなしやら、正直面倒く、脳みそまで痒くなってまいります。
小さな箱の小さな文字を読み比べて、ようやく今年のムヒを決め、私は気づいたのであります。
もう痒くない
皆様、ムヒは刺された時にすでに持っていないと、
痒みに耐え品定めしている間に、
痒みは消えるようです。
良い夏を
2023.07.07
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