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モーリーの奇跡

今日は初等幾何の有名(マニアック)な話題である「モーリーの奇跡」について語っていきたいと思います。

この記事の主な内容
1.フランク・モーリーの発見
2.定理の内容をイメージしてみる
3.モーリーの奇跡
4.さいごに

1.フランク・モーリーの発見

古代ギリシャの時代から数多くの幾何学の問題が考察され、解決されてきました。特に三角形の合同や相似、角度や長さを使って証明されるものは「初等幾何学」と呼ばれています(注:「初等」とは「簡単」であるという意味ではありません。「初等的」とは、簡単にいうと「高度な道具を使わない」というだけのニュアンスなので、超難しい初等幾何学の問題も多く知られています。)難しい問題があるといっても、初等幾何学の問題は解決されつくされたように思われていました。
しかし、なんと1899年につぎのような定理がアメリカの数学者フランク・モーリーによって証明されました。

(モーリーの定理)
任意の三角形の各頂点から、角の3等分線を伸ばす。
2つの頂点の隣り合う3等分線の交点を結ぶと正三角形ができる。

言葉だとわかりづらいので図で考えてみましょう。

2.定理の内容をイメージしてみる

まず適当な三角形ABCを用意します。テキトーです。

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そして、各頂点から角の3等分線を引きます。

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すると、隣り合う3等分線の交点ができるはずです。

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この交点を結んでみます。

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何やら綺麗な三角形ですね。そうです。これは必ず正三角形になるのです!!
えー!!!!!!!!そんなバカな!!!と思いませんでしたか?僕は最初にこの定理を見たときに思いました。

3.モーリーの奇跡

他の三角形でも試してみましょう。例えば以下のような三角形でやっています。

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三等分して、

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交点を結ぶと

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やはりそれらしい三角形が現れます!
何かすごいかって、こんなシンプルな結論が、古代ギリシャの時代から1899年までの間に誰一人として発見+証明をされずに残っていたことです!このことから、この定理は「モーリーの奇跡」とも呼ばれています。

4.さいごに

モーリーの定理の証明はいろいろ知られていますが、意外と一筋縄にはいきません。次回、三角比を使った証明を載せてみようと思います。お楽しみに!

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<文/岡本健太郎>

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