【第6回垂れ流し数学模試】文型・理型第2問 解答例
皆さんこんにちは。
今回は第6回垂れ流し数学模試の文型・理型の第2問の解答例です。
第2問恒例の整数問題です。
問題
考え方
$${\dfrac{a}{7}+\dfrac{b}{17}+\dfrac{c}{17^2}=\dfrac{1}{2023}}$$の分母を払うことで,
$${17^2a+17\cdot 7b+7c=1}$$, 同値に$${17(17a+7b)+7c=1}$$となります.
($${2023=7\cdot 17^2}$$に注意)
ここで$${17a+7b=k}$$とおくと, $${17k+7c=1}$$となり,
$${k}$$と$${c}$$は整数なので, まずこれを満たす$${k}$$, $${c}$$の組を求めます.
これはユークリッドの互除法なり合同式なりを用いて,
$${|c|\lt 17}$$にも注意すると, $${(k, c)}$$の組がいくつかでてきます.
求めた$${(k, c)}$$それぞれについて, さらに$${17a+7b=k}$$に$${k}$$の値を代入すると今度は2整数$${a}$$, $${b}$$についての2元1次方程式になるので,
同様に解けば答えが出てくるはずです.
解答例
$${\dfrac{a}{7}+\dfrac{b}{17}+\dfrac{c}{17^2}=\dfrac{1}{2023}}$$
の両辺を$${2023=7\cdot 17^2}$$倍することで,
$${17^2a+17\cdot 7b+7c=1}$$
同値に, $${17(17a+7b)+7c=1}$$を得る.
$${17a+7b=k}$$とおけば, $${k}$$もまた整数で,
$${17k+7c=1}$$である.
$${|c|\lt 17}$$であることから, これを満たす2整数$${k}$$, $${c}$$は
$${(k, c)=(-2, 5), (5, -12)}$$のみである.
(i) $${(k, c)=(-2, 5)}$$のとき,
$${17a+7b=-2}$$となり, これと$${|a|\lt 7}$$, $${|b|\lt 17}$$のすべてを同時に満たす2整数$${a}$$, $${b}$$は,
$${(a, b)=(4, -10), (-3, 7)}$$のみである.
(ii) $${(k, c)=(5, -12)}$$のとき,
$${17a+7b=5}$$となり, これと$${|a|\lt 7}$$, $${|b|\lt 17}$$のすべてを同時に満たす2整数$${a}$$, $${b}$$は,
$${(a, b)=(4, -9), (-3, 8)}$$のみである.
以上より, 求める3整数$${a}$$, $${b}$$, $${c}$$は,
$${\boldsymbol{(a, b, c)=(4, -10, 5), (-3, 7, 5), (4, -9, -12), (-3, 8, -12)}}$$
のみである.
まとめ
以上, 第6回垂れ流し数学模試の文型・理型第2問の解答をお届けいたしました。
今回の問題は3元1次方程式の整数解ですが,
分母を払った後が部分的に17あるいは7でくくれるので,
そのときのかっこの中身を文字でおき直すことはわりと見えやすかったのではないかと思います。
この問題は難易度としては割と低い部類になるかなと思います。
実際、解答提出いただいた方の中でも得点率が高く、そのほとんどが上記に類似した解法でした。
それではこの記事を終わりたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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