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【学習スタイル】親の "普通" と、子どもの "普通" はちがう?!

家庭教師として生徒の保護者と話をするとき、かなりの頻度で繰り返される言葉があります。それは「普通」という表現です。例えば、「普通、本気で勉強する時、音楽とか聴かないのに、うちの子は音楽ずっと聴きながらやっていて、到底集中してちゃんとやっているとは思えないです!何度注意しても、音楽かけてるんですぅ!!!」というお母さんの怒り混じりの訴え。

え?音楽を聴きながら?、、、確かに、私も音楽を聴きながらだと集中できないなぁと思いながら話を聞きました。
そこで、生徒本人に聞いてみました。「ねぇ、音楽聴きながら勉強ってどうなの?結局、音楽の方に気持ちがいってしまって勉強に集中できないんじゃない?」

その生徒は強く反論。「しーんと静まりかえってる方がめっちゃ気になるよ!気持ち悪い。なんかやだ。絶対無理〜〜!、でしょでしょ???」「普通、音楽聴いた方がのってきて勉強進むはずだよ!」
経験からこの子の言っていることは、単なる音楽を聴きた言い訳ではなく、本心だと感じます。また、このお子さんに関しては、未診断ではありますが、ADHDの傾向が見られ、いわゆるグレーゾーンであると考えられます。ADHDの場合、研究でも「音=刺激」がある方が、勉強や作業や進むということが明らかにされています。
しかし、子どもの言い分をお母さんに直接伝えても、両者一歩も譲らない平行線状態。人それぞれの最適な学びの空間というのが存在するということを、なんとかご家庭の方で容認してもらうしかないのですが、簡単には話が進みません。そもそも、どんな勉強の仕方でも成績がダントツならいいのですが、成績が低空飛行だと尚のとこ、親はながら勉強が原因と決めつけて、注意し続けるということになりがちです。

他にも例があります。暗記に関しても、普通、何度も書いて書いて、書き倒して覚えるのよ!という親に対して、「見て、ぶつぶついう方が覚えれる」という子ども。机に向かい手を動かさないで、ベットやソファでごろりとなりながら英単語本を見ている子どもの姿は、親の目には怠惰そのもの、、、、。私も実はお母さん派で、学生時代は裏紙に何度も何度も書いて覚えていたタイプです。見ているだけでは覚えられないです。でも、それはあくまでの個人の学びのスタイルであって、絶対的な正解ではないということを忘れてはいけないなと思います。明らかに手先が不器用で、書くと言う動作そのものに意識がいってしまう子どもがいます。つまり、書くことにのみ集中して、勉強が字を書くという作業になってしまうケースです。他にも、書くよりも視覚的な刺激により記憶しやすい特性を持つ子どももいます。見てるだけ、、、ではなく、見て覚えているのですが、そのあたり、先ほどと同じで、何をどうしようがそれなりの勉強の成果が出せていると、親はとやかく言わないはず。子どもの成績に納得できないと、親の勉強法のあら探しが始まることになります。

このように、親と子の学習スタイルの違いは、家庭教育においてよく見られる課題ですね。親が「普通」だと思う方法が、子どもには合わないことも多々あります。こうした違いを理解し、柔軟にアプローチすることが大切です。発達障害の有無に関わらず、子どもの特性や個性を考慮しながら、親と子のコミュニケーションを深め、共感と理解を促進することで、より良い学習環境を築ることができるでしょう。

音楽を聴きながらやる子どもに、イヤホンで音楽を聴きながら数学の問題をさせたことがあります。本人の言うとおり、いつもよりもスピードよく問題を解いていました。もちろん、私が指導・説明する時には音楽はなしですけどね。その子にとって「音刺激」は効果的だと改めて感じました。

頭ごなしに決めつけてしまって子どもを怒ると、親子の関係がどんどん悪化します。まずは、言い分を聞いてみてあげてください。親の思う普通って、意外と、世間では普通ではないと言うこともあるかもです!




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