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Vol.63 AIとかなんかテクノロジーとかなんかとりあえず学校に導入しますよってことをみかけて思ったこと
「AI」学校にくるってよ
最近、「AIが生徒の学習状況を可視化できる!」なんて話を耳にしたり、ニュース記事でも増えてきたような気がする今日この頃
#いや 、前からか
「おぉ、それはすごい!」と思う反面、ちょっと違和感がある
AIがデータを分析して「この子はここが苦手ですよ!」と教えてくれるのは確かに便利だと思う。
でも、そのデータを受け取った私たち教員は、そこからどう動けばいいのでしょう?
受け取った後の活かし方って学ぶ場面ってあったっけ?と。
データならば学力調査等でもあるのに
(データとしてどうなのかとかは置いておいて)
「これまでの指導方法は間違っていたの?」 「そもそも、その苦手分野にアプローチしてこなかったの?」 「それとも、技術の問題? いや、マインドの問題?」
私自身が真剣に授業にいかせていたかというと、自分にも疑問です
AIが提示するデータをどう解釈し、どう活かすのか。
これを整理しないまま、「とりあえず導入してみましょう!」では、教育が本当に前に進むのか?
最新のパソコンを手に入れたら、最高の仕事ができるようになるのか
そこには「可能性」があるだけですよね
AIが学びを奪う?
AIが生徒の学習を支援すること自体は素晴らしいことです。
でも、「とりあえずAIが教えてくれるから、考えなくてもいいや」となったら本末転倒。
例えば、料理初心者がレシピアプリを見ながら料理を作るとします。
最初は便利だけど、「これを入れる理由は?」と考えずに言われた通りに作るだけでは、 いつまで経っても応用がきかない料理人のままですよね。
#料理人とは ?
生徒の学びも同じで、 「聞けばAIが答えてくれるから、自分で考えなくてもいいや」 という状態になってしまったら、学びの主体性はどこへやら。
だからこそ、単にデータを見て「なるほど!」で終わらせるのではなく、 「じゃあ、この子が主体的に学べる環境って何だろう?」 と考えるのが、私たちの役割なんじゃないでしょうか。
学校単位での共通言語を持つべきでは?
この話、結局は「AIをどう活用するか?」という話に行きつきます。 そして、それを考えるためには、学校全体での共通言語が必要です。
「うちはこういう方針でAIを活用していこう」 「データが出たら、こういう視点で分析しよう」 といった共通認識がなければ、各先生がバラバラな解釈で進めてしまい、 結局「なんとなく使ってるけど、よく分からない」という状況になりかねません。
だからこそ、学校単位で「AI活用の最低限の共通ルール」を持つことが大切。
そして、できるなら自治体レベルでも共通の指針があると、なお良しです。
実際、うまく前進している地域は、自治体が中心となっているところが多いです。
もちろん、「全員が100%納得する」なんてことは無理でしょう。
歴史を振り返っても、教育に関する意見がピタリと一致することなんてほぼありません。
でも、自分の立場を理解し、持てる力を自覚した上で、 どう進めていくべきかを考えることは、未来の子どもたちのために必要なことではないでしょうか。
受け身の姿勢ではもったいない
では、どうすればいいのか。
一つのヒントとして、「与えられたものを自分のものにする」という意識を持つことが挙げられます。
例えば、他の先生から授業資料を共有してもらったとします。 「そのまま使うだけ」では、それはまだもらった他の先生のもの。
でも、 「自分なりにアレンジしてみる」 「こういう生徒の反応があったから、ここを修正しよう」 と手を加えていけば、それはもう自分のオリジナルです。
どこまでいじれば自分のものになるのか? それは、「他の人に胸を張って『これ、自分で作りました』と言えるかどうか」 だと思います。
そして、これは生徒の学びにも通じる話です。
「先生が言ってたから」「AIが教えてくれたから」ではなく、 「自分で考えて納得した」「自分なりの理解を深めた」 という感覚を持ち、それを表現できるようにすること。
それこそが、私たちが目指すべき「学びの主体性」なのではないでしょうか。
AIに振り回されるのではなく、使いこなす
新しい技術が登場すると、つい流されがちになります。
「AIがすごいって言われてるから、とりあえず使おう!」
「最新のツールを使っている方が、なんかすごそう!」
でも、大事なのは「使うのは誰か?」という視点です。
「AIが決める」のではなく、「私たちが決める」。
「AIに頼る」のではなく、「私たちが活用する」。
その視点を持って、 「生徒たちが、自分の学びを主体的に選び取れる環境づくり」 をしていくことが、私たち教員の役割ではないでしょうか。
自分ごと
教育の現場にテクノロジーが入ってくるのは、もはや避けられない流れです。 でも、それをどう活かすかは、私たち次第。
だからこそ、振り回されるのではなく、 「自分が使う」「自分が選ぶ」「自分が決める」 という自分ごとにするスタンスを大切にしていきたいものですね。