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数学力とは?難問とは?


先日の自己紹介で過去問を解いていくと言いましたがその前に、

「数学ができるとは何が出来ることなのか?」

「難問は何が難しいのか?」

に対する僕の考えをまとめていこうと思います。



●数学力を構成する3つの力

数学の問題を解く能力はざっくり言って3つの能力の関数になっていると考えます。

その3つとは、

・基礎力:習得している事実の量

・計算能力:正確な計算を行う速度

・分割力:問題を複数の問題に分割する能力

です。


さらに、例えば基礎力がいくら高くても計算能力が皆無(=0)であれば数学力は0になると考えられるように、どの能力が皆無であっても数学力は0になってしまうので、ここでは簡単に、

数学力=基礎力×計算能力×分割力

であると考えます。

●なぜ問題が解けないのか?

「数学力」が定まると、数学の問題が解けなかった時には抽象的には、

その人の数学力<問題の難度

という関係が成り立つといえます。

具体的には、その問題が解けない理由として少なくとも次の1つ以上が該当します。

・基礎力が小さい⇔習得している事実が少ない

・計算能力が小さい⇔計算の正確さ、速度が
                             不足している

・分割力が小さい⇔ある問題をより多くの問題
                          に分割できない

(受験)数学の勉強において、ある段階で伸び悩んでいる学習者は、まずは3つの力のうちどの力が不足している事で問題が解けないのかを正しく分析し、改善していく、ということをやってみると良いんじゃないかなと思います。

また、今後解いていく過去問に対して、問題を解くのに必要な3つの力を10段階評価などで評価していこうと思っています。


●分割力について

少し話は逸れますが、そもそも(受験)数学の問題を解くということが本質的に何をしている事なのかを理解しておきましょう。

全ての問題には、その問題を解くための初めの設定・条件(Aとする)と、問題が要求する答え・ゴール(Bとする)があります。

求値問題を除く多くの入試問題は、「A⇔B」という、同値変形で解決される構造を持っています。求値問題も多くは道中の計算にこの構造が本質的に含まれています。

そうは言っても、実際の入試問題では、1回の同値変形でAからBが導かれることはほとんどなく、いくつかの小問を通してだったり、自分でいくつかの小問のようなステップを間に挟んだりする事で解かれるものがほとんどです。

ん?気が付きましたか?そうです、今言ったような、「問題の間に小問のようなステップをどれだけ挟めるか」というのが分割力の正体です。

式で言えば、A⇔Bの変形の間にどれだけA⇔C⇔…⇔D⇔B と別の同値な条件を間に繋げるかという事です。


●おわりに

今回はなんとなくで認識してきたであろう「数学力」について詳しく考えてみました。

受験生の皆さんはぜひ問題が解けなかったときに、どの力が足りなくて解けなかったのかを分析して復習を進めてみてください。

次回は2023年の東京大学の入試問題を解いてみようと思います。
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