中高一貫校生の理系数学の仕上げ方

　初めまして。イエナアカデミー数学講師のNaoです。現在東京大学に在籍しております。同じ数学講師のたいきさんとは異なり私は中高一貫校出身ですので、中高一貫校に在籍している皆様の学習計画について担当させてもらおうと思っております。
　さて、今回の記事ですが、早速どのように数学を進めていけば良いかについてこの場を借りて述べさせていただこうと思っております。よろしくお願いします。
　たいきさんが執筆くださった「効率高校生の理系数学の仕上げ方」でも書いてあることなのですが、私たちイエナアカデミーは数学の教材として青チャートを重要視しています。その理由は、私を含めて様々なイエナアカデミー所属講師が青チャートを使用して数学力を身に着けたと実感しているからです。ですから、この記事でも青チャートを使用することを大前提として進めていかせていただきます。
　まずはじめに、「公立高校」と「中高一貫校」で記事や担当が分かれている理由について述べさせていただきます。興味ないよー、って方や、なんでか完全に理解している、って方は読み飛ばしてもらって構いませんよ。
　公立高校と中高一貫校の一番大きな差は「進度の自由さ」にあります。中高一貫校の生徒は中学から高校範囲に入ることが可能であり、実際多くの中高一貫校は中学のころから高校範囲を始めます。対して、公立高校は高校生になって最初から高校範囲の勉強を必ず始めます。
　つまり、中高一貫校の生徒の方が早く高校範囲に手を付けることができ、公立高校生に比べて早く高校範囲を終わらせることが容易です。中高一貫校の生徒はこのアドバンテージを生かさない手はないでしょう。
　ここからはそのアドバンテージの生かし方について詳しく書いていこうと思います。
　「公立高校生の理系数学の仕上げ方」の記事では、高校二年生までに数学IIIを終わらせて高校三年生の期間を演習に充てることを推奨しています。このことは中高一貫校の生徒さんに対しても変わりません。ですが、中高一貫校の生徒の皆様は先述の通り、公立高校生に比べて高校範囲の数学に充てられる時間が潤沢にあります。ですので、この時間をふんだんに用いて、最初からなるべく深い理解をしつつ数学を進めていくのが最善です。
　深く理解するためには何種類か方法があります。
　まず一つ目が初めから難易度の高い問題に手を付けてしまう方法です。この方法は確かに理解度を高めるのに役立つと思いますが、それでもまだ理解の浅い段階から難しい問題を解くのはとても時間がかかってしまいますので、どうしても全体的に時間がかかってしまいます。時間が潤沢にあるといってもやはり有限ですので、この方法はそこまでお勧めできません。
　私がお勧めする方法は、まず中くらいの難易度の問題まで理解しながら一度高校数学全体を理解したうえで個々の理解を掘り下げていく方法です。
　数学という科目は特定の一分野しか用いない問題というもののほうが稀です。ですから、青チャートを進めていくと、初めて触れる範囲のほかにも過去に解いたことのある範囲にも触れることができます。つまり、復習ができます。そうすると中くらいの問題までしか解けなかった理解も徐々に深まっていき、解ける問題の難易度が徐々に上がっていくでしょう。
　それでもおそらく復習としては不十分ですので、全体見渡し終えましたら、もう一度自分の間違えた問題や、難しくて理解できなかった問題に立ち返って解きなおしてみましょう。自分の成長を実感できるはずです。
　今回の記事は以上です。数学は難解だと思ってる方もいると思いますが、一度理解してしまえば楽しく問題演習に取り組める科目です。最初は苦しいかもしれませんが、絶対に楽しくなる時が来ると信じて勉強を進めていきましょう。
文責　Nao