「マチネの終わりに」
観てもいいかなって人
・落ち着いた恋愛映画を観たい人
評価
★★★★☆(4.0/5.0)
展開が想像できた部分もあったのですが、演奏や景色が良くて飽きることはない。テーマもすごくよかったと思う。
具体的な感想(ネタバレ含む)
福山雅治さんの演奏は本人がやっているそうで、「コウノドリ」での綾野剛さんもそうでしたが、その方がこちらも違和感なく作品に入り込めますよね。クラシックギターの曲を聴きたくなった。
「人は変えられるのは未来だけだと思い込んでいるけど、実際は常に未来が過去を変えているんだよ。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。」
この作品はまさにこれにつきる。
この作品を観た人でマネージャーを嫌いにならない人はいるのだろうか。そのくらい他人の人生を変え、自分のことしか考えていない。しかし、それこそが最も人間らしいとも言える。むしろここまで清々しく行動に移し、理想を追求する姿は「自分の人生に貪欲でありたい」という意味では羨ましくも思える。ここまで普通はできない。
もちろんあの2人(子どもや他の人も含めるとたくさん)の人生を大きく変えるのだが、最後はそれすらも悟った上で好きにさせる。あのときにはなにか達成感があったのかもね。もうどうなってもいいと。もちろん巻き込まれた側は最悪なのだが、冒頭のセリフにもあるように、未来によって過去も変えられるのだと信じればまだまだこれからなのだ。最後の2人の笑顔にはこれから過去を一緒に変えていこうとする強い意思があったのかも。
2人があのときに出会えていたらもっと幸せだったかもしれないし、むしろ2人で暮らし始めて、そのあと別れることになったかもしれない。人生はきっとなんでもそうで、あっちの方がよかったと思うことはあるけど、それは「起こらなかったこと」なのだ。それを考えても今が良い方向に変わるわけではない。やれることは常に過去を良いものだと変えられる未来にするために行動する今しかない。そして年齢なんて関係なくて、大切なのはそのときの自分の気持ちに正直であることなんだと思う。諦めたらそこで試合終了ですね。変にそういった人生論みたいなのを押し付けがましくなくてすごくよかったと思う。
「逃げ恥」の石田ゆり子の印象が強かったが、福山雅治とどちらかが目立ちすぎることとなく、バランスの良い大人な主人公2人だった。
日本はほとんど映らず、パリやニューヨークでの生活の様子は色合いがとても綺麗だった。パリに行ったことを思い出したし、また行きたいなと思った。
幸福の硬貨が与えられたら何を買うのかなぁ。
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