55歳分の人生哲学:「自分らしく生きる」11のヒント
「自分らしく生きる」11のヒント
55年の歳月を生きてきた中で、様々な経験を通して気づいた教訓がある。この11の気づきは、ささやかな成功や大いなる失敗、もたらされた喜びや墓穴を掘って得た悲しみ、そして何ものにも変えがた人との出会いなど、人生のあらゆる場面から生まれたものばかり。
今回は、私がこれまでのそれなりに波瀾万丈だが、意外と平凡な人生で学んだ11の気づきを、哲学的な視点も交えながら書き出した。これらの気づきが、この記事を読んでくださる方々の自分らしく生きるための養分になれば幸い。
1. 直感は大体合ってる:内なる声に耳を傾ける
我々は日々、様々な選択を迫られる。そんな時、論理的な思考だけでなく、直感も重要な役割を果たしていると思う。
哲学者デカルトは、「我思う、ゆえに我あり」という言葉を残している。これは、自分自身の思考こそが確かなものであるという考え方の一つの表現。同様に、自分自身の直感もまた、自分自身から湧き上がる確かな感覚と言える。その直感にはあなたが気が付かない精神の内奥では意味をなしていることは信じてもいいのだろうと思う。
もちろん、直感が常に正しいとは言い切れない。これも真実。しかし、多くの場合、私たちの直感は過去の経験や知識に基づいており、私たち自身を守るための重要なサインとなっている。自分の内なる声に耳を傾け、直感を信じることで、より良いあなたらしい選択をし、人生の起動修正を適時実行できるはず。
2. 二割に好かれればいい:万人受けは目指さない
言わずもがなだが、すべての人に好かれることは不可能である。統計的には、10人中2人はあなたを受け入れ、2人があなたを受け入れられず、6人はどちらでもない人々だという。
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「友人は第二の自分である」という言葉を残している。真の友人は、あなたを受け入れ、支えてくれる存在だ。第二の自分と言える2割の人々に深く愛されることは、100人に薄く好かれることよりも、はるかに価値のあることだと気がついた。
3. 7割できたら合格:完璧主義からの脱却
完璧主義ほど宇宙の摂理を理解していない主張も珍しいと私は思い至っている。「生身の人間はすべからく不完全」だ。
このことを哲学者プラトンは、「完全な円は、この世には存在しない」と述べて言い表している。
この現実世界において、十分に達成され、完全体で完璧な事も物も存在しないと言える。なぜならば、我々は無窮の時をひたすら前進して成長を続ける存在であり、この宇宙さえまだ完成には至っていないのかもしれないのだ。
「完璧」は終わりの始まり
話が逸れるが、能の始祖である世阿弥は、弟子を一切誉めなかったと言われている。それはスパルタだからではない。褒めるとは「完璧」を表すことであり、完璧にはそれ以上の成長がない、つまり「終わり」を意味するからだ。
だから弟子を終わらせない、弟子に無窮の成長があるのだと世阿弥自身が体で表現して伝え続けたのだろうと考察する。だからこそ、いまだに能は継承され、無窮の進化を進んでいく。日頃の生活において、7割の完成度で満足し、3割を反省し次の7割の糧として前に進むことが、時には重要ではないだろうか。
4. 人は環境が9割:環境が人格を形成する
「孟母三遷の教え」という言葉があるように、人は周囲の環境に大きく影響されている。哲学者ジョン・ロックは、「人間は生まれた時は白紙の状態であり、経験によって人格が形成される」という「タブラ・ラサ」の概念を提唱した。
我々が自分をどのような環境に身を置くかは、私たちの人生を大きく左右する要素の一つである。
そして、多くの場合、我々は自分の力で選択する事ができる。もしも選択肢が限られているかの如く見て取れる隣人がいれば、あなたの力を貸し選択肢を広げるサポートを選択してほしい。人生というダンジョンは1人よりは2人の方が力強い。
5. 自分の機嫌は自分でとる:感情のセルフコントロール
感情に振り回されることなく、自分自身の機嫌は自分でとることは、心の安定に繋がる。ストイックの語源でもあるストア派の哲学者たちは、感情の制御を重視し、理性的な生き方を追求した。
ストイックは感情がないように受け止められがちだがそうではない。ストイックとは、自分のコックピットに入り、感情のコントロールを十分に行うために操縦桿をしっかりと握ることで、期限のある人生に有意義な選択と行動を可能にするためのセルフマネジメントスキルなのだ。現代社会においても、感情のセルフコントロールは、より良い人生を送るための重要なスキルと言える。
6. まだ大丈夫はかなり危険:危機感を持つこと
「まだ大丈夫」という油断は、大きな失敗に繋がる可能性がある。
哲学者ニーチェは、「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている」という非常に意味深な言葉を残している。
危険な状況に直面した時、常に危機感を持つことが大切である。「備えあれば憂いなし」は、「もしも〇〇だったら◾️◾️をして対処する」という事前のプランを持っておくことの大切さを説いている。
7. 没頭できる趣味は宝:人生を豊かにする
没頭できる趣味を持つことは、人生を豊かにする。古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「余暇は仕事の目的である」と述べている。
趣味は、単なる娯楽ではなく、心身のバランスを整え、創造性を育むための重要な活動であり、仕事とはサラリー調達のための単なる経済活動ではない。自己能力開発の時間であり、他者支援の時間なのだ。
そして、それを十分いこなして身につけた才能とサラリーを余暇に紐付けできれば、あなたは非常にパワフルな人生を歩むことになる。
8. 筋トレは最強の健康法:心身の健康を維持する
健康は、すべての基盤である。私は心臓発作で一晩で3回の心肺停止を体験し、健康という無形財産こそが全てだと学んだ。金持ちよりも健康持ちの方が重要なのだ。それぐらいあなたには健康でいてほしい。
哲学者デカルトは、「心身二元論」を唱えたが、現代では心と体は超密接に繋がっていると考えられており、このことは疑う余地がなくなってきた。筋トレは、身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも良い影響を与える。今すぐ、軽運動をしよう、あなたの心体脳に養分とエネルギーを循環させよう。
9. 他人に期待しすぎない方がいい:人間関係の悩みを減らす
他人に過度な期待を抱くと、失望や frustration に繋がる可能性があるし、実際にそうだ。
仏教の教えでは、「執着を捨てること」が重要視されている。他人に期待しすぎず、ありのままを受け入れることで、より良好な人間関係を築くことができる。相手を期待しないことは、自分の行動に責任を持つことの始まりとなり、あなたの運動量を増やし、脳の機能を使う頻度を高めることとなる。
自分以外の要素を期待せず、生活のほとんどの部分を自給自足してみたらどうだろう。きっとそんなあなたに力を貸してくれた人々にあなたは感謝したくなるだろう。つまり期待しないとはそういうことなのだ。
10. 天気の悪い日は無理:自然のリズムに寄り添う
あなたが想像するよりもはるかに人間の心身は自然の影響を受けている。哲学者ルソーは、「自然に帰れ」という言葉を残した。
これは自然のリズムに逆らわず、大きな流れに逆らわず身を委ね、宇宙のリズムと同調して生活することを伝えている。
低気圧は、空気中の酸素量が少ない状態のことだ。酸素量が少ないと、大量の酸素を取り込めないので、血液の流れは緩やかになり筋肉は弛緩する。すると脳に流れる酸素も減るのでどうしてもだるさが出てくる。
そう、低気圧の日、つまり雨の日はそれなりにゆっくりと生活する日なのだ。心身の調子が優れない時は無理をしないというルールを生活に取り入れることをお勧めする。
11. 睡眠は命:質の高い睡眠を確保する
睡眠は、心体脳魂の全ての回復に不可欠である。哲学者アリストテレスも、睡眠の重要性を数多く説いている。
特に質の高い睡眠を確保することは、健康的な生活を送る上で欠かせないことは、あなたも周知の事実である。
睡眠とは、まさにピットインなのだ。あなたがピットインすると、意識が遮断され、不安や悩み、気を重くする思考が停止をする。体では臓器が必要以上の働きをせずにすみ、休憩に入る。
その間に臓器の補修等が行われていく。また意識のスイッチがオフになると私たちの魂は故郷に一時帰国して、精神的養分を補充してくる。我々の生身は超絶な精密機器なのだ。十分な保守点検が必要であり、それは睡眠によってもたらされる。
最後に
これらの教訓は、私自身の経験に基づいたものであり、普遍的な真理ではない。「あなたの感想ですよね」の範疇かもしれない。しかし、人生の様々な場面で、これらの教訓を思い出すことで、困難を乗り越え、より良い選択をすることができるはずだと私は自分お人生から感想を述べている。
人生は、常に変化と挑戦に満ちている。というか、変化と挑戦しかない。自分自身の経験から学び、成長を続けること、そして自分らしく生きることが、人生を豊かにする鍵となることは本当のことだったとつくづく思う。
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