実験で溶解度パラメータを求める
1. 溶解度パラメータを計算
前記事では、「分子構造から溶解度パラメータを推定」する機能を説明しました。本記事では、実験結果を用いて溶解度パラメータを求める方法を説明します。信頼性の高く溶解度パラメータを求めたい方、分子構造が分からない方、実験結果を記録したい方は、ぜひこの機能を試してみてください。
この実験結果から溶解度パラメータを求める方法は、どの材料カテゴリでも使用できる汎用的な方法です。ぜひ、色々な材料カテゴリで使ってみましょう。
2. 実験から溶解度パラメータを計算
本機能の使用にはトップページより、「物質カテゴリの選択」→「溶解度パラメータの計算(左側)」→「実験結果から計算(右側)」とクリックしましょう。
(A) 良・貧溶媒の判定
この機能を使うためには、溶解度パラメータを求めたい材料に対して、様々な溶媒を実際に混ぜてみて、親和性が高いか低いか判定することが必要です。具体的に、材料が「溶解する」「分散する」「膨潤する」「濡れ性が低い」という場合は、親和性が高いと判定すると良いでしょう。
得られた結果を踏まえて、「SoluVision」に下記のように入力しましょう。
・物質を溶かす溶媒(良溶媒)は「◯」
・物質を溶かさない溶媒(貧溶媒)は「×」
・検討していない溶媒は「ー」
(※注意:良溶媒「◯」は、水を除いて、2つ以上の選択が必須です。)
<高精度の溶解度パラメータを得るために>
高精度の溶解度パラメータを得るためには、多くの溶媒を検討することが望ましいですが、実は溶媒によって、精度にそれほど影響を与えない場合もあります。
「SoluVision」では、溶解度パラメータの精度を高めるために、検討すべき溶媒を推奨する機能を提供しています。むやみに実験数を増やさず、ある程度の実験後に、一度計算してみることをオススメします。
<こんな時どうする?>
実験時に、良溶媒か貧溶媒か判定が難しい場合があります。「SoluVision」では、得られた溶解度パラメータに対する信頼性を表すFitting率を提示しています。判断が難しい溶媒は「◯」「×」の両方のパターンを計算し、Fitting率を確認するのも手です。他にも、「溶ける範囲」を示す「R」の値を鑑みて、結果を再検討してみるということも一つの手です。「R」は材料カテゴリによって多少の差はありますが、経験則として大体、10前後となると良い値ではないかと思います。
(B) 物質情報の入力
実験結果の入力後は、物質情報の入力です。物質名、CAS_No.、メーカー、メーカー品番等が入力できます。本項目は任意入力ですが、計算結果を確認する際に混乱しないように、分かる範囲で、しっかりと記載することをオススメします。
得られた溶解度パラメータの結果を用いて、次回以降のステップ(溶媒探索など)を行う場合、自動で物質情報が引き継がれ、次回以降の入力は不要です。すなわち、このタイミングでの入力してしまうことが、面倒な作業の重複とならないのでベストです!!
※物質情報は計算結果を確認する際に追記も可能です。
(C) 保存情報の入力
最後は、保存情報の入力です。ここでは必須項目の計算名と任意のコメントを記載することが出来ます。
計算名は計算結果の確認時に最初に目に入る情報なので、パッと見たらわかる計算名の入力をオススメします。これらの情報も後から修正できます。
3. まずはやってみよう。
いかがでしたか?本記事では、「SoluVision」の実験結果から溶解度パラメータを計算する機能の使い方を説明しました。溶解度パラメータが求まれば、最初のステップはクリアとなり、溶媒探索の準備が完了です。
本機能は「実験結果を記録したい。」といった目的にもピッタリなので、「今まで実験結果を管理していなかった!!」という方も、ぜひ試してみてください。
「SoluVision」について、もっと知りたい方は、スタートガイドを整備していますので、そちらを読むと、より詳細な使い方がわかると思います。
4. サービス情報はこちら
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