見出し画像

「レザボア・ドッグス スペシャル・エディション 」

この2枚組DVDは中古でも値崩れしないで取引されていますが、4時間に及ぶ圧倒的な映像特典が入っているからだと思います。

クエンティン・タランティーノの衝撃のデビュー作「レザボア・ドッグス」です。レザボアとは貯水池を意味するフランス語だそうです。

タランティーノは80年代は映画の趣味を生かしてビデオショップの店員をしていました。同時に映画の脚本を書き、自主映画を製作していました。この頃母親から「お前が映画監督になるのは無理。夢見たいなことを考えるのは取るに足らない人生だ」とこき下ろされ、「オーケー、僕が有名になっても、お母さんのために1ペニーもあげないよ。あなたのための家もない。お母さんのためのバカンスもエルビスが乗るようなキャデラックもない。何もあげないよ」と啖呵を切り、それをその後、実行しているようです。

80年代末に「レザボア・ドッグス」の元になった自主映画を作り、それが俳優のハーヴェイ・カイテルの目に止まって彼が主演・プロデュースでこの映画は製作されました。

ノリの良い音楽に合わせて6人がスローモーションで歩く冒頭シーンがとにかく格好良く、これから始まる映画は才能ある監督が作ったんだな、と思わせる秀逸なオープニングです。

裏社会の大物に雇われた犯罪者6人がレストランに集まり、映画が始まります。全員、相手の素性が分からないようホワイトとかピンクと言ったコードネームで呼び合いますが、これはタランティーノが好きな70年代の犯罪サスペンス「サブウェイ・パニック」の影響です。そこでタランティーノ扮するブラウンが延々とマドンナ「ライク・ア・ヴァージン」の怪しげな蘊蓄を披露しますが、こういう本筋とは関係ないサブカルチャーのトリビアを会話に入れるのがタランティーノ流で、こう言った台詞の脚本は90年代は世界中の映画が真似しました。

倉庫に集まった6人は情報が漏れていると疑心暗鬼になり、互いに殺し合いになりますが、ここはタランティーノが敬愛する深作欣二監督の影響だそうです。

これから始まる90年代を予感させる、胸騒ぎのする、才気を感じる映画です。

「レザボア・ドッグス スペシャル・エディション 「デス・プルーフ」DVD発売記念スペシャル・プライス版('92米)〈初回限定生産・2枚組〉」
ハーヴェイ・カイテル / ティム・ロス / クエンティン・タランティーノ

https://jp.mercari.com/item/m81284947814
↑メルカリ売り場

https://amzn.to/3UOyTaS
↑「レザボア・ドッグス」プライム・ビデオ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?