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「西部開拓史('62米)」

50年代にテレビが普及し始め、ハリウッドは映画の画角をワイドにし、スクリーンサイズを大きくすることでテレビに対抗しようとしていました。70ミリ映画など、さまざまなワイド画面が試されましたが、その決定版として登場したのがシネラマ映画です。

これは70ミリの画面を横に3つ並べて一つの画面として上映するもので、スクリーンサイズは縦9メートル、横30メートルという超巨大サイズ。迫力は物凄いものでしたが、映画館に3台の70ミリフィルム映写機を並べて映写しなければならず、また画面に2箇所の「つなぎ目」がどうしても出てしまうのです。

そのため、この純正シネラマ方式で作られた劇映画は2本しか存在しないのです。「不思議な世界の物語」とこの「西部開拓史」です。ともに1962年に作られました。

それ以前にシネラマ普及目的で製作されたテストフィルムや観光映画は何本か存在します。最初のシネラマ映画は世界の観光名所をシネラマで紹介する「これがシネラマだ!」(1952年)でした。

「西部開拓史」は、西部劇の神様ジョン・フォードを始め監督が3人もおり、役者もジェームス・スチュワートにグレゴリー・ペック、ジョン・ウェインというオールスターキャスト。どんな映画なのか、シネラマとはどんな画面なのか、パソコンやスマホの小さい画面では迫力は伝わらないとは思いますが、YouTubeにトレイラーがありましたので、リンクから見て下さい。本当は画面の左右に2本の繋ぎ目があるのですが、今のデジタル修正で見えなくしてあるようです。

https://youtu.be/MM_UUB6J-Fw

あまりにも製作費がかかることと映写できる劇場が限られるため、カメラのレンズにアナモルフィックレンズと呼ばれる映像を縦に圧縮するレンズで撮影して上映時に横に広げることでワイド画面を実現するシネマスコープなど、さまざまな規格が登場しましたが、やがて70ミリフィルム一本で湾曲スクリーンにシネラマ画面を実現する方式が開発され、「2001年宇宙の旅」などはこの方式によるシネラマ作品です。

「西部開拓史('62米)」
ヘンリー・フォンダ / キャロル・ベイカー / ヘンリー・ハサウェイ

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↑アマゾンプライム・ビデオ「西部開拓史」


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