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【大作映画の代名詞】デヴィッド・リーン「アラビアのロレンス」('62英)

イギリスの巨匠デヴィッド・リーン監督の代表作「アラビアのロレンス」です。トマス・エドワード・ロレンスは実在のイギリス陸軍将校で、オスマン帝国からのアラブ独立闘争を率いてオスマン帝国からの勝利をもたらしたアラブの英雄と言われていますが、それは西欧側の見方で、アラブ側からは「アラブの味方のふりをしてイギリスの国益の為に動いていた」と評価の割れる人物でもあります。

この映画の素晴らしさは、何と言っても果てしのないアラビアの雄大な砂漠を撮影し切ったところです.

灼熱の太陽に照らされた砂漠の彼方に陽炎が立ち、その揺らぎの中を、始めは定かではない何かが黒い人影になる3分間の長回し。延々と続く広大な白い砂漠と地平線を背景にロレンスが乗ったラクダが疾走する場面等、映画館の大スクリーンでこそ映える名場面が有名です。

冒頭でロレンスの死が描かれるのもこういう映画としては珍しいです。愛用のバイクに乗り、事故で死ぬのですが、次いでロレンスの葬儀の場面になり、そこで新聞記者がロレンスの人物について尋ねると、「彼ほど偉大な人物はいない」「英雄だが自己顕示欲にまみれた男」と評価が真っ二つに分かれる。そして時間が戻り、ありし日のロレンスが現れます。

ロレンスはイギリス陸軍エジプト基地勤務の少尉でした。アラビア語やアラブ世界に詳しいことから、オスマン帝国からの独立を指揮するスンナ派のファイサルと会見するイギリスへの工作任務を引き受けます。ロレンスがマッチを吹き消すと、灼熱のアラビアの砂漠に巨大な太陽が昇る見事な編集。

オスマン帝国に支配されていたアラブの独立、そこで自国の利権を確保しようとするイギリスの思惑に挟まれたロレンスの英雄譚と悲劇を207分にまとめた映画ですが、オリジナルから半世紀を経た1988年に、デビッド・リーン監督本人が再編集を行い、オリジナル版からカットしたシーンを復活させ、音声素材が残っていなかっため、主演のピーター・オトゥールをはじめとするオリジナルキャストが集結して改めて声を録音し、227分の完全版が完成しました。今回出品のBlu-rayはその完全版です。

「アラビアのロレンス('62英)」
ピーター・オトゥール / オマー・シャリフ / デヴィッド・リーン
定価: ¥ 2381

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↑プライム・ビデオ「アラビアのロレンス(字幕版)」


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