未開封新品 黒澤明「IKIRU(生きる)」米国クライテリオン盤Blu-ray
黒澤明「生きる」の米国クライテリオン盤Blu-rayです。リージョンコードが日本と米国は同じため、日本のプレイヤーで問題なく再生できます。
もはや説明の必要もない名作中の名作。冒頭、主人公の胃のレントゲン写真で始まり、「これはこの映画の主人公の胃のレントゲン写真である。噴門部に胃がんの兆候が見られるが、主人公はまだそのことを知らない」というナレーションが入ります。
次に病院の待合室のシーンになり、主人公の志村喬が顔色悪く座っている。そこに患者の渡辺篤が呑気に近付いてきて「癌は自覚症状がない。症状を自覚するようになったら末期だ」と縁起でもない話をするのです。
「便に1週間前に食った物が混じっていたらあなた、もう末期ですよ」と話したところで、渡部篤の言葉がピタリと止まる。志村の身体がわなわなと震えていることに気がついたのです。
それから志村が働く区役所の場面に。町のオバサンたちが、町のドブ川が不衛生で、区でなんとかできないかと陳情に来たのですが、あちこちの窓口をたらい回しになる。最後に志村喬が課長を務める部署にやってきますが、志村は無表情に「庶務課」と言って追い払います。
再びナレーションが入り、「忙しい。まったく忙しい。毎日毎日、大量の書類に目を通して判子をつかなければならない。しかし彼は、本当は仕事をしていない。忙しい振りをしているだけだ。今の彼は死人と同じである。彼が本当の意味で生きるには、この先、胃がどんどん悪くなり、膨大に無駄な時間を費やす必要がある。」
そして自分の病気が末期の胃がんであることを確信した志村が、自暴自棄になって酒をあおり、女性と遊ぼうとして、無惨な姿を晒すさまを観客は見せつけられるのです。
その果てに、彼は残された時間で「自分にもやれること」に気がつき、そこから「生きる」ことになるわけですが、映画は中盤で唐突に志村の葬式のシーンになるのです。そして、通夜の席で役所の仲間や部下が集まって、志村喬が「どのように最後の日々を生きたか」が語られます。
驚くべき大胆な構成の脚本です。黒澤明の監督として、また脚本家としての力量(黒澤明・橋本忍・小國英雄の共同脚本)が遺憾無く発揮されています。
「生きる」高品質クライテリオン盤は現在もAmazonで4980円で購入可能。今回は未開封新品で出しますので、4300円でどうでしょうか。
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