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ルネ・ラルー「ファンタスティック・プラネット('73仏/チェコ)」

フランスのアニメーション監督ルネ・ラルーによるSFファンタジーアニメーション。

「宇宙のどこかにある惑星イガム。ここでは巨大な人類・ドラーグ族が文明社会を支配し、小さな人類・オム族は原始的な生活を強いられ、ある者は虫ケラのように扱われ、ある者はペットのように飼育されていた。ドラーグ族の議会では、オム族の知性に脅威を感じており、オム族絶滅を主張する強硬派とオム族との共存を図る穏健派が対立していた。」(Wikipediaより引用)

ドラーグ族とオム族の確執と対立を、ユニークな美術で表現した長篇アニメーションです。ルネ・ラルーはフランスの監督ですが、70年代当時のヨーロッパでは長篇アニメーションを作る能力はフランス一国では無理で、チェコとの合作の形をとっていました。チェコには人形アニメの居所イジー・トルンカのスタジオがあり、ここは長篇アニメーションの制作能力があったからです。

「ファンタスティック・プラネット」はなんといってもその独特の美術が特徴的で、作中に登場する様々な怪生物とその生態は、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」に大きな影響を与えたと言われています。

宮崎駿は本作を鑑賞して「ヒエロニムス・ボッシュの絵のようだ」その美しくもおぞましい作品世界は面白く、「日本のアニメは美術が不在だ」と反省したと言います。

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