
ホドロフスキー「エル・トポ」('70米/メキシコ)
廃盤。Blu-rayの未開封品は目玉が飛び出るプレミア価格で取引されてます。メルカリには14000円で出しますが、売れなかったらヤフオクに出します。メルカリでは開封済みは10800円で売れてました。
公開時はミニシアターの深夜興行でロングランし、カルトムービーと呼ばれました。最初に見た時は西部劇の衣を被った「別の何か」を観るようで、言葉が見つかりませんでした。
アレハンドロ・ホドロフスキーはチリに生まれ、若い頃はマルセル・マルソーとパントマイム演劇をやりながら映画を撮り始め、1970年に「エル・トポ」を製作。監督と主演はホドロフスキー本人。
最強の人間を目指して荒野を放浪するガンマンの話ですが、次から次に明後日の方向から変な敵が現れます。
ヨガ行者と戦うときは、「無の境地」の達人である彼はいかなる弾丸も「心の空白」に導くことで無効化するので死なない、とエルトポに言います。エルトポは行者を落し穴に落として勝ちます。
途中の敵も面白いのですが割愛。最後は裸の老人で、捕虫網で銃弾を跳ね返す究極の達人。エルトポは手も足も出ません。そして老人は「命には何の価値もない」と言い、自分を銃で撃って死にます。エルトポは打ちのめされ、洞窟で長い眠りにつくのでした。ここまでが第一部。
第二部は前半の西部劇とはまったく違う話になります。
眠りの果てに目覚めたエルトポは、世間から追われたフリークス達とともに洞窟に閉じ込められていました。エルトポは彼らを救うべくトンネルを掘るのですが、ほとんど「青の洞門」みたいな話になります。
洞窟の外には退廃と偽りに満ちた世界が広がっており、洞窟が完成してフリークスたちが町に雪崩れ込むと、町の人間はフリークスを皆殺しに。怒ったエルトポは再び銃を手に取って町の人間を全滅させるのです。そして…。
とても変な映画です。個々のエピソードは通俗的な意味で面白いのですが、作者のテーマは仏教的な無常感にあるみたいです。
ニューヨークの深夜劇場でロングランしたときは、ジョン・レノン、アンディ・ウォーホル、ミック・ジャガーから絶賛されました。ジョン・レノンはこの映画に入れ込み、次回作に出資したほどです。
新品未開封なのは、これを買ってすぐにホドロフスキーの主要作が入ったBOXを購入したからです。
※エル・トポは「モグラ」を意味するスペイン語です。映画の冒頭に「エル・トポ(モグラ)は外の世界を見たいと願い、穴を掘って地上に出るが、太陽を見たら死ぬのだ」という意味深なナレーションが流れます。
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