【世界のミフネその2】「グラン・プリ('66米)」
世界のミフネ、ハリウッド進出第1作であります。監督はジョン・フランケンハイマー。本物のF1グランプリで撮影した、ある意味で前代未聞の大作です。ドキュメンタリーではないんですよ。本物のF1グランプリ会場で、本物のレースと一緒に役者を混ぜて劇映画を撮影したんですよ!
会場ではレーサーからも観客からもブーイングの嵐だったそうですが、そりゃ当たり前。フェラーリは映画への協力を拒否しましたが、フランケンハイマー監督がそれまでに撮影したレース場面を編集してフェラーリ本社で上映したところ、本物のレースそのままの余りの臨場感と迫力に、フェラーリは感激してそれから協力OKになったとか。
我らが三船敏郎先生は日本チームのオーナー兼キャプテンみたいな自動車会社社長・ヤムラを演じています。これ本田宗一郎がモデルだそうです。実際のホンダも日本車メーカーとして初めてF1レースに参加し、世界に名を高めるキッカケになりました。本田宗一郎もレース会場に来て参加チームに檄を飛ばしていたんですよ。
実際の三船も大のカーマニアで、1952年型のTG-MGを長く乗ったほか、ジャガー、ベンツ、ロールスロイスも持っていたとか。なので、「グラン・プリ」出演は嬉しかったのではないですかね。
この映画、70ミリシネラマ映画で、超大画面で展開されるカーレースのど迫力が売りなんですが、大画面を分割して同時に複数の場面を見せる画面分割も面白いです。のちに富野由悠季が「機動戦士ガンダム」とかで多様した手法ですね。
三船敏郎は主演ではないので要所要所にしか出番が無いんですが、黒のスーツ姿がとにかくカッコ良いです。英語を話す場面は吹き替えですが、チームに日本語で話すシーンは三船の声。テレビの吹き替えでは何故か森山周一郎が三船の声を当ててました。
「グラン・プリ('66米)」
ジェイムズ・ガーナー / エヴァ・マリー・セイント / ジョン・フランケンハイマー
定価: ¥ 2381
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