「ルパン三世」セカンドシーズンDVD25・26巻
「ルパン三世・セカンドシーズン」のBlu-ray25・26巻です。
25巻には照樹務(宮崎駿)が担当した「第145話・死の翼アルバトロス」、26巻には同じく照樹務の「第155話・さらば愛しきルパン」が収録されており、今やプレミア盤となっています。
この時期の宮崎駿は不遇で、劇場初監督作品「ルパン三世カリオストロの城」が大コケにコケ、アニメの仕事を干されていました。この145・155話が偽名でクレジットされたのもそのためです。偽名の照樹務は当時宮崎が所属していたスタジオ、テレコムのもじりです。
当時、宮崎駿の名を知る者は業界人とオタクだけでしたが、放映1週間ほど前に、オタクの口コミで「来週のルパン三世、どうやら宮崎駿が監督するらしいぞ!」とニュースが全国のオタク間を駆け巡り、私はセカンドルパンは嫌いで見なかったのですが、この回ばかりは「いざ鎌倉」とばかりにテレビの前に座ったのです。
SMSもない時代、よくもまあ数日でこんなマニアックな情報が駆け回ったものです。オタクのパワー恐るべし(この時はまだオタクという言葉もありませんでした)。
「死の翼アルバトロス」は、それまでのセカンドルパンとは違い、どうみても宮崎駿の絵で、宮崎ファンは狂喜。そして僅か25分の放映時間なのに画面密度とドラマの情報量が2時間の映画並みに高く、峰不二子のスッポンポンも見られて物凄いクオリティの高さに驚きました。
「さらば愛しきルパンよ」は宮崎の好きなフライシャー兄弟がアニメ化した「スーパーマン」のオマージュがあり、銭形警部も思わず「まるでスーパーマンですなあ」と漏らすなど、宮崎駿以外に太平洋戦争直前に作られた外国アニメのことなんて誰が知るか! とツッコミを入れたくなります。
またこの回は実はニセルパンが出ていた回で、最後に本物のルパンが現れるのですが、ニセルパンは赤いジャケットで、本物のルパンは赤ジャケではなくずっと化けていた銭形警部のコートなのです。ファーストシーズンのルパンは緑のジャケットを着ており、セカンドは赤ジャケ。つまりこれは自分が関わったファーストルパンが本物で、セカンドルパンは実はずっとニセモノが演じていたのだ、という宮崎駿のセカンドへの当て擦りではないか? と当時のオタクの世界ではネットもないのに大いに盛り上がりました。
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