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組織開発、はじめの一歩 「教科書」を定めて学ぼう

組織開発、はじめの一歩 「教科書」を定めて学ぼう

ラグビー界、史上最大の番狂わせと言われた2015年ワールドカップ、日本対南アフリカ戦、終了間際の逆転トライは何度もテレビでも放映されました。優勝候補の一角、巨人居並ぶ南アフリカを小兵の日本が堂々と破った瞬間、胸のすく思いを共有されたと思います。
中小企業の経営者であれば、ジャイアントキリングの瞬間、高揚すると同時に自社の現状を思い出し複雑な気持ちになられたかもしれません。
 
「こんなチームを率いてみたい!」
 
でも、最初からこんなチームがあったのではありません。首脳陣が何代も掛けて、率いたいと思うチームを自分たちで作ったのです。

何に魔法の粉をふりかけるか?

中小企業は、大企業に比べると、ヒト、モノ、カネ、経営資源のどれをとっても脆弱です。冷静に考えると太刀打ちできるとはとても思えませんが、それでも社長は戦い続けないといけません。
ヒト、モノ、カネのうち大化けする可能性のあるものは何でしょう?
やはりヒトではないでしょうか。今いる社員に魔法の粉をふりかけてベストメンバーにする、そんな小さな奇跡が求められています。

人材力に頼らない組織開発という手法

組織に活力をもたらす三つの要素、人材力、組織力、関係力に分けて考えてみましょう。
 
人材力は個人の能力に負うところ大ですから、採用力のある大企業には太刀打ちできません。中小企業にとって、ここに集中することは得策ではありません。
 
組織力は焦点を絞って社員の力を結集することですから、組織の大小が長所にも短所にもなって、社長の戦略次第でまだしも勝負になりそうです。
関係力は、小さい企業ほど全体感を持って関係性を構築できる可能性が高いかもしれませんから、少々希望が持てます。
 
中小企業においては、社長の戦略が明確で社員が集中して働けるから和ができて頑張っているうちに能力が向上してしまった、というストーリーが理想的です。つまりは組織力→関係力→人材力の順番ですが、戦略・戦術決定後の組織力、関係力の向上には組織開発の知見が大切になります。

組織開発、ご一緒に学びましょう!

ジャイアントキリングの瞬間を体感して既に7年、小職も自社のチーム作りに励んできましたが、なかなか思ったようには行かないものです。
 
組織開発の断片的な知識を学んでも一つ一つの理屈は分かるのですが実践には使えません。ひとつ筋が通っても二つ目、三つ目で止まってしまいます。組織開発の世界を俯瞰して全体を見渡さないと生半可では反って逆効果、社員からは「朝令暮改、コロコロ変わって分からない」と誹りを受けることになりました。
7年間を反省し教科書を定めて学び直すことにしました。
 
教科書は「組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす」(ダイヤモンド社、2018年、中原 淳×中村 和彦共著)です。
 
小職は組織開発の源流といわれるTグループトレーニングを12月に受けることになっています。共著者の立教大学・中原 淳先生、南山大学の中村 和彦先生は同トレーニングの系譜にあります。400頁超の大著ですが、予習を兼ねて読破したいと思います。同書を通じた学びと実践をまとめて毎週水曜日にアップしていきます。組織開発のはじめの一歩、ご一緒できますと幸いです。