薬草園を持つ唯一の漢方薬局 漢方の野崎薬局

84年生まれ。薬剤師。 日本で唯一薬草園を持つ漢方薬局、漢方の野崎薬局スタッフ。 20年の思いを胸に、現在唐招提寺境内に薬草園を建設中。 薬草のあれこれを記載。

薬草園を持つ唯一の漢方薬局 漢方の野崎薬局

84年生まれ。薬剤師。 日本で唯一薬草園を持つ漢方薬局、漢方の野崎薬局スタッフ。 20年の思いを胸に、現在唐招提寺境内に薬草園を建設中。 薬草のあれこれを記載。

最近の記事

け ケイカ(瓊花)

けいか 瓊花私たちの薬苑が、中国揚州市・大明寺境内に作られた「鑑真和上才花苑」の“分苑”になったのを記念し、平成13年(2001年)4月、揚州市大明寺住職・能修方丈より寄贈されたもの。 異名を“聚八仙(八仙花)”と言い、中心にほのかな甘い香の5㎜程の薄黄色の正常花を咲かせ、その周りに真っ白の装飾花8枚が囲む直径が15㎝ほどの花です。 八人の仙人が聚っているようだということからの命名のようです。 現在の瓊花は、唐代の瓊花とはやや異にするものです。唐代の瓊花は、実を結ばず、同類

    • あ アマチャ(甘茶)

      アマチャ(甘茶)アマチャ(ユキノシタ科)Hydrangea macrophya(Thumb.)Ser, var,thunbergii Makino コアマチャ 富山県利賀村栽培品 日本固有の薬草。 私どもの薬草苑「神薬才花苑」で栽培してるアマチャは、日本固有の植物でヤマアジサイと同じ種類のもので、コアマチャという名のものです。 花が小さくてあまり目立ちませんが、技の先端に薄紫色の花が一杯集まっており、その周りを、薄い空色で、先端が丸みをもち凹んだ装飾花が囲っていて、とても可

      • あ アブラナ(菜の花)

        アブラナ(菜の花) [気味]辛、温 [帰経]肝・肺・脾 [主治]炎症・おでき・吹き出物・産後の回復。茎、葉は悪性の腫物を治す。種子は停滞した血を動かす(行瘀散結、消腫解毒、温経散寒)。 原種は、西アジアから北ヨーロッパの大麦畑に生えていた雑草で、農耕文化と共に移動したと考えられている。漢代の中国に渡ると栽培作物となり多様な野菜を生むなど、東アジアで古くから栽培されている。日本では弥生時代以降から利用されたとみられる。 本来は菜、つまり葉物野菜として利用され、古事記で

        • あ アズキ

          小豆 アズキ Phaseolus calcaratus POXB.  マメ科 [気味]甘・酸、微寒 [帰経]心・小腸 [主治]気分をおだやかにし、湿を取り除き、尿の出をよくし、腫を引き、一切の熱毒・風腫(風邪を受けて腫れるもの)・癰腫を取り去る。胞衣(えな)を下し乳汁の出をよくし、急性伝染病の高熱を取り、魚毒を解す(利水消腫・清熱利湿・退黄・解毒排膿)。 赤小豆こそあますゆく平どくはなし水をくだしてねつさますなり(あずきこそ甘酸ゆく平で毒はなし水を下して、熱さますなり)

          あ アケビ(木通)、 む ムベ

          アケビ、木通(アケビ科)Akebia quinata(Houtt.)Decne [気味]甘、微寒 [帰経]心・肺・小腸・膀胱 [主治]不眠・口内炎・喉の痛み・小便不利・むくみ・関節不利・母乳不足(降下利水、宣通血脈、上は心肺火を清し、下は小腸膀胱の湿熱を除く)。 茎の太い部分を輪切りにして乾燥したものを、日本薬局方の「木通」といい、主な成分は、ヘデラゲニン、アケボサイドサポニン、カリウム塩などで、炎症をさまし、利尿、排膿、通経薬として用いられます。 漢方では消炎・利尿・

          あ アカヤジオウ(地黄)

          アカヤジオウ、地黄(ゴマノハグサ科)肥大根を用いるRehmannia glutinosa LIBOSCH.var. purpurea MAK. 千年以上の昔、中国から伝来した薬草です。10世紀始めに山城国(今の京都府南部)で栽培されていました。また尾張国、相模国からも、根の乾燥したものが朝廷に献上されています。江戸時代には、現在の奈良県高田市付近、石川県金沢市などで大量に栽培され、滋養強壮薬として当時の人気を集めていました。 4月の春日和の温かい日差しの中、腰をかがめると

          あ アカマツ

          アカマツ(赤松葉・松節) Pinus densiflora Sieb.et Zucc.(マツ科) 松は、古くから、庭先に黒松や赤松が植え、不老長寿や福寿の象徴としての信仰があり、正月に門松として使われています。また、全国の結核療養所は松林の中にありました。さらに、末期の悪性の病の人が、松の根の上に座り朝日に手をかざしていたところ治癒したという話を聞いたこともあります。 [気味]苦、温 [帰経]肝・腎 [主治]命を養うを司り、以て天に応ず。多く服し久しく服すも人を傷わず