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読書の月

今月はよく本を読んだ。
茹だるほどの暑さが和らぎ始めると、不思議と物語に触れたくなる。特に涼しい日は小説が読みたい。暑い日は漫画。
せっかくだからこの1ヶ月で読んだ本を並べてみよう。

気が向いたら、感想を追記する。

東京リベンジャーズ(1〜28巻)

東京リベンジャーズ、熱い。

たけみっち見習って俺も頑張ろう。
中学生が持つ無敵感、自分達の世界を作り上げたいという熱がある。カタカナが多かったり、そんな読み方するの!?みたいな、ちょっと格好つけた感じが愛おしい。
大人は「自分は世界を構成する歯車の一つでしかない」と理解している。
この物語の悪ガキ共は「自分こそが世界だ」と真剣に主張している。

おれはドラケンが好き。一見無愛想だが面倒見がいい兄貴分。好き。

呪術廻戦(18-20巻)

日車、格好いいよな。こうなりたいよな。

日車、いいじゃん……
訳あって人殺しをも厭わなくなった心正しき審判者って、とても魅力的じゃない?
正しさを突き通すために手段を選ばない的な。
大人らしい大人というか、自分の理想を曲げなくて立派というか。

かがみの孤城(上・下巻)

辻村深月はミステリーとちょっとのSFが魅力

他人の悪意に触れて人間不信になる気持ちにはよく共感できる。
唯一の頼みにしていた友人を奪われた孤独感と喪失感が自分の過去に重なった。つらいよな、わかる。
そんな中で現実離れした拠り所を得たら、現実を忘れてのめり込んでしまうだろう。

下巻を読み始めた辺りで、物語のトリックに気付き始める。
最後まで赤ずきんだと思っていたし、そもそも9匹のヤギと言う童話を知らなかった。

特別な人間でなくても、誰かの役に立つことはできる。人を想って救うこともできる。と、思った。

ハサミ男

ハサミ男に取り憑かれそう

連続殺人犯であるハサミ男に、どうしてか魅力を感じてしまった。偏執と言える程の周到さと判断力を持ちながらも殺人はやめない。無意味にも真実を求める姿に惹かれてしまう。人間が持つ矛盾の具現だろうか?
常人とは思えない思考をもつハサミ男に何故か共感してしまう。ある種では正しいことを考えているのかもしれないと思わされる。

読み終えた後に残る不気味さは、この物語特有の性質だろうか。

真犯人を探して不要な危険に臨むハサミ男と、ハサミ男を追う刑事達、二つの視点で綴られた物語は、最後まで結末を予測できなかった。

どうして推理小説、ホラー小説は途中で官能的な表現を挟むのだろう?よくあることなのか?

medium

読み進めるほど翡翠の魅力に囚われそうになる

死者の声を聞く霊媒師と推理小説作家の二人が難事件を解決していく物語。
どうせ読むのであれば、自分なりに疑問点を挙げ、仮説を立て推理しながら読めばよかった。

ただ文字にて描写しているだけなのに、霊媒師の翡翠ちゃんが魅力的に見えた。それを愛しく想う作家:香月を応援したくなる。

読み進めるごとに感情を揺さぶられ、二人の幸福を願ってしまう。

それが全て作者の手の上であることに気付かずに。
恋は盲目とはよく言ったもので、感情によって読みたいように文章を読み解釈する。
そこに違和感があっていても、結末に至る決定的なヒントが堂々と書いてあっても見落としてしまう。
そんな心の虚を突かれ、見事に笑われることになった。

もう一度冒頭から読み返そう。あぁ、この物語を知らない人が羨ましい。一度きりしかないこの感覚を味わえるのだから。


9月はたくさんの物語に触れた

読んだ読んだ。面白い本いっぱいあるし沢山心を動かされた。作者の思惑通りに翻弄されることのなんと愉快なことか。
物語を読み進めると「頑張れ!」だったり「幸せになって…」だったり「騙された!」だったり、色々と心が動かされる。
紙の上に踊る文字だけで読者を躍らせるんだから、作家はすごい!人の心をよく解っているのだろう。

本は物を語らない。
読み手によって万別の感情を抱かせる小説は、いくら読んでも満ち足りない。


日本の革

皮革製品の成り立ちや魅力を語る

え、これも紹介すんの?まあ一応、本だしな。
日本各地で生産される皮革の特徴や職人への取材が細やかに書いてある。
あーボストンバッグ欲しい。

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