心にマスダさんを忍ばせて
最近、エッセイを読むのにハマっている。
幼い頃から本が好きだったのだが、エッセイには触れてこなかった。
その人の考えを知って、モノの見方が変わる。
エッセイというジャンルが私にとって、一番スムーズに自分を変える術になると気づいた。
中でも好きなのは、益田ミリさん。
タイトルの「マスダさん」とは、この方のこと。イラストレーターでエッセイも書かれている。
ミリさんを知ったのは、ドラマ「僕の姉ちゃん」から。
休職中に観て、どハマりし、文庫本も揃えた。ドラマは現在3周目、本はそれ以上に繰り返している。
あの雰囲気を何度も疑似体験したくなるのだ。
ドラマは30分の尺でちょうど良く、雰囲気もゆるゆる。姉のちはる役は黒木華さん、弟の順平役は杉野遥亮さん。主演の2人が役柄にぴったりと合っていて、役者さんってすごいんだな~と思った。程よく「普通」で台詞なのに台詞を言っていないような感じも好き。
個人的な作中の名言は、ドラマでも聞ける弟へ放った姉の一言。
黒木華さんがちはるさんとして言うと、凄みというか、言葉の圧が増す。現実で自分に言われたら、結構ショックかも…。
映像の撮り方・見せ方・編集も全部素敵。監督さんの映像作品をもっと見てみたいと思っている。
ただ、ドラマにはお仕事の描写があり、自分の仕事と重ねてしまって、きつい時もあった。それくらい世界に入り込んでたんだと思う。
原作は、ドラマでは描かれない姉ちゃんのもっと際どい部分が見え、名言もたくさんある。益田さんのイラストもゆるくてかわいくて読みやすい。
原作でもドラマでも「私の存在自体がこの世界で1番尊いでしょ?」と言わんばかりに振る舞う姉のちはるさん。
こんな風に生きてみてもいいのか!と目から鱗がたくさん落ち、大いに笑ったのだった。そして「これを作る人の感性は、もっと面白いんじゃないか?」と思い、図書館で益田さんの本を借りて、読みあさっている最中である。
エッセイも漫画も少し読んだけど、やっぱり面白い人。
私と世界の見え方が全く違う。生きてる年月も違うからかもしれないけれど、益田さんの世界の見方の方がもっと楽しそう。
だから、この間のお出かけで益田さんを心に忍ばせてみることにした。
結果は、大成功!
自分のことを客観的に見ることって難しいけど「この人ならどうやって考えてみるんだろう」と意識したら、客観的に捉えやすくなって前と変わらないお出かけが楽しくなったのである。
小さいバッグで出かけて、エコバックを忘れて、ビニール袋(小)2つにモノをぎっちぎちに詰め込んで歩いた、駅からの帰り道。
これは、、、
地元のおじいちゃん・おばあちゃんがよくやってたやつ!!
絶対自分はしない!って思ってたのに…。
気づいたらちょっと笑ってた。
いらんプライド、自分で捨てられてるな~って軽く感じて。
やっと気負わずに街を歩けた気がした。
益田さん、ありがとうございました。
これからも勝手にマスダさんを心に忍ばせて生きていきます。