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「Google帝国」に対抗した「独立国家SNS」

テクノロジーの進化って、今と昔でどう変わってるんだ?

生成AI やら NFT やらどんどん言葉が出てきてよくわからん

このように時代の流れが早すぎて、IT や テクノロジーの変化についていけない人も多いのではないでしょうか。

そんな人におすすめしたいのがこの本。

インターネット黎明期から現代のweb3に続く、テクノロジーとそれに伴うwebの発展を図解を用いてわかりやすく説明してくれています

歴史の全体像からわかりやすく「なぜ?」そうなっているのか、という文脈を丁寧に説明しているので「なるほど!」となる部分が多く、読んでいてとても面白いです!


著者自身もこの本の目的をこのように定義しています。

最終的には、読者の皆さんがそれぞれの立場から未来予測を立て、おのおのの人生にフィードバックしていく、その「原資」となる知識・情報を提供することこそ本書の役割であると考えています。

comugi. デジタルテクノロジー図鑑 「次の世界」をつくる . SBクリエイティブ株式会社. Kindle 版.

そのため、ただ単に情報を羅列するのではなく、テクノロジーを歴史的背景から紐解き、「なぜそうなったのか」をわかりやすく解説しているのです。


特に、前半部分のインターネットの歴史を解説している部分は本当に面白い。

そして、難しい用語も使われていないので IT とかテクノロジーに疎い人でも読めちゃいます

それでは今回は、この本の内容を参考にインターネット黎明期 web1 の時代を解説して行きます。

■web1~web3 の全体像

web1の時代解説に入る前に、web1~web3までの全体像を簡単に紹介します。

  • web1:readの時代(1991~2004年頃):デジタル情報を読む時代

  • web2:read/writeの時代(2004~2018年頃):デジタル情報を読み、発信する時代

  • web3:read/write/ownの時代(2018年頃~):デジタル情報を読み、発信し、所有する時代

web1 read の時代に関してはこちらの記事で紹介しているのでぜひご覧ください。


では、今回はweb2はどんな時代だったのかを紹介して行きます。

■web2:read/write の時代(2004年~)

web1はwebブラウザに映し出された情報を「読む」ことがメインでした。

次におとづれたweb2の時代は「読む」に「書く」が加わった「read/write」の時代です。

この時代に押さえておきたいことは

  • webページの爆発的増加により Google が web を支配したこと

  • Facebook や Twitter(X) などの SNS プラットフォームの登場

です。

その背景をもう少し深ぼってみて行きます。

◎ブログにより誰もが発信できる時代に

この時代にブログが登場し、誰もが発信できるようになります。

つまり、ブログが登場したことにより普通の人にとって web が「受動的」なものから「能動的」なものになったのです。

ブログが画期的だったのは、パソコンとインターネットがあれば誰でも自分の文章を簡単に発信できるようになったことです。

それまでは、HTML を使って web サイトを作るなど頑張る必要がありました。

ブログサービスの登場により、誰もが気軽に「自分のブログページ」を作成できるようになったのです。

この変化が発信者を増やし、1人から不特定多数の人たちに向けての発信がされることが増えました。

それにより、webページが爆発的に増加します。

◎webページの爆発的増加により Google 検索の有用性が高まる

webページの数が増えると、web上のコンテンツをリンクを辿る形式のポータルサイトではなく、自ずと「キーワード検索」で目当てのwebページを探す優位性が高くなっていったのです。


この時代、発信者からすると自身のwebページがインターネット上で目立っていなくてはなりません。

インターネット上で目立つこと、つまり、Google 検索で上位に表示されることを意味します。

「検索エンジンの最適化(SEO)」がビジネスで必須になったのがこの時代です。


「人々の発信欲」がwebページの爆発的増加をもたらし検索エンジンがインターネットユーザーを「どこかにあるはずの求めている情報」へと導く案内役となりました。


その案内役としての検索エンジン最大手となったのが、Google です。

◎発信者とGoogleの蜜月関係

webページが増えれば増えるほどポータルサイトよりもGoogle検索の方が優位になり、Google 検索の優位性が上がれば上がるほどwebページはユーザーに見つけてもらいやすくなります。

そして、Google検索を使う人、つまりwebページをみる人が増えれば、それだけ発信者とGoogle 両者の広告収入も上がります。

これが、2者ともに儲かる好循環を生み出しました。

web2は「webページ(発信者)とGoogle検索の蜜月関係が生まれた時代」と言えます。


そして、Google 一強の状態となりました。

web は Google の中央集権的な国家となったと言えるでしょう。

◎「Google 帝国」に対抗した「独立国家 SNS」

SNS の mixi と Facebook は2004年に生まれています。

SNS は、コミュニティ形成のためのプラットフォームです。

Facebook がもっとも顕著な例であり、SNS の発想は家族や友人、仕事仲間など、リアルな世界で気づかれている社会的なつながりをデジタル上に展開しようというものです。

SNS はインターネット上に半ば「クローズドな空間を」つくっていると言えます。

Google には代表的な SNS がありませんし、 Facebook や Instagram の個人ページや投稿は Google 検索ではほとんどヒットしません。

SNS の発信はブログのwebページと異なり、閉鎖された空間への発信になります。

つまり、
SNS はより閉鎖的であり、独立的です。

一方、
Google はより開放的であり、支配的です。

インターネット上で情報を求める人はみな、Google 検索を通らないと望む情報に辿り着けませんでした。

そんな「Google 帝国」に対抗したのが「独立国家 SNS」だったのです。

■さいごに

どうでしょうか、歴史を紐解いてつながりを見出すとテクノロジーの背景理解が進み面白いと思いませんか?

次回の記事ではweb1, web2の時代を踏まえてweb3の歴史について解説して行こうと思います。

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