
Photo by
tonewicker
【毎週ショートショートnote】バンドを組む残像「アフターイメージ」
「先生、何してるんですか?」
おれはある『特殊な』プロジェクターを用意していた。
「まあ、見てなさい…」
このことはおれが軽音部OBで母校に赴任してきてからの念願であった。
この高校はおれがいた頃は文化祭だけでも、町の高校生、皆熱狂させる程それはもう華々しかった。
が、それも昔の話、今は3年生3人のみで来年新入部員が来なかったら廃部だ。
そこで思い立って軽音部に残る貴重な映像やプロジェクターを駆使して出来たのが…
「これだ!」
そこに現れたのは、ヒロト先輩、リンゴ姐さん、ノコ君だった。
皆、世代はバラバラだが元軽音部員だ。
現軽音部員のゴトウが
「スゲ~まるで憧れの先輩たちのバンド!」
この最新技術で映像が本当の人になるのだ。
しばらく、そのサウンドに酔いしれていたが、『方向性の違い』により解散に。
これが限界…がゴトウが一言。
「先生…バンドがやりたいです!」
目の色が変わった。
それがバンド『アフターイメージ』の伝説の始まりだった。
完。
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