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またたび文庫改装日記 vol.1

この場所について


またたび文庫が拠点として使っている場所は、築50年の2階建ての物件。

もともと、「白老専門店会」という商工会のような団体の事務所としてたてられたのだそう。
専門店会がなくなった後は、
政治家の事務所として2年半前まで使われていた。

1階に50平米ほどの広い応接スペースと6畳の小部屋、「更衣室」とかかれた3畳の部屋がある。
2階には30人ほど収容可能なセミナールームと、六畳の和室がある。

この大きなたてものを、自然をテーマに活動している「mimori」と共同で借りている。

将来的には、何組かの小さなお店や事業者がはいるシェアスペースとして運営していきたいね。そんな構想をもって借りはじめた。


外観。古い!大きい!

改装のきっかけ


またたび文庫の場所は、1階のひろい応接スペース。
1月からこの場所を「本屋」と「イベントスペース」として試験的に営業してきた。

移動本屋としてイベントや軒先出店中心活動をしてきた身としては、いきなり「お店をもつ」イメージがなかなかもなかった。(実は、今もあんまりついていない)

自分が納得する空間イメージがもてないまま整備してしまうと、おそらく無駄なコストがかかってしまう。

だから、居抜きのままで催しを企画し、お客さんに入ってもらう戦略にでた。

1月から10月まで、毎月イベントを打ちつつ、週に2〜3回ほどのオープン日をもうけて運営してきた。


十ヶ月かけてようやく、いまの空間の限界が見えてきたのだ。

まず、入ってすぐに設置された大きな受付カウンター。
まちの人にきくと、そこで受付の方がいて、奥で議員さんが待機していたのだそう。
政治家の事務所として使われていた際の名残りである。

存在感のある大きなカウンター。
本を置いて本をみられるようにしたり、自分が座って作業する場所としてみたり、活用方法を試行錯誤してきた。

ところがその大きさ故、入ってすぐに現れる「壁」になってしまう。
カウンター後ろの本棚スペースへは、初めて来店くださる方にとっては結構入りづらい・・・

他にもきになるのは、床に貼られたクッションフロアや、年季の入った天井のシミ、白色の蛍光灯。
わたしがもらってきたりした諸々の家具類も、統一感なく散らばっている。

事務所的な空間に、寄せ集めのモノたちをとりあえず詰め込む。
やっとこさ「本屋っぽく」してみた場所にすぎないな、と感じてしまった。

どれか一つをとっても「またたび文庫っぽい」ものはなく、なんとなくこの場所にいると少し自信をなくしてしまう。

お客さんに喜んでもらいたい、という気持ち以前に
自分が居心地良く仕事をするために空間づくりをしたい。

そう思うようになってきた。

入り口すぐのカウンター。奥には少し、行きづらい・・・


カウンターの後ろはこんな感じ。

計画づくり


ということで、いつもお世話になっている大工さん・ゲンカンパニーの村上さんに相談した。

村上さんは、移動本屋をはじめるにあたっての、「鮭箱本棚」を一緒につくってくれた方である。

予算感に応じて、どの部分を重要視するか?のメリハリをつけて空間づくりをおこなう計画をたてた。

⓪カウンター解体、床はがし
まずは、空間を広く使うための準備。

①壁、天井 
水性ペンキで壁を白く、天井をグレーに塗る。予算をかけずきれいにするイメージ。

②照明
事務所っぽさの要因となる蛍光灯をはずし、電球のような照明に変える。こちらも予算控えめで、こだわりすぎない。

③ 床板はり
北海道産材の端材をつかったフローリング。今回は、この床をメインに空間づくりをする。

空間ができあがり次第、定期的にイベントをひらく予定でいる。

そこでお客さんの流れや反応をみつつ、本屋として営業していくために必要な什器製作の計画をたてていく。

今年の1月と同様の、実験的な動かし方を経て本格オープンという流れだ。

はじめてのお店づくり。
自分自身が、ほんとうに納得のいくような場所にしていくこと。まずはそこから!

次回に続く。


ゲンカンパニー HP
https://gencompany.net/

観森-mimori- HP
https://mimori.life/


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