カンゲキさん
音楽好きが高じて、
西城秀樹さんのファンになった。
熱心なファンがあげてくださる
動画や写真、昔の雑誌の記事を眺めて
楽しませてもらっている。
Twitterを始めたきっかけは
秀樹さんだったけれど
今も続いているのは
ファンのみなさんの秀樹さんへの
愛着を読むのが好きだからだ。
ヒデキ垢のぼくのタイムラインには
フォロワーさんの秀樹さんに関する
ツイートや画像が流れる。
今日が何の日であるかと、
秀樹さんにちなんだ記念日を
紹介してくれる。
電子版ヒデキの日めくり。
こんな具合で毎日配信されるので
カレンダーを眺めては
今日は秀樹さんが武道館コンサート
をした日だったな。
などと朝からライブの模様を
想像したり、こころがあさっての
方向へ羽ばたくので、我に帰るのが難しく
なっている。
タバコをやめて10年以上になるが
日々ヒデキを摂取する
新たな依存なのかも知れない。
ひとりで音楽を楽しんでいた頃は
誰とも、音楽の話をしなかったし
音源を買って、ひとりでライブに行く
ぼっちだった。
音楽好きが周りにいなかったし、
好きなものを話しあえるなんて
考えたこともなかった。
SNSは趣味でつながるには
格好のメディアだ。
オタク同士の交流は、ネット以前は
文通や、交流会だった。
文通をしたこともあるし
ファンミーティングに
参加したこともあるけれど
筆不精から文通は断念、
ファンの集いにも馴染めず
ひとりで音楽を楽しんでいた。
共感し合える楽しさを
教えてくれたのは、今では
推し仲間だと思う
秀樹さんのファンの方々だ。
Twitterで見かけたり、やりとりする
ヒデキファンの愛情の深さが
あたたかくてとても好きだ。
秀樹と見るや、一目散にイイねがつく。
コメントがやけに多い。
推しを語るファンは
おしなべて熱心で、人に薦めたくなるのは
分かるけれど。
コメントには❤️マークが乱れ飛び
どうかすると泣き出してしまうのだ
ちびまる子ちゃんでは
定期的にヒデキにちなんだ
エピソードが出てくる。
まる子の姉、さきこは
ファンの生き写しだ。
テレビにヒデキが出る時は
家族全員を黙らせて
ハートマークの目で妄想に没入する。
おじいちゃんが、ヒデキの真似を
しようものなら、目を剥いて怒る。
ヒデキファンを知る前は
作り話だと思っていたが、のぼせたり
笑ったり、怒ったり、泣いたりする
様子が、“おねえちゃん“そっくりで
なんといえばいいのか
かわいらしい。
秀樹さんは数多くのステージに立ち
野外コンサートや武道館
地方の体育館まで、全国津々浦々
歌にイベントに、文字通りのツアーをした。
全国にファンクラブの支部があり
組織化されて、応援練習などして
いたらしい。
だからなのか、過去のライブ音源を
聴くと、メドレーのバラードを
アカペラで唱和するファンの歌声は
賛美歌のようで、初めて聴いたとき
泣いてしまったほどだ。
健気で、献身的で。
ヒデキファンは
歌手やアイドルとしての秀樹さんを
讃えつつ、口を揃えるように
秀樹さんの気配りや、優しさを
口にせずにはいられないようだ。
ファンとしての忠誠度が高まるほど
成し遂げた業績の背後にある
自身へのストイックな厳しさと
大スターには珍しい腰の低さを称賛する。
いい話は山ほどあるので、ここでは
割愛するが、多くのファンが
歌手、アイドルとしての素晴らしさと
同じくらい、いや、それ以上に
人間性に惚れ抜いている。
ファンの欲目だと笑うなかれ。
ぼくだって、この人たちは
何にこんなにカンゲキばかりしているのか
最初は戸惑った。
長くファンに接したからか、感化されたからか。
彼女、彼ら、ディープなファンは
日がな一日、ヒデキを想っている。
朝起きてから眠るまで、
ヒデキにおはようと言い、憂鬱な一日を
やり過ごすために、ヒデキの歌を聴き
スマホの待ち受けをヒデキにし、
暇さえあれば、ヒデキのことを考える。
秀樹さんはスターになった。
ファンはいつだって逢いたい。
夢に出てきてほしいという
コメントを見かけると、あまりの
切実さに、胸がいっぱいになる。
毎月16日は、カレーの日なのだそうだ
ヒデキカンゲキ!で有名なバーモントカレーを
多くのファンが食べる。
秀樹さんの星の誕生日。
ヒデキを思い、カレーを食べる。
そんなにまでして逢いたい。
ヒデキファンにとって
西城秀樹は永遠の恋人。
恋人を想い、友と語らい
つらい時には励ましあい
うれしい時には喜び合う。
秀樹さんのファンとTwitterで
話をする時、面倒な日常をひととき離れて
忘れられる。
素晴らしさを語り合うだけで
なんでこんなに楽しく、励まされるのだろう。
長くなった。
西城秀樹さんとファンの方たち。
ぼくは毎日感激しています。
夢中にさせてくれてありがとう。
みなさんと話している時は
夢のなかにいるようです。
おやすみな西城秀樹。