【農業・芸術・食をテーマに3ヶ月でヨーロッパ6カ国⑥】 イタリア-プーリア オリーブ畑でWWOOF(前半)
「農業」「芸術」「食」をテーマにヨーロッパを6ヶ国周る中で、2ヶ国目のイタリアでは人生初のWWOOFを3ヶ所で経験しました。
WWOOFが分からない方こちらの記事をどうぞ。【農業・芸術・食をテーマに3ヶ月でヨーロッパ6カ国⑤】 イタリア WWOOFデビュー
1つ目のWWOOFは南イタリア、プーリアの半自給自足スタイルの家庭でした。
まずロケーションから説明します。
プーリアとは、州の名前で、イタリアをブーツに例えるならちょうどかかとの部分にあたり、オリーブとワインが特産です。見渡す限りオリーブ畑が広がっています。乾燥していて、石が多く取れるため石造りの家が多く、最近知名度の上がってきた特徴的な建物が並ぶアルベロベッロの街もあります。
(↑石を積み重ねて作った屋根が特徴的なトゥルッリが並ぶアルベロベッロ)
アドリア海に面し白い家が連なる街が多く点在するプーリアですが、その中の1つオストゥー二も白い街として有名です。オストゥーニから車で20分くらい田舎に行ったところに、今回のホストの家はあり、そこで2週間働きながら暮らしました。
(↑オストゥーニの街並み 右奥にはオリーブ畑が広がっている)
今回のホストの詳細は、こんな感じです。
〈家族構成〉
・ティナ(60代)…街の学校の事務員として働く、時間があればもちろん畑仕事もこなす、ふくよかで声が大きく日本人がイメージするイタリアのマンマ(お母さん)って感じ
・アレ(30代半ば、ティナの娘)…家の畑で働く、ドレッドヘアに鼻ピアス、元看護師
・フェデリコ(30代半ば、アレの旦那)…家の畑で働く、1年に1度輸出用ワインの工場に出稼ぎに行く、適当な雰囲気で人見知りだが話すと優しい
・マルチェッロ(3歳、アレたちの息子)…たまに幼稚園、すぐ泣いてすぐ吐く、偏食、極度の人見知りだけどお調子者
〈動物〉
・犬 6匹
・猫(ほぼ野生) 沢山
・ニワトリ 沢山
・ガチョウ 2匹
・カモ(すごい凶暴のため隔離中)1匹
犬とニワトリはお昼は放し飼い。
その他に、たまに羊が30匹ほど庭の雑草を食べに、羊飼いに連れられてやってくる。羊飼いの男性は、ジャッケトを着ていて、ジローラモ風なお洒落な格好。さすがイタリア人!
(↑上:フェデリコの犬イザナミ、下:アレの犬モルゲン)
(↑マルチェッロとイザナミ)
(↑モルゲン)
〈畑〉
・野菜の畑 家の周りに4箇所、合計すると120平米ほど
・柑橘の果樹園 家の横に1つ 20平米ほど
・葡萄畑(ワイン用)100平米ほど
・オリーブ畑 とっても広い!全て回るのに20分ほどかかる
(↑野菜用畑 手前は食べごろの野菜たちが植わっている 奥は次のシーズンに向けて準備中)
(↑どこまでも広がるオリーブ畑)
基本的に作った作物は、売らずに家族で消費しており、野菜や鶏卵の他、作物から加工品のワイン、ワインビネガー、マーマレード等ジャム、オリーブオイルも作ってる。自給自足的暮らしだが、冬はあまり作物が取れないため、必要なものをティナが稼いできたお金で買いながら生活している。
〈家〉
この地方に昔からある歴史の長い石造りの白い家。
ピザ釜も室内に1つ、室外側の壁に1つ組み込まれている。
大きな暖炉があり、その熱を使い各部屋のオイルヒーターを温めるようになっている。私たちが利用したWWOOF用の部屋は、天井の高いところのに小さい窓が1つあるだけで、とても暗く寒かった。
居住用スペースとは別に、家の4割ほどアグリツーリズモ用のスペースがある。
アグリツーリズモ とは
アグリツーリズモ(Agriturismo)は、農業(Agricoltura)+観光(Tourism)からできた造語。農園に滞在してゆっくり過ごすというイタリアの新しい旅スタイルのこと。施設にもよるが、農作業を体験したり、そこにいる動物と触れ合ったりするところもあれば、作業等はせずに、ただ美しく広がるオリーブ畑や農村の景色を眺めて、その土地で取れた新鮮な食材を頂き、ゆっくり過ごすというものもある。価格帯も様々。南イタリアで多く見られるが、南フランスやスペイン等でも少しずつ増えてきている。今までバカンスといえば、観光地やリゾートに行くというスタイルだったが、田舎にいき自然を楽しむという、新しいスタイル。
(↑家外観とリビング)
ロケーションやホストについては、こんな感じです。次回は、細かな仕事内容と食事について書きます。