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掛け算 順序問題 解明します。②
割り算にも掛け算にも、2種類あることは既にご説明しました。では、さらに本質に迫ってみたいです。
割り算には等分除と包含除がありますが、数量関係のみに着目したならば、割合と比較量で考えます。そうすると、
等分除は、1でない割合あたりの量÷1でない割合=割合1あたりの量。
つまり10÷5=2では、10を割合5とみたときに、割合1にあたる数が2ということです。
包含除は、1でない割合あたりの量÷割合1あたりの量=1でない割合。
つまり10÷2=5では、1でない割合にあたる数が10で、その割合1にあたる数が2であるなら、10が割合5にあたるということです。
そして掛け算です。掛け算は等倍乗と包含乗とでも名付けておきます。
等倍乗では、割合1あたりの量×1でない割合=1でない割合にあたる量。
つまり2×5=10では、割合1にあたる数が2で、1でない割合が5ならば、割合5にあたる数が10ということです。
包含乗(順序問題の解明のカギ)では、1でない割合×割合1あたりの量=1でない割合にあたる量。結果は同じなので順序はあまり気にする必要はありませんが、物事を見る視点・捉え方が異なります。故に意味理解の思考の手続きも異なるのです。
つまり5×2=10では、1でない割合が5で、そのうちの割合1にあたる数が2ならば、割合5にあたる数が10ということです。
以上のように、割り算に明らかに2種類の意味があるので、掛け算にも2種類あるのです。答えが同じなので気にすることはないと言われるかも知れません。
でもそこには、
等倍乗は外延で、包含乗は内包なので、先に部分が見えているか、先に全体像が見えているかという大きなちがいがあります。
そして、もしこれらを混同して、5個のベンチに2人ずつ座る問題で、ベンチのまとまりが5個あって、それが2つあるのでベンチか10個というような誤った理解をする子どもが出現するのを恐れるならば、ただ、絵を書いて説明させれば事足ります。
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