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カフェにて

「こんにちは」
 男が愛想よく声をかけてきた。顔をみると、鼻筋が通って、頬骨が高く、見とれてしまいそうな容姿。
「どうも」
 あまりにも自然な挨拶に、私はうっかり返事をしてしまった。
「ここ座ってもいいかな?」
 図々しい。それでも、ここまで強引なのは嫌いではないかもと私は思った。
「ごめんなさい。友達が来るの」
「じゃあ、友達が来るまでここにいるよ」
 私の牽制をかいくぐって、男は既に椅子を引いていた。背も高い。私は、少し付き合ってやってもいい気分になった。
「どうぞ」
 つい顔が綻んでしまった。こういうのも悪くないか。
「へぇ。警戒していないんだね。俺はこういう者です。何の件かわかるよね?」
 なるほど。そういう事ね。なんて事を思う余裕はまだ私にあった。いや。嘘。やっぱ、強引な男は苦手だわ。
 

一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!