ヒト扱いされ愉しかった件
某金融会社からメールが入った。
試しに融通してもらえるか訊いてみよう。
申し込んで数時間後に営業さんから電話。
「私どもは売掛金のお立替をさせていただく業者ですが
その点、ご理解いただけておりますでしょうか?」
馬鹿丁寧だ。
「ハイ」
「いつまでにいかほど御入用でしょうか?」
「今月中に20ほど」
「それをいつまでにお支払いされますか?」
「来月末には」
「来月末にいかほど回収される予定がおありですか」
「28ほど」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「お客様、私どもは100万円以上の御用を承っておりまして」
「(*⁰▿⁰*)?(^o^)!(^-^)♪」
・・・瞬間、すごく和んだ。
どう言えばいいだろう?
すごくホッとしていた。
弾む声で言った。
「あ、そうなんですか?
じゃ、無理ですね~♪
いや、失礼しました。
では、けっこうです。
はい。ありがとうございました!」
10や20のカネで、どうされることもない。
死なないし殺されもしない。
ワタシはまだ、人間のままで居られるらしい。
説明し難いが、これまでの人生で、
ヒトのいのちがカネに振り回され損なわれる場面を
幾度となく見てきたからだろう。
自分はまだ、地に足がついてるらしい。と、
直感的に悟った。
実に久しぶりにセンタリングとグランディングが同時にきた。
借金バナシでグランディングするというのも、
おかしなハナシだが、まことに自分らしいと思う。
脚にガタが来てるし、舌も回りにくいが、
まだヒトとして、
走りまわって、喋りまくって、はたらく道はあきらめない。
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