僕の格安SIM乗り換えのリアル
「ケータイ料金、高いねぇ」
思えば息子の中学受験に向けた塾代の捻出に苦労するなか、家族全員分で毎月20,000円ほどの通信料金を支払う妻から出たこの一言がきっかけだったかもしれない。僕は格安SIMへの乗り換えの検討をはじめた。
通信料金が半分以下になるということはネットの情報で理解していたものの、今の今まで本気で検討していなかった理由は、回線の主契約者と引落口座名義者を変えていたり、子供が使う回線の追加契約でこんがらがった契約内容をサポート窓口で変更しなければいけない面倒さと、乗り換えで発生する解約金だった。
夫婦そろってサポート窓口に出向く日程の調整はなんとかクリアできそうだったが、解約金は各回線で約10,000円と単月の支出が大きい。できれば解約金がかからない月に解約するのが理想だが、そこに至るまでに少しでも節約しようとプラン変更を続けてしまっていた結果、その期が伸びに伸びて結局変えられていない...そんな負のループに陥っていた。
ループを抜け出したのはなんてこともない。きちんと損得の計算をしただけだ。
今の回線契約と乗り換える回線契約をまとめてみた
①既存回線契約
キャリア解約金:10,000円
MNP転出手数料:2,000円
月々の通信料金:7,000円
解約金がかからない期間まであと8ヵ月
②新回線契約(楽天モバイル)
契約事務手数料:3,000円
月々の通信料金:1,200円(割引込)
価格.com経由特典で10,000円キャッシュバック
1年間で支払う料金を試算してみた
(a)解約金がかからない期間まで既存回線を使用してから、新回線に乗り換えた場合
①通信料金 7,000円×8ヵ月+MNP転出手数料 2,000円
②契約事務手数料 3,000円+通信料金 1,200円×4ヵ月ーキャッシュバック特典 10,000円
①+②=55,800円
(b)すぐに新回線に乗り換えた場合
①MNP転出手数料 2,000円+解約金 10,000円
②契約事務手数料 3,000円+通信料金 1,200円×12ヵ月ーキャッシュバック特典 10,000円
①+②=19,400円
MNP転出時に支出が一時的に多くなるというデメリットはあるが、それでも一回線あたり15,000円程度で、年間36,000円ほど安くなる。この金額差を見ると変えない理由はないと思うかもしれないが、この歴然たる事実に直面してもまだ引っかかる不安もあった。
料金のお得さに勝る不安をまとめてみた
(1) 格安SIMは繋がりにくい
(2) 格安SIMは通信速度が遅い・安定しない
(3) MNPの手続きがよく分からなくて不安
(1)(2)は通信料金が安いのでそういうものだと腹をくくれる。通信の安定性に担保が欲しい人は無理をすることはない。安さに勝る価値がそこにあるのだから大手キャリアのままでいいと思う。
ともあれ格安SIM(僕の場合は楽天モバイル)に替えてからの個人的な感想としては「さほど不便はない」というのが正直なところだ。お昼時など多少速度が遅くなることはあるが僕にとっては気にするほどのものはまったくなかった。
一番の引っかかりは(3)だった。何か困ったときに助けてくれる人がいないと人は消極的になるのだなと自分が当事者になってあらためて思う。
「なぜ困る前提なのか?」
これは、MNPを迷っていた自分に今だからこそかけたい言葉だ。今乗り換えを検討している人で同じ不安をかかえている人がいれば自分に問いかけてほしい。世の中には同じ境遇の人は山ほどいて、その人たちが先人として解決してきた情報がそこら中に転がっている。
実際大手キャリアにMNP予約番号の発行依頼をしようと手続きをはじめるとさんざん待たされたあげく「MNP先の回線がご利用エリアで使えるか確認しましたか?」「解約後はもとの契約に戻せませんが本当に大丈夫ですか?」と「ちょっと考えます」と電話を切らせるが目的がごとく不安を煽ってくるが、決意を持ってこれを乗り越えた先にゴールがある。
乗り換えで回線がつながらない時間が一定時間発生するのでは...などと不安になりながらも手続きを進めたが、メールや送付物に懇切丁寧に手順や流れが記載されているので、MNP予約番号を取得して新しい回線契約をした後は日本語が不自由な人でなければ何てことはない。何のトラブルもなく回線が開通できた。仮に回線が途切れた時間が数時間あったとしても、そんなに頻繁に重要な電話がかかってくることはないだろう。僕はそんなに人気者ではないし、LINEをはじめとしたメッセンジャーがある現状、電話がつながらなかったらそちらで連絡を取るだろう...一体何をそんなに不安になっていたのかは振り返ってみても疑問だ。
そんなこんなで僕の脱大手キャリアは完了した。今では妻も妻の両親も脱大手キャリアし、月々の通信料は劇的に削減された。つたない僕の体験が、ナンバーポータビリティという難しそうな言葉と、安かろう悪かろうという幻想がブレーキになって高い通信料金を払い続けている人の背中を押せたらいいなと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?