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ベンチャー企業 VS 大きい会社のスピード感

こんにちは。

ベンチャー企業、中小企業、大きい会社で僕が経験した色々なエピソードをガバナンスを切り口にして、それぞれの立場での考え方の違い、その理由を色々な角度で考えてお伝えしています。

前回のnoteではベンチャー企業と中小規模の会社と大きい会社とを比べて「スケジュール」と「成り行き」の違いを取り上げました。
おさらいすると、大きい会社では仕事の方向性を見失わないために必要なタスクをスケジュール化する。
一方でベンチャー企業では、良かれと思うアクションがスケジュールに自由度をもたせている、スケジュールそものもが思いつきリストになってしっているのではないか?・・・。
との感想でした。

今回は
起業準備編
1)「スケジュール」と「成り行き」で驚く
(2)スピード感!で驚く
(3)「何とかなる」と「なんとかする」
(4)自社紹介のやり方で驚く
(5)契約で驚く
(6)メモを残すことの大切さ
です。

スピード感の正体

ルーチンワークの処理速度が早いのは、スピード感ではなくて仕事が早い、です。
僕が認識しているスピード感とは「意思決定が早い」ことです。

ベンチャー企業の創業時は、一刻も早く勝ちパターンを市場にアピールしたいので、考えるより先ず行動、の傾向があります。
一刻も早く勝ちパターンを市場にアピールするために、出来ることアレコレを手探りしながら進めていく。
今回友人が立ち上げているベンチャー起業でも、社長自らが事業の突破口を作ったり、あるいは仲間の会社にジョインしてスキームを構築したりとアレコレと前進を模索します。
そこでは場面場面においてスピード感、迅速な意思決定が必要となります。

大きい会社ではスピード感がない、と良く言われている

さて、大きい会社では意思決定においてアレヤコレヤと手続きが煩雑でスピードに乏しい、と言われています。
「こんなことに一週間かかった・・・」とか「課長に承認もらったのに、部長に差し戻された・・・」等などもどかしいことは日常茶飯事で、僕が中小の会社から大きい会社に転職した際にも、これは顕著に実感しました。

大きい会社は意思決定が遅い?

大きい会社の社長は、会社で起こる出来事を全て把握して個々を決定をすることは不可能です。
そこで社長に変わって意思決定をする仕組みとして権限委譲をおこないます。(例えば部長は1000万円の決裁権限を持たせる、などなど)
そして、より精度の高い意思決定を行うために、リスクマネジメントとして意思決定の工程に階層を持たせる、あるいは異なる部門の視点を入れる仕組みとします。(不正を防ぐ目的もあります)

この意思決定に「段階を持たせる」「他の視点を入れる」ことってとても大事なことだと思うんです。
だって自分の判断が間違っていることはいくらでもありますし。

その影響、と言うのか解りませんが、大きい会社が意思決定に至るまでの過程は煩雑になり、その影響としてスピード感が損なわれがちにはなりますが、このスピード感は、いわゆるベンチャー企業で語られるスピード感と同じ土俵で比較するものではないと思います。

ベンチャー企業は意思決定が早い

「ビジネスモデルが上手くいくかわからない」「本当にこの方向性でいいのかどうかわからない」といった曖昧な不安はベンチャー企業だけに限ったものではありませんが、ベンチャー企業では社長の意向で事業の方向性や意思決定がなされるので、物事の判断がシンプルになって、ほぼ「即決」です。
実際に今回僕が見させてもらっているベンチャー企業も同じで、スピード感重視、考えるより先ず行動です。

いやいやベンチャーだぜ、スピード感重視は当たり前でしょ、ではあります。

前述の大きい会社が実践しているような意思決定の仕組みを持たない、あるいは出資者から横槍(?)が入らないベンチャー企業では社長の意向=判断基準の図式です。
(ワンマン社長の中小の会社も同じかもしれません)

大きい会社であれこれと言われるスピード感とは社内に向けたものです
一方ベンチャー企業のスピード感は社外で揉まれる出来事に向けられたものです。
それがお客様に対して価値を生み出すことであれば大丈夫ですが、意思決定をショートカットをするためのスピードになると、それは企業の価値に繋がるものか解らなくなってしまいます。

会社の存在意義

ベンチャー企業であれ大きい会社でも存在意義は必ずあると思います。
存在意義は曖昧な言葉で語るのは好ましくなくて、企業理念として自らの言葉で伝えることは大切だと思います。

会社が意思決定、正しい判断をするとき、従業員が同じ方向を目指す羅針盤が企業理念です。

企業理念に共感できるか、は仕事の進め方などが自分に合っているかどうかだとも思います。
仮にベンチャー企業の社長個人の理念や仕事の価値観が腹落ちしないと、参画者にとっては致命的なストレスになりますしね。

今回のスピード感に驚く、は、いや〜事業の進め方が早くて驚いちゃったよ・・・。ではなくベンチャー企業を見て、意思決定が安易なショートカットになってるんじゃない?社長の仕事感ではなくて会社の考え方に基づいているの??
でした。

自らベンチャー起業する方から言わせると、呑気なのかなぁ

つづく

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