【青年海外協力隊ベトナム日記 2006〜08】 第12話 豚の解体
先日、町をぷらぷらしていたら民家の軒下で豚の解体をしていた。
日本で鶏の解体をしたことはあるが豚の解体は初めて見た。
いい機会なので最初から最後まで至近距離で見ていた。
おじさんたちはビールを飲みながらご近所の人まで総出で楽しそうにわいわいやってる。
子供たちもその周りで普通に見ている。
なんだかとても平和な光景だった。
日本の生活の中では「死」は遠くにある。
スーパーで売っている肉や魚はすでにきれいにパック詰めにされていて血を見ることはまずない。
けれど、ここには「死」がむき出しのまま目の前にある。
首を切り腹を割り、血が大量に流れる。
生き物が刃物を入れられたら血が流れ「生」から「死」へと向かう。
そんな当たり前のことを日本で目にする事はまずない。
私たちはその肉を食べて生きているのに。
「いただきます」という日本語の挨拶が好きだ。
他の言語ではこれにあたる挨拶がなかなか無いという。
全てのモノに神が宿るという日本的価値観が生み出した
とてもうつくしい言葉だと思う。
感謝して食べる。美味しく食べる。残さず食べる。
小さい頃から言われ続けてきたことだが、ここベトナムで改めてその意味を考えるいい機会だった。
続く ↓