【青年海外協力隊ベトナム日記 2006〜08】 第18話 任国外旅行①中国雲南省:麗江
現在、勤務先の大学は長い夏休み。
その期間を利用して久しぶりに海外旅行に行くことにした。
海外に住んでいて海外旅行というのもなんだが、ここベトナムでの暮らしは今の私にとってはすでに「生活」だ。
私の持つ緑色の公用パスポートで行ける国は、タイ・マレーシア・シンガポール・カンボジア・ラオス・中国。
ベトナム周辺諸国は今までに一通り行ったことがある。
その中から今まで行って良かった場所へもう一回行ってみることにした。
行き先は中国雲南省。そしてチベット:ラサ。
今回は時間が無いので飛行機を移動のメインに使う殿様旅行だ。
ハノイから中国雲南省の昆明へ飛ぶ。
昆明の旅行会社でチベットのパーミット申請。
中3日の申請待ち時間を利用して寝台バスで麗江へ。
中国雲南省:麗江
ナシ族という少数民族が住み、今でも象形文字が使われている世界で唯一の町。
美しい旧市街の町並みは世界遺産に登録されている。
遠くにナシ族の神々が住む玉龍雪山(5,596m)が望める。
3年前にここ麗江に来た時、季節は冬だった。
北京から旅を始め、中国内陸を抜け昆明を経由してこの町へたどり着いた時の安堵感は今でも覚えている。どこか懐かしく、そしてあたたかい町だった。
そして今回季節は夏。
相変わらずどこか懐かしい町なのだが、3年前に比べ圧倒的に漢民族旅行者が増えた印象を受けた。
そしてその漢民族旅行者を対象にしたサービスや町づくりが進んでいた。
もちろんここは中国の一部なのだからそれについて外国人の私がとやかく言う筋合いは無いのだが、以前空き地だったところを無理やり再開発してそれっぽい町並みを新しく増設していたり、ぎらぎらのどぎつい照明を煌々と灯し大音量で音楽を流している。
さながら出来の悪いテーマパーク…。
なんだか気持ちが悪い。
中国に限らず途上国の開発はこうなりがちだ。(中国が途上国かどうかはさておき)
それが本当にその土地に住む人たちのために役に立っているのならよいのだが、漢民族による漢民族のための開発だとするとやはりいろいろと考えてしまう。
こうやってその土地が誇る独自の文化が過去のものになっていきやがてこの町も何の個性も無い判で押したような中国の一地方都市になっていくのだろうか。
なんだか寂しい。
私から見ればまだ観光化されていない旧市街の路地裏や町外れの何も無い集落の方が圧倒的に魅力的に感じる。
けれども、そう思うのはやはり私が何の責任も持たないただの一外国人旅行者だからなのだろうか。
続く ↓