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●美術館の名作椅子#13●神奈川県立近代美術館 葉山館
神奈川県立近代美術館 葉山館
設計:株式会社佐藤総合計画
開館:2003年
・AIR FRAME 30014 Bench
![](https://assets.st-note.com/img/1722376774987-v8gL6b35f5.jpg?width=1200)
デザイナー:デヴィッド・チッパーフィールド
発表:1992年
メーカー:ixc.
価格:¥300,000前後(張地により変動)(2024年現在)
名作《3001》シリーズの3人掛ベンチモデル《30014》。
東京国立近代美術館、東京藝術大学大学美術館、東京都写真美術館などにも置かれている。
シンプルで主張せずに場に馴染むので、多くの美術館・博物館で用いられているベンチ。
シートの深緑色が庭の風景と非常によく合っており、この場所に置かれるべくして置かれているといった雰囲気を漂わせている。
・ELAN Sofa
![](https://assets.st-note.com/img/1722377481676-3NQH1OYeFN.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1722376826137-N0kqfeoWxS.jpg?width=1200)
デザイナー:ジャスパー・モリソン
発表:1999年
メーカー:Cappellini
ジャスパー・モリソンはMARUNIやIDEEなど日本ブランドでも多数デザインをしている。
このソファは日本での正規販売は行われていなかったようだが並行輸入品で200万円くらいはしそうな雰囲気だ。
ずっしりとした座り心地はリラックスできる。
何よりこのソファに座して窓越しに見るイサム・ノグチの彫刻と葉山の緑の風景が素晴らしい。
・03 Chair
![](https://assets.st-note.com/img/1722514866083-YBZTcv86os.jpg?width=1200)
デザイナー:マールテン・ヴァン・セーヴェレン
発表:1998年
メーカー:Vitra
価格:¥81,400(2024年現在)
21_21 DESIGN SIGHTや横浜美術館等でも監視員用椅子として使用されている。
背もたれから座面の素材は程よく弾力があって気持ち良い。
歴史に残る名作椅子というタイプの椅子ではないが、名バイプレーヤーといったところだろうか。
・Ouverture Folding Chair
![](https://assets.st-note.com/img/1722514894857-e3l1N6EJjH.jpg?width=1200)
デザイナー:ENRICO CIONCADA
発表:1995年
メーカー:Sitland
このタイプの折りたたみ椅子にしては珍しく背もたれが可動するインダストリアル的な魅力もあるデザイン。
イタリア製だが日本での正規販売は無かったため椅子もメーカーも多分あまり知られていない。
メーカーHPでは載っていないためすでに廃盤か。
・Stool60
![](https://assets.st-note.com/img/1722514955281-7LLCj5DHBs.jpg?width=1200)
デザイナー:アルヴァ・アアルト
発表:1933年
メーカー:Artek
価格:¥35,200〜(2024年現在)
数々のコピー品が存在する超定番名作スツール。
こんなシンプルなスツールなのだが、artek製はやはり細部のこだわりやバランス、美しさが全然違う。
我が家でも数脚愛用中。
汎用性があり名作中の名作椅子のひとつだ。
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こだわりカラーのウォルナットステイン
・45 Armchair
![](https://assets.st-note.com/img/1722666479940-iyVf870u7H.jpg?width=1200)
デザイナー:アルヴァ・アアルト
発表:1947年
メーカー:Artek
参考価格:¥186,000〜(現在廃盤)
座面背面ともにウェビングベルト仕様。
とても軽く弾力性のある座り心地。
高級感は無いがちょっと座る分には十分の存在感。
現在は残念ながら廃盤。
・91 Table
![](https://assets.st-note.com/img/1722514968846-gTcD8G03Y4.jpg?width=1200)
《45 Armchair》
デザイナー:アルヴァ・アアルト
発表:1933年
メーカー:Artek
価格:¥315,700(2024年現在)
《スツール60》がそのまま巨大化してテーブルになったようなデザイン。
サイズ違いで同デザインのテーブルは何種類かあるがその中でも最大サイズの直径125cm。
アアルト同士相性が良い。
奥には同じくアアルトの《611 Chair》が大量に並ぶ。
・CAMPUS Chair
![](https://assets.st-note.com/img/1724134217024-P2fF2DQkbt.jpg?width=1200)
デザイナー:JOHANNES FOERSOM & PETER HIORT-LORENZEN
発表:1992年
メーカー:LAMMHULTS
価格:¥49,000(2024年現在)
一見なんの変哲もないようなデザインだが、20世紀末の北欧最大のヒットと言われるスウェーデン製のモデル。
背面や座面の波打つフォルムが印象的で、金具を使用せずにフレームと背面を接合している。
その佇まいはやはり巷の業務用椅子とは一線を画す。
・まとめ
神奈川県立近代美術館葉山館はアアルトのプロダクツが結構あったが建物の雰囲気とはいまいち合っていないような気がした(私感)。
設計を担当した佐藤総合計画の竣工時の写真を見ると《AIR FRAME Bench》や《ELAN sofa》は当初から設置されていた様子。
この2つのモデルは設置されている場所の雰囲気にとても良く合っている。
![](https://assets.st-note.com/img/1722673739015-5GdIfR46R4.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1722673753626-sLIlujYjEM.png?width=1200)
私の想像だが、これらのモデルは建物の設計段階で設置する什器も設計者側で選定しているのではないだろうか。
それ以外の什器は美術館側が段階的に選定しているような気がする。
(調達業社を通していても全て丸投げということはないだろうし最終決裁は美術館側が行うだろうからやはり美術館側の選定としてよいか)
そのようなチグハグな雰囲気を漂わせている什器ラインナップの美術館は他にもあるが、機会があればなぜその椅子を選定したのか等の美術館側の選定理由をぜひ聞いてみたい。
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