アニメ スターウォーズ 反乱者たち 一気見レビュー (ネタバレなし)
採点
60点
総評
【ディズニーの圧政(超低予算)の中でも頑張ったデイブ・フィローニは評価したい。】
ドラマ『アソーカ』のスタートを期に、予習の意味も含め『クローンウォーズ(以下CW)』から続けて一気に視聴した。
普段から映画やドラマ、アニメを視聴後にレビューなどは一切せず自身の中で採点し心にしまっているタイプだったが、最近Youtubeなどでレビュー・感想・開設動画などを良く目にするようになり、自分なりの思いや感想を“言語化”することって難しいけどやってみたら面白いかも思い立ったのでやってみようと思う。
なお前述の『アソーカ』もシーズンフィナーレを迎えているのでいつか別でレビュー投稿したいと思う。
さて話を戻して結論から言うと、『反乱者たち』は
■魅力的なキャラクター達
■終盤にかけてのストーリーの盛り上がり
■迫力のあるライトセーバーバトル
■EP1~6との繋がりを感じさせる展開やゲストキャラ
などがあり、いかにもな“スターウォーズ世界”を感じることが出来る良作ではあるが、ある理由から手放しに評価することは出来ず“及第点”の出来であるというのが私の評価だ。
以降、なぜそのような評価になったかを述べたいと思う。
CWから立て続けに見てしまうとズッコケる作画クオリティ
ぶっちゃけ及第点な理由はこれに尽きる…
主観ではあるが『CWから大幅にアニメ(CG)のクオリティが劣化』していると感じさせり点である。
本作については私のようにCWから立て続けの視聴は“オススメできない”のだが、その理由がそれまでのクオリティから一段、いや数段は作画がレベルダウンしており、鈍感な人や作画とがストーリーがしっかりしてれば関係ないという人でもなければズッコケること間違いないと思うからだ。
キャラクター造形は許せるが背景のショボさは何とかならなかったのか
作画とひとえにいっても色々あると思うのだが、私が一番気になったのは背景絵のショボさである。
というのも、本作は主人公の母星である「ロザル」をはじめとして、登場する世界観が
■青い空と平原
■延々と続く砂漠
■岩山
■氷に覆われ吹雪いて視界が悪い雪原
ばかりで、端的に言って「超大味」と言え、どれも同じように見えてあまり魅力がないのだ…
あと、私の記憶が正しければ「森林」や「大都市」といった描写の一切が出てこなかった気がする。
ロザルに存在したジェダイ聖堂など、「巨大な岩」として描いているのだろうがテクスチャが適当すぎて「巻き貝」にしか見えず“手抜き感”を感じざるを得ない。
CWはそのタイトルが示す通りクローン大戦を扱った内容だったため、毎回新たな星と新たなシチュエーションが登場する部分に魅力があったことを考えると完全に真逆に進んでいる感覚だ。
ちなみに他にもライティングやフォーカスの表現などCWと比べてしまうと残念すぎるポイントは多いが、とりあえず最も気になるのはこの背景美術なのでそれだけに言及しておく。
※余談だがロザリオ・ドーソンのアソーカはCWの作画からだとハマり過ぎ位だが、反乱者たちのアソーカだとちょっと違くね?というお気持ち
シンプルにコストダウンが生んだ悲劇か…
こうなってしまったのは、一説には1話当たりの予算がCW時の半分だったとされるコストダウンによって、描ける内容に限界があったと考えるのが自然である。
逆に言えばCWの半分の予算とは言え、ストーリー含めた内容的には(一部ツッコミどころはあるが)CWの半分以上の見ごたえがあるので、製作陣には賛辞を送りたい。
恨むべくは「こんなもんでいいでしょ」という視聴者・ファンを舐めプ姿勢で同作の製作にあたらせたディズニーである。
おそらくルーカスだったらスターウォーズ正史扱いの外伝でこのクオリティは絶対に許さなかっただろう。
(CWのオーバークオリティさに姿勢がみてとれる)
<補足>
知らない人も居ると思うので記載するが、CWはルーカスフィルムのディズニーによる買収前に製作された作品で、買収後権利関係の問題で一旦打ち切り。
子供向けにスターウォーズのアニメコンテンツを所望していたディズニーが作らせたのが「反乱者たち」となる。
※CWは後に未公開EPと新規EPが追加され完結済み
ストーリーに影響を与えてるんでないか?という不安感からくる低評価
人によっては下衆な勘繰りだと言われるのかもしれないが、前述の「作画がひどすぎてろくなシチュエーション出てこない問題」について、私は割と重くとらえている。
というのは、主人公たちが行く先や話の内容が展開される場所が
「与えられた予算で描ける場所」
に限定されていると感じてしまうからだ。
何が言いたいかというと、作者が「次はこういうシチュエーションでこういう展開を描きたい」
と思っても、例えば先に例を挙げた通り「森林」や「大都市」は描くのにお金がかかるからそこを舞台にするのはNGでーす。
という状況になってしまわないか?という疑念である。
コストありきで展開やシチュエーション、ストーリーが決まってくるような製作スタイルは業界では通例なのかもしれないが、せめて感じさせないようにやってもらいたいことや、なにしろ製作者たるデイブ・フィローニが100%全力出せていない作品である可能性があることに萎えを禁じ得ない。
「圧倒的引き算」で作られた作品だとしても、手放しで受け入れるのがファンの鑑なのだろうか?私にはそう思えない。
繰り返すがこの作品にはの通り森林であったり大都市(コルサント)のようなシチュエーションが一切出てこない。
話の内容的に「出す必要がないんだから、問題ない・出てくる方が不自然」と言うファンもいるかもしれないが、個人的には新鮮なシチュエーションが出てきた方が見てる分にはシンプルに楽しくないだろうか…?こう思う私がおかしいのか…?
いずれにしてもこれらの理由から私はこの作品には及第点しか付けることが出来なかったのである。
現行クオリティでのリメイクを希望
冒頭で述べた通り、今回この作品を視聴したきっかけはドラマ『アソーカ』の存在が大きい。
はっきり言って『アソーカ』の内容を100%楽しむには映画作品9作品の履修だけでは厳しく、アソーカが初出かつ主軸になっているCWはもちろんだが、殆どの主要人物が登場する『反乱者たち』の視聴が必須に近いからだ。
2026年にはディズニー傘下で展開されたスターウォーズ外伝作品を束ねた映画が放映されるという中で、キャラクターとしても作品としても比重の大きいアソーカを理解する上で必修となる作品がバリバリのコストダウンアニメというはどうなのか…
なおディズニー+では現在最新のアニメ作品として、CWからのスピンオフ『バッドバッチ』を展開しているが、これはクオリティが元々高かったCWのEP5以降のそれと同等かそれ以上を見せつけている超がつくハイクオリティ作品で、シーズン1の1話から内容抜きにして感動してしまった。
どうかディズニー諸氏方はアフレコはそのままでいいので、オリジナルに切って貼ってして進化(?)し続けたスターウォーズオリジナル3部作(EP4~6)よろしく、反乱者たちのCGの全面差し替えで作りなおしを検討して欲しいものだ。
おわりに
酷評が主だった内容になってしまったため、この作品が嫌いなのかと思われかねないが別にそういうわけではない。
内容的にも楽しめたし、スターウォーズサーガを愛する人で未視聴の人には普通にオススメしたい作品ではある。
ただ、こと日本においては同作について批判的な意見が殆ど見られず、むしろ言ってはいけないような空気感があることに違和感感じたので、今回このような記事を投稿することにした。
いい所についても書きたいのだが、それはいつか書こうと思っている(書くとは言っていない)デイブ・フィローニ作品総じての感想的なもので取り上げたいかなと思う。