5歳児の脛骨骨折治療記③ー骨折診断(病院到着〜ギプス装着)ー
前回の話はこちら↓
3.骨折診断(病院到着〜ギプス装着)
ー痛みで悲鳴をあげながらのレントゲン撮影ー
赤十字病院は、駅徒歩10分の場所にあります。これは本当にありがたいことでした。車椅子を借り(大人用の車椅子なら座面に脚を伸ばせるので、痛みを感じず座れました)、警備の方の手も借りて病院内へ。保険証を持参していたことで、会計は1万円程度で済みました(次の日も受診したので合計2万円強)。保険証がなければ3割負担にならないので、後で還付があるにせよ支払いの負担は減らせました。ちなみに我が家の住所地では、5歳児の病院受診は無料です。領収書はすべて保管し、帰宅後に還付申請をしてすべて返金されました(コロナの混乱もあって、3月に申請したものが振り込まれたのは6月でしたが)。
受付を済ますと、早速レントゲン撮影。これが次男にとっては苦行となりました。左脚は外に傾けていないと痛い。けれどもレントゲン撮影のためには、真っ直ぐの状態をキープしなければなりません。レントゲン室の中から再び悲鳴のような泣き声が聞こえます。看護師とレントゲン技師が、泣き叫んで暴れる次男をなんとか押さえようと、四苦八苦する声も聞こえてきました。ドアの前で待ちながら、母は気が気じゃありません。子どもが苦しんでいるのに、何もできないのは一番つらいことだと思います。
ー脛骨骨折の判明ー
「お母さんどうぞ」と呼ばれて入室。「脛の骨が折れていますね」。すぐに結論を突きつけられました。わかっていたけれど、覚悟もしていたけれど、ショック。でも頭を切り替え、いかに綺麗に接合させるか、後遺症を残さないようにするかに集中しなければと、自分に言い聞かせました。
脛には、脛骨と腓骨という2本の骨があり、太い脛骨が荷重のほとんどを請け負っています。よって、腓骨より脛骨の骨折の方が重症と言えます。次男のレントゲン写真を覗くと、痛いと訴えた中央より足首に近い位置の脛骨に、スパッとキレイな横線が入っているのが確認できました。ドクター曰く「キレイな骨折で良かったですね」。心配していた骨のひねりはありませんでした。粉砕骨折や、ひねって骨と骨の断面がずれている場合は、すぐに手術になるのだそうです。しかもその手術とは、骨をボルトで固定したり、折れた骨の代わりに金属の芯棒を挿入したりと、かなりの内容。「キレイな骨折」という結果に、満足するよりほかありませんでした。
ギプスで固定し、断面で生成される新たな組織によって骨の結着を待つ。それが言い渡された治療方針でした。骨折面がズレてしまうと、組織の生成が遅くなる上に、ズレたまま付いてしまうこともあるそう。ギプスをすれば、それらは避けるとのことでした。「子どもは再生能力が高いから、4週間程度の固定で大丈夫だよ」とドクター。大人の事例を検索していた際、4週間で外れた例などなかったので、子どもの再生能力はすごいと思いました。
ーギプス装着ー
左脚の膝上から足の先近くまで、柔らかい綿のような生地が巻かれたのち、その上にギプスが巻かれていきます。お恥ずかしながら、ギプスは石膏のようなものを塗りたくるのだと思っていました。今では包帯のようになっていて、濡らすことで接着力を持ち、巻き上げると固まる仕組みになっているようです。クルクル手早く巻かれていき、その間、不安そうに見つめる次男には世間話もしながら、手際良く処置してくれたドクターに感謝です。こうして次男の左脚に、生まれて初めてのギプスが装着されました。
実は、骨折箇所のみの固定かと思っていたのですが、左脚全体がギプスに覆われ、左脚の自由は完全に奪われました。トイレを含め、一人で動くことは不可能です。これで4週間を過ごすのか…。ギプスは濡らせないので、入浴方法も考えねばなりません。何より車椅子生活を強いられるでしょうから、当分、通園はできないでしょう。現実に向き合うと、気が遠くなりました…。
→④に続く