とたけけから学ぶロカビリーとロケンロール【どうぶつの森】
ロカビリーとは
1950年代、R&B(リズムアンドブルース)とヒルビリー(カントリーミュージック)が融合して誕生した音楽。ロックの元祖。
代表的な実在のアーティストはエルヴィス・プレスリー、エディ・コクラン、ストレイ・キャッツなど。
けけビリーにみるロカビリーの特徴
さすがあらゆるジャンルをギター一本で弾きこなす天才ミュージシャン・とたけけ。ロカビリーの基本とも言える要素をしっかり押さえた一曲。
この「けけビリー」に見られるロカビリーの特徴をいくつかリストアップしてみました。
基本
ベースで鳴っているこのフレーズ。
ここだけでもうロカビリー。ブルースのルーツを強く汲む、シャッフルビート(跳ねるようなリズム)とブルーノート(♭)を使ったシンプルなものです。
けけビリー(インスト版)のコード進行は
A7→D7→A7→E7→D7→A7…
というまさに王道なブルース進行。
このブルースコードとシャッフルビートがロカビリーの基本中の基本と言えます。
三連プリング
曲中で使われている、「タララタララタララタララ〜」というギターフレーズ。
これもロカビリーによく見られる定番フレーズです。
3フレット→2フレット→解放弦のプリング(指を離して音を出す奏法)の繰り返し。
ストレイキャッツの「涙のラナウェイ・ボーイ」「悩殺ストッキング」などでも聴くことができます。
ファッション
ロカビリーの特徴は音楽だけにとどまらず、そのファッションまでもがロカビリーをロカビリーたらしめるひとつの要素となっています。
リーゼントに派手なスーツといった、テディボーイスタイルと呼ばれるファッションが50年代ロカビリーの特徴。
けけビリーのジャケットイラストのとたけけも、しっかりこのファッションをしています。
持ってるギターがフルアコなのもポイント高い。
一緒に写っているちとせのリボン+水玉ワンピファッションも、50年代ロカビリースタイル(女の子版)です。しかし、なぜちとせ…。
おまけ 歌い出し
これはちょっと偏見込みですが、ロカビリーはやたらと歌詞が「Well」で始まります。
特に「ウェ〜ル♪」って感じのが多い。
具体例としてはエルヴィス・プレスリーの「ハートブレイク・ホテル」「ザッツ・オールライト」、エディ・コクランの「ジニー・ジニー・ジニー」「サマータイム・ブルース」など。
手元にあるストレイキャッツのアルバムを確認したら12曲中6曲「Well」でした。半分。
「なあ」とか「ああ」とかそういう意味の単語なので、オーイエーとかそれくらいの感覚で受け取っておけばいい気がします。
なお、けけビリーはどうぶつ語の歌なのでこの特徴には当てはまりません。
何回聞いても「ぽっぽっぽー」です。
ロックンロールとの違い
ロックンロールとロカビリーは非常に近いジャンルの音楽であり、ほぼ同義語として扱われることも多いです。
先程例に挙げたエルヴィス・プレスリーの通称も「キング・オブ・ロックンロール」。
歴史としてはR&Bから派生した音楽であるロックンロールの方が先であり、そのロックンロールにカントリーミュージックの要素をミックスして誕生したのがロカビリー。
つまりR&Bの色が強いのがロックンロール、カントリー色が強いのがロカビリーだというのが厳密な定義のようです。とはいえ、やっぱり曖昧。
「けけビリー」と「けけのロケンロール」を聴き比べてみると、A→D→Aというおおまかなコード進行は共通しているもののロケンロールの方がストレートで明るい感じがあります。リズムもシャッフルビートではありません。
また、ロックンロールにはあまり見られないロカビリー特有の特徴として、前述のシャッフルビートに加えウッドベースによるスラッピング(弦を引っ張って叩きつけるようにして弾く奏法)、ヒーカップ唱法(しゃっくりのように声を裏返す歌い方)が挙げられます。
ロックンロール&ロカビリーなゲーム音楽
「おにいさんのテーマ」(MOTHER)
この流れで連想するゲーム音楽といえばこれ。
『MOTHER』シリーズの「おにいさんのテーマ」。
初代のザコ戦や2のフランクさま戦で使われている楽曲です。控えめに言って好き。
曲調としては「けけのロケンロール」にとてもよく似ていますが、サビ(?)の部分のブルース進行が印象的な曲です。
何から何までまさに50〜60年代のロックンロールそのものといった感じの一曲。
MOTHERはBGMが全体的に昔の洋楽っぽくて良いですね。
【8/3追加】
メインBGM(ダウンタウン熱血物語)
何かしっかりロカビリーしたゲーム音楽ないかな、と探してみたところ、ありました。
ファミコンソフト『ダウンタウン熱血物語』(いわゆるくにおくん)のBGMです。
ブルース進行!シャッフルビート!リーゼント!
完璧!
ファミコンのBGMにしては1ループがかなり長く聞き応えのある楽曲で、曲の終盤には前述した三連プリングのフレーズも登場。
不良ものの世界観にロカビリーテイストがばっちりマッチしています。
よく「ロックは不良の音楽」なんて言ったりしますが、ことロカビリーに関してはぶっちゃけ
「はいその通りです」としか言いようがないと思ってます。
だって全員もれなくリーゼントだもんなぁ…
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