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豹変幼馴染12(連載小説)

※豹変幼なじみ、イラスト作るの面倒で更新滞ってました😢マガジンに過去作入ってます(*^^*)


よしっ今日はシチューを作ろう!


私はコウキが帰るより早めに帰宅して、気合を入れてビーフシチューの材料をスーパーで買って帰宅する。


コウキには合鍵をもらっているから、鍵を使ってドアを開けると、早速手を洗って調理にとりかかる。


とはいえ、普段私はほとんど外食や、購入してきたものを食べてたから、あまり料理に自信がないんだけど・・・。



でも・・・。


シチューの箱の説明書を見て頷く。

市販のものなら、なんとかなるよね?


説明書を読みながら野菜を切って、肉を炒めて煮込んでいく。


ご飯もネットで研ぎ方調べて研いで、炊飯器のスイッチをオンにした。


コウキに飽きられないように、頑張らなくちゃ。

コウキに嫌われるのだけは嫌だから。



なんとか奮闘の末、シチューが出来上がった頃にコウキが帰ってくる。


「ただいまー、あれ?ミクちゃん今日は先に帰ってたの?」


驚いた顔をするコウキ。


「うん、今日は私がシチュー作ったから、楽しみにしててね!」


そう言うと、嬉しそうな顔をするコウキ。


「えっ、ミクちゃんが?!本当?楽しみだな〜!」


コウキは、私の側に来て、私に抱きつく。


「ミクちゃんありがとねー!」


「うん」


コウキのはしゃぎ方がくすぐったくて、頷く私。


出来上がったシチューとご飯を2人分配膳する。


後は粉を溶かすタイプのコーンスープ。


コウキなら、この他に副菜とかデザートとか用意してくれるんだけど、あたふたしていた私にはこれが限界だった。


「おいしそー、いただきます!」


コウキがシチューを口に運んだのを見て、私もシチューを口にいれる。


ガリッ


あれっ?

野菜がガリガリしてる。


ニンジンもじゃがいももまだ生だ。


「あ、ごめん、コウキ、これまだ生だ・・・」


肉はちゃんと火を通してから煮たから食中毒とかは大丈夫だと思うんだけど・・・。

ちゃんと作ったはずなのに・・・。


落ち込む私にコウキが声をかける。


「多分、煮込む時間が足りなかったんだね。味は美味しくできてるから、もう少し煮込んでみよう。ご飯はちょうどいい硬さだよ」


優しいコウキの声に泣きたくなる。


「今、やり直すね」


私はお鍋の所まで行くと、シチューの火をかける。



私の異変を察知したのかコウキが私の側にやって来る。


「ミクちゃん?僕、ミクちゃんが料理してくれて嬉しかったよ、ありがとう」


頭をなでなでしてくれるコウキ。

その仕草に余計切なくなる。


じゃあ、なんで・・・

なんでメールの数が減ったの? 


私のこと飽きたからじゃないの?


言葉に出そうになるけど、重い女みたいで留まる。


振り返ると、コウキの優しい顔。


「・・・何も出来なくて、ごめんね」


謝ると、コウキは私を抱きしめてくれる。


「何も出来なく無いよ、ずっとミクちゃんは、僕に沢山与えてくれてるよ」


そう言って、優しく抱きしめてくれるコウキに・・・。

私は本当に何か出来ているのか、と疑問に思う。

コウキの役に立ててるって実感があればいいのに。


少し煮込むと、コウキの言う通り、柔らかくなって、シチューは、美味しく食べられたけど・・・。


私の心は晴れなかった。


コウキと食後のコーヒーを飲んでいる時に、メールの着信音が鳴る。


「あ、高校の友達だ」


「え?誰?」


「ユキだよ」


高校は、地元にあるから、友達ともあまり会ったり出来ていない。


「あ、今度同窓会があるんだって」


就職すると、なかなか友人と会える機会もないけど、今度の三連休で同窓会があるらしい。


「そっかぁ、僕も忙しくてなかなか友達と会えてないなあ」


「そうだよねー、今度の三連休だって、行ってみようかな?」


「うん、いいね、僕も行こうかな・・・あ、でも、その頃会社でプレゼンの準備があるから、休日出勤しなきゃな。難しいかも」


「そうなんだ、コウキの会社、忙しいね・・・コウキが行かないなら私も辞めようかな」


私の言葉にコウキは、私を抱き寄せて言う。


「いいよ、ミクちゃん行っておいでよ。折角久しぶりの同窓会だし、みんな元気か教えて」


「うん・・・」


コウキと離れるのは嫌だな、と思いながらコウキの顔を見つめていると、不意にキスをされる。


「そんな可愛い顔で見ないで・・・」


私はそのまま何度も降ってくるキスを受け止める。

こうして触れ合ってると、コウキに想われてるって実感できる。


だから、離れると不安になるんだ・・・。

でも、久しぶりに友達と会うのもいいかも。

コウキも友達の近況とか知りたいだろうし。


私はそう決めると、友達に同窓会参加のメールを送った。


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