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masyumaro8677
未来への鍵(短編小説)
鍵がここにあるんだ。
未来の扉を開けるドア。
でもね、過去へ行けるドアもある。
私はずっと迷ってる。
なぜなら、今元彼にやり直そうって言われてるけど、友人として付き合ってた人に告白されたから。
私まだ心に過去の思い出があって。
もうダメになってしまった関係だけど、ずっとずっと暖かい思い出が心の奥に灯っていて。
その過去を完全に手放せない。
だけど、お互い忙しくて結局離れてしまった私たちがまたやり直せるのか疑問。
嫌いになって別れたわけじゃないけど。
友人の彼は友人だけど、ちょっといいなって思ってて、でも恋とまではいかない気がしてる。
それでもこの先の未来、もしかして一緒にいたら少しずつでも恋に変わって行けるかもなぁと感じさせてくれるような彼なんだ。
だから、私の手の中には今過去への扉を開けるべきか、未来への扉を開けるべきか迷っている。
どちらが私にとっての幸せなのか分からない。
分からないけど、少し思うの。
強い強い、この人じゃなきゃだめ、この人がいいって言えないのならそれは選んでないんじゃないかって。
どちらにしようは、どちらも本当の意味で愛ではなくて、そんな状態で付き合ってもうまくいかないんじゃないかって。
そう思うから…。私は手の中の未来への鍵も過去への鍵も心にもう一度しまうの。
断って離れていってもいい。
私の中で本当にこの人じゃなきゃって思ったら、その時は私から告白するから…。
それまでは、鍵達には、もうすこしだけ心の中で眠っていてもらおう。