#選挙ドットコム は何がすごいのか?→「政治家・選挙情報の食べログ」です
最近、政治(Politics)とテクノロジー(Technology)をかけあわせた Politech(ポリテック)という言葉が話題になりつつあります。19歳の現役大学生たちが政治にトークンエコノミーをかけあわせたアプリ「PoliPoli」をリリースしたり、若い世代向けにSNS映えするおしゃれな政治ニュースを配信しているPOTETOなどが注目されています。
僕は2009年から政治の世界に入り、2013年にはネット選挙解禁に向けた活動をしたり、Twitterを使って投票を呼びかけ合うサービスを作ったり、東工大で“政治家と有権者のSNSを通したコミュニケーション”を研究したりと、ネットと政治領域でいろいろと企画してきました。
そんな中で、いまは選挙ドットコムにジョインしています。立ち上げから3年経ち、選挙情報専門メディアとしては日本No.1の規模になり、政治家や秘書の皆さんの認知度も上がってきていますが、「けっきょく選挙ドットコムって何?」といったことを聞かれることもありますので、改めて「選挙ドットコムとはなにか」を書いておきたいと思います。
「選挙ドットコムは選挙情報の食べログです」
「選挙ドットコムってどんなサイトですか?」と聞かれたとき、いつも答えるのは「選挙情報の食べログです」と言っています。
日本には1,700を超える自治体があり、実はお正月とお盆以外、日本のどこかで毎週選挙が行われています。衆院選や参院選は有名ですが、例えば市長選や市議会議員選挙、県知事選に県議会議員選挙などなど・・・実は日本では膨大な数の選挙が行われています。
選挙ドットコムは、日本全国の選挙情報(誰が立候補して、何票だったのか)を一覧で見れるようにしています。(ただ、政策や政治家の評価は基準が難しいため、食べログのように「★3.5」といったレビューや口コミは実装していません)
「食べログ」の何がすごいの?→類似サービスが他にない
「日本全国の選挙情報が一覧で見れる」と説明した次には「それの何がすごいの?」と聞かれることがあります。一言で説明するならば、「一覧で見れるサイトが他にないから」です。
衆院選や参院選などの大きな選挙であれば、新聞社などの報道機関が特設サイトを作り、候補者や政党の一覧を見ることができますが、実は市議会議員選挙などの規模の選挙になると、一覧で見れるサイトは存在していません。
「市役所のサイトとかにあるんじゃないの?」「総務省とかがデータ持ってそう」と思われるかもしれませんが、実は日本全国の選挙情報が網羅的に存在するサイトは公的機関には存在しません。
これは「選挙は各自治体で管轄している」からです。例えば「都議会議員選挙」は「東京都」が管轄していますが、「新宿区議会議員選挙」は「新宿区」が管轄しています。東京都に聞いても新宿区議会議員選挙の情報は分かりません。総務省に聞いても一部の選挙の情報しか分かりません。
そのため、選挙ドットコムでは日本全国1,700自治体から直接選挙の情報を集め、一覧で表示しています。
もちろん、各自治体が統一フォーマットでオープンデータで提供してくれればわざわざ選挙ドットコムが情報を集めて一覧で表示する必要もないのですが、現実的にはすぐには進まないでしょう。
将来的にオープンデータ化された暁には選挙ドットコムは「公的機関にすら存在しない選挙情報を一覧で持っている」という最大の強みがなくなるので、会社としては大きな方向転換が必要になりますが、現時点ではこうしたデータベースの価値は非常に高く、例えばYahoo! Japanさんであったり新聞社、学術機関などにデータを提供しています。
(会社としてはオープンデータ化されるときついですが、「社会を前進させる!」ことの方が大切との認識をメンバー全員が持っていますので、総務省や各自治体の選挙管理委員会と意見交換を行うなどロビイング活動も行っています)
「日本中の選挙情報のデータベースを持っている」と表現すると、めっちゃ地味な気もしますが、オープンデータ化が進んでいない現在の日本にとっては、実はこうした基礎的な情報が非常に重要です。
けっきょく、選挙ドットコムが1番見られる
「日本全国の選挙情報を掲載しているサイト」ということは、「日本で最も選挙情報を見られるサイト」であるということにもなります。なぜなら、「政治家のHPは見られていないから」です。
衆院選などを考えれば分かりますが、自分が投票する選挙区からはだいたい5名くらいが立候補しています。その5名全員の名前を言える人はいったいどれだけいるでしょうか?そしてわざわざ政治家1人1人のHPをググる人は…
もっと言えば、そもそも「自分の選挙区がどこ」か分からない人が大勢います。衆院選などは「東京2区」「長野1区」など数字で選挙区が決められていますが、この数字を把握している人は少ないです。特に東京は「区割り変更」で選挙の度に選挙区が変わることがあるので、「あなたは東京第何区ですか!?」との質問に答えられる人は…
そのため、選挙のときには政治家の名前でも政党の名前でもなく「東京 千代田区 立候補」や「衆院選 誰?」といったワードでググる人がとても多く、そうすると選挙・政治家の情報が一覧で掲載されている選挙ドットコムのサイトを訪れる人がものすごく多くなります。
政治家個々人のHPを比較するよりも、選挙ドットコムのように同じ形式で掲載された情報を見る方がサッと見れて便利でもありますしね。実際に選挙ドットコムでは投票日当日になるとスマホからのアクセスが急増します。リアルタイムPVを見ながら「いま、投票に行く前にスマホで見てるんだろうなぁ」と思っています。
投票へのハードルを下げつつ、1票の質を上げたい
正直まだまだ追加していきたい機能もありますし、例えば郵便番号を入れるだけで自分の地域の選挙が全て見れたり、政治家は自分の紹介ページを有料でカスタマイズできたり、IPアドレスを基に自分の選挙区のユーザーのみに広告を表示したり・・・と便利で面白いオプションもあるのですが、選挙ドットコムが「政治家・選挙情報の食べログ」として多くの人に使われていくことで、投票へのハードルを下げつつ、1票の質をあげたいと思っています。ざっくり言うなら、「投票しよう」と思ったときに気楽に立候補者を一覧で見れて、「誰にしよう」を決めることができる。そんな世界を目指しています。
(「投票の質を上げる」というビジョンはNPO法人Mielkaがうまく取り組んでおり、そちらもぜひチェックして欲しいです)
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