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第100回 凱旋門賞(2021年)出走馬全頭紹介

2021年10月3日(日) 日本時間23:05に発走予定の第100回凱旋門賞の出走馬を紹介する記事です。

凱旋門賞はテレビ地上波で生中継が行われます。
日本から馬券を購入することも可能。
興味がある方はぜひ観戦を。

本記事が観戦前の情報仕入れの一助になれば幸いです。

※本記事は「普段は日本のレースしか見ない」「競馬用語は多少わかるが、2021年の凱旋門賞のことはよく知らず、知りたい」「ウマ娘をプレイしているが実際の競馬の生中継は見ない」という辺りの読者層を想定しています。

※出走馬の情報だけ知りたい方は、クロノジェネシスの項目から読んでください。


1.凱旋門賞とは

凱旋門賞は、毎年10月第1週にフランスのパリ・ロンシャン競馬場で行われる、芝2400mのG1レース。

2021年は第100回。
第1回~第99回はヨーロッパの馬が勝利している。

出走馬は主に開催国フランスのほか、イギリス、アイルランドの馬たち。ドイツやイタリアからも少数参戦することがある。
日本からはこれまで27頭が挑戦し、2021年は2頭が挑戦。

1着賞金は285万7000ユーロ(約3億7050万円)。
総賞金は500万ユーロ(約6億5000万円)。
ちなみに日本のレースだと、ジャパンカップと有馬記念の1着賞金が最も高く、共に3億円。

「凱旋門賞」はおそらく日本国内で最も有名な海外レース。
競馬をよく知らない人でも凱旋門賞の名前を知っていたり、「日本の競馬関係者の悲願」、「世界最強馬決定戦」的な捉えられ方をしていたりするように感じる。

その理由は、日本馬の初挑戦から勝てていない期間が長く、かつ惜しい年が何度かあったことに加え、各種国内競馬メディアでの凱旋門賞の扱い方にある。

テレビで特集番組が組まれ生中継され、雑誌やウェブで事前にここまで注目される海外レースは他にない。

また、創作物での凱旋門賞の描かれ方にも、日本国内で「凱旋門賞が世界最強決定戦」と捉えられる理由かあるかもしれない。


2.ゲーム、マンガ、アニメで描かれる凱旋門賞

ゲーム『ダービースタリオン』シリーズには25年以上前からゲーム内の最難関レースとして凱旋門賞が登場する。
以降のシリーズ作品でも凱旋門賞が最難関レースとして設定されている場合が多い。

マンガ『みどりのマキバオー』では、主人公マキバオーのライバル・カスケード(モデル馬はフジキセキ)が凱旋門賞に挑戦した。

アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season1』では、主人公スペシャルウィークと同世代のエルコンドルパサーが「世界最強」を目指して凱旋門賞に挑戦した。

ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』では、2021年10月現在、育成で凱旋門賞には挑戦できない。というか海外レースに挑戦できない。
海外レースの話自体は出てくるので、今後の展開に期待。


3.過去の凱旋門賞への日本馬の挑戦

1969年に、当時の日本最強馬スピードシンボリが凱旋門賞に参戦するも大敗。

以降50年以上にわたり、述べ27頭の日本馬が凱旋門賞に挑戦しては、勝利できないでいる。
ちなみにスピードシンボリは、“皇帝”と呼ばれたシンボリルドルフの母方の祖父。

日本馬たちの主な凱旋門賞参戦歴を並べると以下のようになる。
1969年:スピードシンボリ 着外
1986年:シリウスシンボリ 14着
1999年:エルコンドルパサー 2着
2002年:マンハッタンカフェ 13着
2004年:タップダンスシチー 17着
2006年:ディープインパクト 失格(3着入線)
2008年:メイショウサムソン 10着
2010年:ナカヤマフェスタ 2着、ヴィクトワールピサ 7着
2011年:ヒルノダムール 10着、ナカヤマフェスタ 11着
2012年:オルフェーヴル 2着
2013年:オルフェーヴル 2着、キズナ 4着
2014年:ハープスター 6着、ジャスタウェイ 8着、ゴールドシップ 14着
2016年:マカヒキ 14着
2017年:サトノダイヤモンド 15着
2019年:キセキ 7着、ブラストワンピース 11着、フィエールマン 12着

↑凱旋門賞への日本馬の挑戦をまとめた書籍。

過去の日本馬の最高着順は、エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルの2着。
オルフェーヴルは2年連続で2着に入った。

2016年以降は、毎年日本馬が参戦しているが最高着順は7着。

2021年、日本からはクロノジェネシス、ディープボンドの2頭が参戦。

今年は「ここ数年に比べたら、日本馬に可能性がありそうだ」と考えている競馬ファンも多い気がする。

日本からの出走予定馬クロノジェネシスとディープボンドを、順に紹介する。


4.14枠クロノジェネシス(日本、牝、5歳)…推定5番人気

クロノジェネシスは競馬番組や競馬記事で「日本現役最強」と紹介されることが多い。

実際、日本の現役馬に限ると、芝2400m前後の実績NO.1。
2021年現在、国内の中距離レースでは、ほぼ敵なし状態。
現役日本最強クラスの馬が凱旋門賞に参戦するとあって、今年は期待がかかっている。

成長と共に馬体が白くなっていく芦毛のはずだが、5歳になってもあまり白くなっていない。

2021年は凱旋門賞出走馬のレベルが高く、現地オッズは5番人気になりそう。
凱旋門賞は日本から馬券購入が可能だが、オッズは現地とは別。
日本のオッズだと、応援の意味もあり、単勝1番人気になるかもしれない。

◼️実績・戦歴

現在までに15戦8勝。うちG1は4勝。
負けたレースは全てG1で、2着3回、3着3回、5着1回。

2歳時はデビューから2連勝の後、’18阪神JF2着。

3歳クラシック戦線は、
’19桜花賞3着。
’19オークス3着。
’19秋華賞1着。

’19桜花賞馬グランアレグリアは、現役JRA・G1最多勝利馬でスプリント・マイル路線最強。
’19オークス馬ラヴズオンリーユーは今年香港のG1を制した。
クロノジェネシスはレベルの高い世代のクラシック戦線で、安定した成績を残している。

その後はG1戦線を戦い続けており、人気投票上位に優先出走権が与えられる「グランプリ」と呼ばれるレースを3連覇。
’20宝塚記念1着。
’20有馬記念1着。
’21宝塚記念1着。

過去にグランプリを3勝している馬は5頭のみ。
(1)最初の凱旋門賞挑戦馬スピードシンボリ。
(2)強者が集った’98クラシック世代のグラスワンダー。
(3)三冠馬で凱旋門賞2着2回のオルフェーヴル。
(4)G1を6勝したゴールドシップ。
(5)クロノジェネシス。
牝馬はクロノジェネシスのみ。
クロノジェネシスは日本の歴代名馬と比べても、芝2400m前後の実績は上位クラス。

国際競走の実績は、2021年3月のドバイシーマクラシック(G1)に参戦して2着。

同レースの1着はアイルランドのミシュリフ。
ミシュリフは世界をとびまわり、芝G1にもダートG1にも勝つ現在世界ランク1位タイの超強豪。
クロノジェネシスはクビ差2着に入ったことで、国際的にも知名度を上げた。

ミシュリフは今年の凱旋門賞を回避したため、今回直接のリベンジはかなわない。

◼️血統

クロノジェネシスの父バゴはフランスのG1を5勝し、2004年の凱旋門賞も制覇した名馬。

クロノジェネシス自身にフランスでの競走経験はないが、父の血もあり、フランスの芝に適性はあるのではないかと言われている。
※フランスの芝コースは日本の芝コースより力がいる。うまく走れるかどうかの適性が異なる。

母父はクロフネ。
クロフネ産駒は、白毛馬ソダシが’21札幌記念(芝2000m)を勝つまで芝2000m以上の重賞勝ちがなく、適性距離はマイル(1600m)の馬が多い。
孫のクロノジェネシスは芝2400m前後がベストっぽいので、クロフネ産駒の平均に比べると距離はこなせている。

◼️展望

クロノジェネシスは中団より前目の位置で「先行」することが多いが、中団後方からの「差し」での勝利もある。
日本馬は海外馬に比べると平均してスタートが上手く、他の出走馬との兼ね合いから、凱旋門賞は前目の位置につけようとするのではないだろうか。
陣営は「ゲートを出てからは騎手に任せる」とコメントしている。

以下、要素を分けて見ていく。

①5歳牝馬
凱旋門賞は過去、5歳牝馬の勝利がほぼない。
3・4歳時に凱旋門賞を連破した史上最強レベルの名牝トレヴとエネイブルも、5歳時には凱旋門賞に負けた。
「凱旋門賞に初挑戦した5歳牝馬」に限ると勝利はゼロ。
クロノジェネシスはジンクスを破る必要がある。
ちなみに1番人気タルナワも「凱旋門賞に初挑戦した5歳牝馬」。

②直前輸送
クロノジェネシスは凱旋門賞9日前に日本を出国した。
これまで凱旋門賞で好走できた日本調教馬は、全て1ヶ月以上前に現地入りし、フランスで1レース以上出走してから凱旋門賞に挑んでいた。
過去にぶっつけ本番で凱旋門賞に挑戦した日本馬の実績は良くない。
不安要素のようだが、利点もある。
日本の慣れた環境で、凱旋門賞にピークを持っていけるよう調整できているだろうし、慣れないフランスに長期滞在するよりストレスは溜まっていないはず。
過去には日本馬の輸送時にトラブルもあったが、輸送技術は向上しているだろうし、無事に現地入りできている。

③大外枠
もともと内枠有利と言われる凱旋門賞で、今年は凱旋門賞当日に内枠の仮柵が撤去される予定で、当日の内側は相当有利。
内側の走りやすい馬場でのポジション争いは熾烈だろう。
しかしクロノジェネシスは大外枠、15頭中14番ゲートとなった。
スタートからの長い直線で、内側の良いポジションをとることができるかが最初の課題。
利点は枠に入る順番が遅いこと。
クロノジェネシスはゲート入りして長いこと待っているのが苦手で、負けパターンに「ゲート内で暴れる→スタート失敗」がある。
陣営も「枠入りが最後の方になるのは良かった」とコメントしている。

④スタミナ
2021年の凱旋門賞は雨が降り、重馬場になる可能性がある。
クロノジェネシスは祖父クロフネの血からか道悪適性があり、雨で稍重となった2020年宝塚記念では、2着に6馬身差をつけて大勝している。
道悪自体はそこまで心配ではない。
ただ、芝の違いから、フランス・ロンシャン競馬場は日本の同距離よりスタミナが要求される。
雨で馬場状態が悪くなると、よりスタミナが必要になる。
更に斤量は経験のないキャリア最重量の58kg。
クロノジェネシスにとって、これまでで最もスタミナが要求される条件のレースとなる。
道中折り合いをつけて良いポジションを走り、スタミナをキープすることが日本でのこれまでのレース以上に重要となる。


懸念点を続けて書いてしまったが、クロノジェネシスの総合的な能力は高い。
伏兵、大穴ではなく上位人気だ。
実力が100%発揮できれば、展開次第で勝利のチャンスはあるはず。

「創世記」の名を持つ牝馬が、第100回凱旋門賞で新たな日本馬の歴史を創り出せるか。

↓調教師への直前インタビュー。


5.5枠ディープボンド(日本、牡、4歳)…推定6~8番人気

ディープボンドはこれまでG1勝利がなく、戦歴を考慮すると「総合的な能力が日本現役最強クラス」とは紹介しづらい。

ただ、日本の現役馬のうち、スタミナの豊富さはトップクラス。
また、血統背景や能力傾向的に凱旋門賞への適性は高いはずで、「ディープボンドより凱旋門賞と相性が良さそうな日本現役馬」は、そう多くないと思われる。

適性の高さを証明したのが、凱旋門賞と同じ競馬場・同じ距離で行われる前哨戦フォワ賞(G2)。

フォワ賞に勝ったことで、周囲の期待値は上がり、評価が上がり(オッズが下がり)、現地オッズ6~8番人気で出走することになりそう。

◼️実績・戦歴

13戦4勝。G1勝利はない。

3歳クラシック三冠には全て出走。
’20皐月賞…最低人気単勝360倍で10着。
’20日本ダービー…8番人気5着。
’20菊花賞…7番人気4着。

4歳初戦、中山金杯は14着と大敗。
その後、能力が開花したのか、
芝3000mのG2 ’21阪神大賞典 3番人気ながら2着と5馬身差1着。
芝3200mのG1 ’21天皇賞(春) 1番人気で1着と3/4馬身差2着。
天皇賞(春)が、12戦目にして初めての1番人気だった。

ディープボンドは天皇賞(春)の前から、凱旋門賞への挑戦を表明していた。

8月19日に日本を出国。
凱旋門賞前哨戦のG2フォワ賞に出走を予定し、現地で調整を行った。 
フォワ賞は、過去に日本馬が凱旋門賞に挑戦する際、よくステップレースに使われている。

’21フォワ賞、ディープボンドは出走6頭中5番人気だった。
スタート直後に他の馬が前に行かないのを見て先頭に立つと、最終直線でスピードを上げ、そのまま逃げ切り勝ちした。
末脚は、キャリア最速の上がり3ハロン33秒台。

過去にフォワ賞を勝利した日本馬エルコンドルパサー、オルフェーヴルは凱旋門賞2着。
フォワ賞2着だったナカヤマフェスタも、凱旋門賞2着。
期待が高まることとなった。

◼️血統

ディープボンドの馬名の意味は「深い絆」。
父と祖父から名前をとっている。

父キズナは2013年凱旋門賞4着。
父の父ディープインパクトは2006年凱旋門賞3着入線(のち失格)。
親子三代での凱旋門賞挑戦となる。

父キズナの母キャットクイルは、ビワハヤヒデ、ナリタブライアンの母パシフィカスの妹。
ディープボンドの父キズナは、ビワハヤヒデ、ナリタブライアンの従兄弟にあたる。

母の父はキングヘイロー。
キングヘイローの父ダンシングブレーブは凱旋門賞を制しており、父母両方の血統とも凱旋門賞と縁がある。

◼️展望

日本での出走時はほぼ「逃げ寄りの先行」。
先行勢のなかでも前目の2~5番手でレースを運ぶことが多かった。

前走フォワ賞では、13戦目で初めての「スタートからゴールまで常に1番手」の逃げで快勝。
凱旋門賞ではフォワ賞と騎手が変わり、対戦相手のレベルが上がり、出走頭数も変わり(6頭⇒14頭)、先頭をキープし続ける競馬を選択するかはわからない。

瞬発力では人気上位馬に届かない部分があるため、勝つためにはレース展開が重要となる。

5枠なのでスタートをしっかり決めれば内側で前目のいいポジションは確保できるはず。逃げるかわからないが1~4番手にはつけそう。
有力馬たちが仕掛けるタイミングを牽制し合うなか、終盤早めにスパートをかけてポジションを維持して粘れれば、豊富なスタミナを武器に番狂わせを起こす可能性はある……と信じたい。

皐月賞で単勝360倍の馬の初G1勝利が凱旋門賞なんてことになったらロマンがある。


6.’21凱旋門賞出走馬のレベル

2021年の凱旋門賞は、近年の凱旋門賞と比べると出走馬のレベルが高いと言われる。

まず、今年のヨーロッパ各国の3歳クラシック世代が充実している。
各国のダービーやオークスを大差勝ちした馬たちが、その後、年上の古馬と対決するG1にも出走して勝利している。

また、凱旋門賞は例年、当日が近づくにつれ「あの馬も、この馬も出ないのか……」となる印象があった。
個人の印象だが、ヨーロッパ競馬界は日本以上に戦績を気にして「勝てるレースに出る」感覚が強い。
レース直前の出走回避が可能なこともあり、有力馬同士がなかなか対決しない。
しかし今年は事前オッズ上位の有力馬たちの出走率が高い。

上位人気馬から紹介していく。


7.3枠タルナワ Tarnawa(アイルランド、牝、5歳)…推定1~3番人気

馬場不問で、末脚が超強力な牝馬。
最終コーナーで大外ぶん回して上がり最速、みたいなロマンあふれるタイプ。

ロンシャン芝2400mの良馬場で上がり3ハロン32秒台、
ロンシャン芝2000mの不良馬場で上がり3ハロン34秒台と、
時計がかかるフランスの馬場で、現役世界最強レベルの末脚を繰り出せる力がある。

ここ2年はアイルランド、フランス、アメリカの芝2000~2400m重賞を連勝し続け、凱旋門賞の事前予想オッズでは常に上位。

陣営は今年、凱旋門賞に狙いを定めて調整を続けてきた。

現地オッズはしばらく1番人気だったが、後述するアダイヤーとハリケーンレーンの人気が高まっており、最終的には1~3番人気で出走になると思われる。

◼️実績・戦歴

16戦9勝。
2着3回、3着2回、着外2回。
G1は3勝。

初勝利までは4戦かかった。
3歳時は重賞を3勝するも、G1には手が届かなかった。

4歳時に本格化の晩成タイプ。
初G1勝利は’20ヴェルメイユ賞。
中団後方から差し切って3馬身差快勝。

ヴェルメイユ賞は凱旋門賞と同じロンシャン競馬場、芝2400mのレース。
フランス牝馬三冠の3戦目にあたる(日本の三冠レースと違い、出走条件は3歳以上)。

ヴェルメイユ賞➡️凱旋門賞と挑戦して好成績の馬は過去に何頭かいる。
2021年はスノーフォールが、そのローテーション。’21ヴェルメイユ賞は負けたが。

タルナワは’20凱旋門賞参戦も期待されたが、事前登録していなかったこともあり、追加登録しての出走は行わず。
同時期の牝馬限定G1オペラ賞(芝2000m)に出走。
不良馬場のなか後方からの末脚が炸裂し勝利。
これでG1を2連勝。
「’20凱旋門賞、出走していれば勝てたのでは?」という声もあったらしい。

評価を上げたのはアメリカで最も権威のある最強馬決定戦、ブリーダーズカップ・ターフ(G1)への出走。
後方待機から4コーナー大外にぶん回して差し切り、G1を7勝していた一番人気マジカルを撃破。
これで世界ランキング上位に名前が載るようになる。

重賞6連勝がかかった前走アイリッシュチャンピオンステークス(G1、芝2000m)は、セントマークスバシリカに敗れて2着。

ただ、セントマークスバシリカの大幅な斜行で進路をふさがれ、距離が足りない印象もあり、2400mなら間違いなく勝っていただろうと思われるレースだった。

以上の戦績を、条件の近い日本のG1レースで無理矢理例えてみる。

2020年はG3に勝利した後、秋華賞を圧勝して、道悪のエリザベス女王杯を制し、強豪馬が集うレベルが高い年のジャパンカップも勝って、G1を3連勝の4戦4勝。
2021年は凱旋門賞を目標に掲げ、G3を快勝したあと、前走の宝塚記念は2着。ただ、斜行による大幅な不利を受けた。同レース1着のセントマークスバシリカは引退。
凱旋門賞は万全の体制で臨みますよ、といった感じ。

■展望

凱旋門賞の舞台であるロンシャン競馬場でG1を2戦2勝。それぞれ2400m、不良馬場で勝っており、当日の距離や馬場の不安は全くない。

脚質は後方からの差し・追い込み。
内寄りの3枠に入ったため、中団より後ろで内側のポジションをキープして脚をためて、最後の直線で馬場状態の良いところに追い出して末脚で勝負することになりそう。
「最後の直線は内側の芝の状態が良い」凱旋門賞で、大外に出すのかどうか。そしてどこまで爆発するか。

過去「凱旋門賞に初挑戦した5歳牝馬」は勝利なし。
ただ、実績から順当に考えると上位入着の可能性は高い。
満を持して臨む凱旋門賞で、キレの良い末脚を繰り出すことはできるだろうか。

 

8.11枠アダイヤー Adayar(イギリス、牡、3歳)…推定1~2番人気

今年の春まで注目されていなかったが、直近2走のパフォーマンスが凄まじく、2021年9月の世界ランキングで1位タイになった「現役世界最強馬」。

素晴らしいパフォーマンスを見せたのは直近2走なので、良く言えば底が見えない。粗削りなタイプ。

日本では、英ダービー(英)、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(英)、凱旋門賞(仏)をまとめて「欧州三冠」と呼ぶことがあるが、アダイヤーは凱旋門賞に勝てば欧州三冠達成となる。

アダイヤーと、後述する3番人気ハリケーンレーンは厩舎・主戦騎手が同じ。
2頭の主戦騎手ビュイックが、今回騎乗するのはアダイヤー。
陣営はアダイヤーに期待をかけているという周りの判断から、ここでオッズが下がった(人気が上がった)。

確定オッズは1番人気か2番人気になりそう。

◼️実績・戦歴

6戦3勝2着2回。G1を2連勝中。

2歳時は2戦して、2戦目の未勝利戦に勝ったのみ。

3歳になってG3を2着、リステッドを2着。

キャリア5戦目、7番人気で挑んだ英ダービーを4と1/2馬身差で快勝。
この時点では「伏兵」による「番狂わせ」の勝利だった。

世界ランク1位になった理由は、次走に選んだイギリス最高峰のレース・キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)。

3番人気ながら、出走時点で現役古馬の最強格と見られていた1番人気ラブや、ドバイシーマクラシックでクロノジェネシスに勝ったミシュリフ相手に完勝。

アダイヤーの戦績を条件の近い日本のレースで無理矢理例えてみると…
重賞未勝利でダービーに挑戦し7番人気から大差勝ちして注目され、宝塚記念で年上の世界最強クラスの馬たちに勝った、みたいな感じ。

◼️展望

世界ランク1位に昇りつめた直近2走と同等のパフォーマンスが発揮できれば、出走15頭中最上位クラスの実力なのは確か。

先行するタイプなので、スタート直後にクロノジェネシスとポジション争いをしそう。

不安材料は、9月の凱旋門賞前哨戦G2ニエル賞を直前で回避したこと。
感染症で脚が腫れたらしく、骨や腱や筋肉に異常があったわけではなく、2日だけ休んですぐに調教に復帰した。
ニエル賞に出走できなかったことで、凱旋門賞がアダイヤーにとってのフランス競馬(海外競馬)初挑戦となる。

実力は高い。
ただ、キャリアが浅く、フランスのレースで走ったこともなく、休み明け初戦。
更に前目で先行するには不利な外枠(11枠)。
先行勢が多そう、かつスローペースになりそうな今年の凱旋門賞で、折り合いをつけて良いポジションを確保できるようなら勝ちパターン。


9.2枠ハリケーンレーン Hurricane Lane(イギリス、牡、3歳)…推定2~3番人気

デビュー時から常に上位人気で、結果を出し続けている’21愛ダービー馬。

他の上位人気タルナワ、アダイヤー、スノーフォールが「デビュー時はそれほど……」なので、余計に「常に良い」戦績が際立つ。

■実績・戦歴

7戦6勝、3着1回。
G1を3連勝中。

出走馬のなかで勝率No.1。
負けたのは、アダイヤーが勝利した英ダービーのみ。

特に素晴らしかったのは、前々走’21パリ大賞典。
重馬場の芝2400mを6馬身差圧勝。
なお、このレースには凱旋門賞下位人気のアレンカー、バブルギフト、ベイビーライダーも出走している。

前走は日本でいう菊花賞的な3歳牡馬の長距離G1英セントレジャー。
ここも快勝して凱旋門賞に挑む。

◼️展望

重馬場のロンシャン2400mの勝利経験があり、適性は全く問題なし。

中団で進める先行~差しタイプだが、2枠を引けたので道中良いポジションはとりやすそう。

ヨーロッパの競馬では同一陣営から2頭以上出走する場合、期待度の高い方の馬を勝たせるために、残りの馬が「他陣営のライバルたちをつぶす」作戦に出ることがある。
ゲーム用語でいうデバッファー。

厩舎が同じアダイヤー、ハリケーンレーン陣営は「最大の脅威はタルナワ」としている。
アダイヤーとは協力体制で動き、状況によってはどちらかがタルナワをマークして動くかもしれない。
アダイヤー、ハリケーンレーン共に優勝できる実力はある。

不安要素となるデータを出すと、これまでの凱旋門賞において、前走から距離短縮して勝った馬はほぼいない。
過去に実績のない英セントレジャー→凱旋門賞のローテーションで、本気に勝ちに来ていると言えるのかどうか。
また、長距離G1英セントレジャーのダメージはどれほど残っているのか。


10.9枠スノーフォール Snowfall(アイルランド、牝、3歳)…推定4番人気

日本歴代最強馬ディープインパクト産駒。
日本で生まれた後アイルランドに渡り、アイルランドで調教を受けた馬。

欧州の今年のクラシック世代最強牝馬。

6月くらいから「凱旋門賞1番人気」と予想されていたが、前走の前哨戦ヴェルメイユ賞で圧倒的1番人気からまさかの2着で人気が下降中。

■実績・戦歴

12戦5勝。
G1は3勝。

2歳時は7戦して、未勝利戦の1勝のみ。

3歳になって覚醒。
初戦は、5月にG3を勝利。

3歳2戦目、6月の’21英オークスが圧巻。
同レースで過去最高差となる「2着に16馬身差」をつけて大勝利。
一躍凱旋門賞の最有力候補に躍り出た。

続く7月の’21愛オークスは2着に8と1/2馬身差で圧勝。
8月の’21英ヨークシャーオークスは2着に4馬身差で勝利。
「欧州の世代最強牝馬」の評判を揺るぎないものに。

誤算は9月。
フランス初参戦の’21ヴェルメイユ賞を2着。
自慢の差し脚が伸びなかった。

■展望

後方集団のなかでは、やや前よりの位置に付けて差すタイプ。
差し・追い込みの有力馬タルナワよりは前でレースを運ぶだろう。

唯一の3歳牝馬で、斤量が最も軽いのは好材料。

これまで牝馬G1にしか出走しておらず、牡馬の一流と対戦してどうなるか。

実は「最後の直線で一斉に横に並んでいちばん速い末脚」系というより、ハイペースで他馬がバテバテになっているなか、スノーフォールは残る・伸びる的な勝ち方をしており、ハイペースでみんなが序盤にスタミナを使い合う展開が理想か。

5~9月に毎月出走しており、出走数の多さと過密さで疲れがたまっているという指摘多数。
前走は前哨戦なので、凱旋門賞に合わせてロンシャン競馬場2400mに慣れさせた、という考え方もできる。

ディープインパクト産駒とあって、日本国内で人気。
勝てば「日本国内産種牡馬の産駒が凱旋門賞初勝利」となる。


11.15枠ラービアー Raabihah(フランス、牝、4歳)…推定6~7番人気

10戦4勝、2着2回。
G1は未勝利。

’20仏オークス 2番人気4着。
’20ヴェルメイユ賞 1番人気2着。(1着タルナワ)
’20凱旋門賞 5番人気5着。
昨年はG1戦線で好走を続けてきた。

2021年は4戦1勝2着3回だが、G1に出走していない。
今年、他の凱旋門賞出走馬との対決もなく、現在どの程度の力があるかよくわからない。

ちなみに芝2400mの勝利経験はない。

鞍上のクリスチャン・デムーロ騎手(日本で活躍するミルコ・デムーロ騎手の弟)は’20凱旋門賞を勝利し、今年は連覇がかかっている。

差し・追い込みタイプで、15枠を引いたこともあり、後方からの競馬になりそう。


12.8枠アレンカー Alenquer(フランス、牡、3歳)…推定7~8番人気

6戦3勝、2着2回、3着1回。
G1は未勝利。

英ダービー前哨戦のG3でアダイヤーに勝っている。
’21パリ大賞典で、1着ハリケーンレーンに差をつけられて3着。
’21英インターナショナルステークスで、ミシュリフに差をつけられて2着。3着のラブには先着した。

戦績、着順だけを見ると結構いいが、直近のレースの1着馬との着差を見ると、凱旋門賞の上位人気馬とは力の差がありそう。

不良馬場のG2を勝利しており、道悪適性はある。

真ん中8枠だが、おそらく先行して前目につけるレース運びをしそう。


13.10枠シリウェイ Sealiway(フランス、牡、3歳)…推定9番人気

10戦4勝、2着3回。
G1は2歳時に1勝。

3歳になって日本の皐月賞にあたる2000ギニーを2番人気8着。(1着セントマークスバシリカ)
’21仏ダービーを下位人気ながら2着。(1着セントマークスバシリカ)

日本のレースで無理矢理例えると、2歳時に朝日杯を勝つも、その後2敗し、更に皐月賞8着で人気が落ちていたがダービー2着みたいな戦績。

仏ダービー後に故障し、凱旋門賞が4か月ぶりのレースとなる。

前走・仏ダービー(2100m)までの9戦は、全てマイル・短距離戦だった。距離を500m伸ばした2100mで好走し、適性距離がわからない状況。
更に伸ばした2400mでも好走すると面白い。

14.1枠モジョスター Mojo Star(イギリス、牡、3歳)…推定10~11番人気

戦歴の面白さから、注目したくなる1頭。

6戦1勝、2着4回。

デビュー戦、未勝利戦と連続で2着をとったあと、
未勝利のまま3戦目で英ダービーに出走。
最低人気からまさかの2着。
ここでは3着だったハリケーンレーンに先着している。

続く愛ダービーは5着だが、直線でやや不利があった。

5戦目にして未勝利戦に出走して勝利。

6戦目となる前走は長距離G1、英セントレジャーに出走して2番人気2着。

英ダービーはアダイヤーの2着、英セントレジャーはハリケーンレーンの2着だが、どちらも着差は開いていたので、能力的な格付けは済んでいる印象。

先行馬なので、最内1枠を引けたことは好材料。
未勝利でのダービー2着のときのように、アッと驚く結果は残せるか。

15.7枠ブルーム(アイルランド、牡、5歳)…推定10~11番人気

19戦7勝、2着5回。
G1は1勝。

日本のレジェンド騎手・武豊が騎乗予定。

出走馬中唯一の5歳牡馬。
一流馬には負けるものの、長らくG1戦線で善戦を続けてきたタイプ。

今年ようやく日本で言う宝塚記念的な位置付けの、フランス・サンクルー大賞典(G1)でG1初勝利。
ここでは’20凱旋門賞2着のインスウープにも勝っている。

前々走は、アダイヤーが勝った’21キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを4着。3着のラブとは6馬身差。
ブルームはイギリスのレースと相性が悪く、イギリスでは負け続き。

前走フォワ賞(G2)は2番人気で出走も、ディープボンドに敗れて2着。

今年の凱旋門賞は明らかな逃げ馬がいない。
逃げ・先行馬なので、先頭でレースをする可能性もある。
「日本馬に先着したらごめん」と冗談を述べた武豊は、どういうレース運びを見せるのか。

4番人気スノーフォールと同一陣営だが、日本人馬主が武豊騎手を指名して騎乗させているため、スノーフォールを勝たせる役割(他馬のデバフ)を担うことはなさそう。

16.12枠トルカータータッソ(ドイツ、牡、4歳)…推定12~13番人気

ドイツの現役中距離最強クラスの馬。
G1は2勝。他にG1で2着3回、3着1回。

ドイツ馬の凱旋門賞勝利は、直近30年で1回のみ。

追い込み馬なので、最後の直線でどこまで順位を上げられるか。

17.6枠バブルギフト Bubble Gift(フランス、牡、3歳)…推定12~13番人気

7戦3勝、2着2回。
前走で凱旋門賞前哨戦のニエル賞(G2)を勝利。ただ、同日のフォワ賞より2秒以上遅いタイムだった。
’21パリ大賞典では、1着ハリケーンレーンに離されて3着だったアレンカーにも大きく離されて6着。
G1で2着以内なし。今年の凱旋門賞は能力的には厳しいか。

18.13枠ベイビーライダー Baby Rider(フランス、牡、3歳)…推定14番人気

7戦3勝、2着2回。
前走’21ニエル賞2着。
’21パリ大賞典では、1着ハリケーンレーンに離されて3着だったアレンカーにも離されて5着。
芝2400mの勝利経験もなく、今年の凱旋門賞は厳しいか。
バブルギフトと戦績が似ている……。

19.前日出走取消:ラブ Love(アイルランド、牝、4歳)

※’21凱旋門賞の本番前日に出走取消が発表されました。

2020年は欧州の牝馬G1を3連勝し「世代最強牝馬」と期待されるも、出走登録されていた凱旋門賞は道悪を理由に直前取り消し。
もし出走していたら上位人気だった。

G1を4連勝していた今年の春まで現役最強格扱いだったが、現在3連敗中で人気がどんどん落ち、能力的なピークは過ぎたとも噂される。

■実績・戦歴

14戦7勝。G1は5勝。

戦績を日本のレースで無理矢理例えると……
2歳で阪神JF、3歳で桜花賞、オークス、エリザベス女王杯に勝利。
4歳になって大阪杯を勝ち、G1を4連勝(計5勝)した時点では、凱旋門賞も上位人気間違いなしと言われていた。
そこから宝塚記念1番人気3着、天皇賞(秋)2番人気3着、更には勝って当然と思われていたG2を2着と取りこぼし、「大丈夫なのか?」と言われている状況。

■展望

負けた直近3走より斤量が軽くなっている点は好材料。
成績が下降線のため、マークも薄そう。

鞍上は凱旋門賞最多6勝のデットーリで不安はない。 

実はフランスのレースは未経験。

20.番外編:凱旋門賞に出走しない名馬

今から紹介する馬たちは、もし凱旋門賞に参戦していたら上位人気だったろうと予想されていた。

■世界ランク1位タイ:セントマークスバシリカ(フランス、牡、3歳)

2021年9月に世界ランク1位のまま凱旋門賞直前に電撃引退して種牡馬入り。

フランスの2021クラシック二冠馬。
引退前まで、芝2000m前後の現役世界最強候補だった。

2歳時はスプリンターと判断されていたのか短距離戦にしか出ていない。
10月の2歳G1・1400mに勝利。

3歳でクラシック2冠を達成した後、
エクリプスステークスではミシュリフに勝利。
アイリッシュチャンピオンステークスではタルナワに勝利。
1400mから2100mのG1を5連勝。
日本のレースで無理やり例えるなら、朝日杯➡️皐月賞➡️日本ダービー➡️宝塚記念➡️天皇賞(秋)を勝ち、次走はジャパンカップか有馬記念か期待されていたら引退した感じ。

凱旋門賞の開催国フランスの3歳最強馬だったセントマークスバシリカが凱旋門賞に参戦しないことで、今年の凱旋門賞はフランス勢の実力がやや薄い。

■世界ランク1位タイ:ミシュリフ(フランス、牡、4歳)

アダイヤー、セントマークスバシリカと共に、世界ランク1位タイ。

13戦7勝。

’20仏ダービー馬。
世界中の芝・ダート1600m~2400mのG1を転戦して上位入着を続ける、過去の日本馬で無理に例えるなら、アグネスデジタルみたいなタイプ。
芝で世界最強候補かつダートG1にも勝つのは素晴らしい。

2021年の凱旋門賞出走馬の多くと対戦経験があり、「ミシュリフに勝ったか/負けたか」が実力を測る指標となる。

’21ドバイシーマクラシック
1着ミシュリフ、2着クロノジェネシス

’21エクリプスステークス
1着セントマークスバシリカ、3着ミシュリフ

’21キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス
1着アダイヤー、2着ミシュリフ、3着ラブ、4着ブルーム

’21英インターナショナルステークス
1着ミシュリフ、2着アレンカー、3着ラブ


21.レース展開予想

各馬がこれまで通りの作戦をとってくると仮定して展開予想をする。

最初の見どころはスタートしてから長い直線を走る間の隊列形成。

先頭でレースを引っ張るのは、逃げで勝利経験のある日本馬・5枠ディープボンドか、武豊騎手の7枠ブルームになりそう。
ディープボンドは「いちばん前を走らなければ上手く走れない」というタイプでもないので、他に先頭に行きたがる馬がいれば譲り、前から3頭以内ぐらいの位置で進めそう。

前目で先行すると思われるのは、1枠モジョスター、8枠アレンカー、10枠シリウェイ、11枠アダイヤー、14枠クロノジェネシスあたり。
2番人気アダイヤー、5番人気クロノジェネシスが、ここで「内枠沿いで有力馬の真後ろ」などの良い位置を確保できると勝利が近づく。

有力馬の一角、3番人気の2枠ハリケーンレーンは中団で進めるタイプだが、ベストの位置取りは「最内で、同僚馬アダイヤーの真後ろ」か。
2枠だし、スタート直後の状況次第でやや前に付けることもありそう。

4番人気、9枠スノーフォールは中団やや後方に構えそう。
スノーフォールにとっての理想は、序盤から前がハイペースになって競り合いスタミナを消費し合い、自身はじっと脚を溜める展開だが、今年はどうなるか。

1番人気3枠タルナワ、6番人気15枠ラービアー、ドイツ馬12枠トルカータータッソは後方からの競馬になりそう。

欧州競馬はレース途中で馬の位置取りが変わりづらいので、最初に隊列が形成されたら、終盤までそのまま進みそう。

後半の注目ポイント、まずはディープボンドの仕掛け開始位置。
瞬発力タイプではないので、おそらく早め仕掛けのロングスパートになる。うまくハマるか。

最後の直線は内側の馬場の状態が良いので、内側を走れるかがカギ。
ここで道中は力を溜めた先行馬が、良い進路を確保できれば、チャンスあり。
先行するであろうクロノジェネシスは、近くを走るアダイヤー、及びハリケーンレーンの仕掛け位置を見極め、良いタイミングでスパートをかけられるか。

スノーフォールタルナワの末脚を見たい気持ちもある。
2頭は良い進路を確保できるか。そして、どこまで伸びるか。

第100回凱旋門賞は、2021年10月3日(日) 日本時間23:05に発走予定!


追記:福永祐一騎手の凱旋門賞展開予想

「カンテレ競馬【公式】」に、福永祐一騎手の凱旋門賞の展開予想動画がアップされました。
今年、天皇賞(春)、日本ダービーの展開予想動画が同番組で放送され、当日のレースが福永騎手の読み通りの展開になったことから、凱旋門賞の展開予想も注目です。



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