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レベッカ

チョキチョキと、心地よい✁ハサミの音
いつも行く床屋の椅子に僕は腰掛け
ウトウトとしていた。
店内のBGMには、流行りの音楽が流れていた。

21歳の僕は、ファッションや髪型等に興味は無く
髪が伸びれば床屋に行く程度。

とんねるずがテレビ📺️の中で暴れまわり
おニャン子クラブが、やや音程を外し気味に歌う。
そんな、1980年代後半〜1990年代前半

街には、アザヤカなパステルカラーの服に身を包んだ若い女性やダークカラーのスーツに身を包む男性

そんな人々を眺めながら
自分には、関係ないな…と感じていた。

やや高めで、少しだけ舌っ足らずな少女のような声
ポップなメロディ
リズムに合わた強めのドラムス

普段は、洋楽しかし聴かない僕

こんな音楽を聴くのは、きっとお洒落でカッコいい
人達なんだろーな…
勝手にそう思っていた。

しかし、妙に耳に残る歌声と歌詞 
強めのドラムスとベースラインが僕の意識を歌声へと向かわせる。

ボトムラインと言う歌詞だけを頼りに調べる。

[ Bottom Line ]
レベッカの曲だった。

少し斜めに、どこかで冷めた目で世の中を見ている
少女の姿が目に浮かぶ歌詞。

早速レンタル店でCDとライブビデオを借りてきた。

小柄な彼女が、スタージを駆け回りパワフルで
ポップな衣装に身を包み歌う姿に、見とれてしまう

邦楽ではサザンオールスターズ以外で、お気に入りとなったアーティストだった。

[ REBECCA IV〜MaybeTomorrow ]
ラブ・イズキャッチ
フレンズ
MaybeTomorrow

どれも名曲で、買ったばかりの中古車でドライブ。
人目もはばからず大音量🔊で、聞いてきた。

[ RASPBERRY DREM ]
[ MOON ]
ヒットナンバーの連続で、夢中になって聴いていたあの頃が懐かしい。

バンドは、活動が多忙になり一旦区切りをつけるため1991年2月に解散した。
残業な気がした事を思い出す。

洋楽ばかりの嗜好に、区切りを付けてくれたバンドだった。

歌詞の内容など理解できずに単に憧れから
聴いていた洋楽。

サザンオールスターズとレベッカを聴くようになり
心に響く歌詞と出会い、だんだんと邦楽を聴くようになる。

夏の爽やかな空気を感じた
[ 杉山清貴とオメガトライブ ]

懐かしいオールディーズみたい
[ 山下達郎 ]や[ 大瀧詠一 ]

恋愛ソングの女王
 [ユーミン ]

沢山のCDを借りてきて、夏の海岸線を朝まで頭の中でコシラエた彼女とドライブ。

少しづつ明けていく淡い紫色の空
夏の朝の海岸線を、車を走らせ窓を開け、夏の空気を肺🫁いっぱいに吸い込みながら

[ あ〜あ、早く彼女欲しいな〜 ]と呟く僕がいた。

音楽には、不思議な力がある
時折ラジオ📻️から流れてくる懐かしい音楽達が、
僕をあのころに、引き戻す。

若くて、世の中の事なんて何も知らない僕がいた。