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転校生

私は、転校生だった。

父はサラリーマンで転勤族
小5までに三回転校を経験した。
小5の時に、茨城県水戸市から札幌市に転校してきた

元々人見知りで小心者だった私は、友達ができるまで時間のかかる子だった。

新しいお友達を、紹介します。
担任の男性教諭に、促され自己紹介。

◯◯と言います。漫画とブルーリーが大好きです。
宜しくお願いします。

拍手が起こり、何となく一安心した記憶がある。
席は後ろの窓側で隣には、学級委員の女子。

◯◯君、よろしくね!
挨拶されて、小声で答える私。

転校生を迎える側は、男子なら可愛い女子
女子ならカッコいい男子を勝手に想像するもので
あろう。

転校生側は、それどころではないのである。
友達できるかな?
イジメられないかな?
不安と緊張が、慣れるまでは暫く続くのであった。

授業が始まると担任は、私にやたらと気を使い
当ててくる。
早く皆に馴染んで欲しいとの気遣いが感じられたが迷惑な話である。

授業の進み具合は、私がいた水戸市の小学校より
遅れていたので、既に学んだことばかり。
私は当てられる度にスラスラと答えていた。

これが男子には、気に食わなかったらしい。

また、服装も私はGジャンにジーパンの出で立ち。
彼らは、Tシャツと膝当てが付いたジャージ
ここでも、彼らの怒りを買うこととなる。
私が元いた水戸市の小学校では、普通の服装だった

逆に女子からは、何かと色々聞かれたのであった。
これも彼らには、気に食わない事となる。

カッコ付けやがって!
転校生のくせに生意気だ!
( 納豆 )  ( ネバネバ ) 等の意味不明なあだ名付けられたのである。

転校生のくせに…
転校生という珍しい生物でもいるのか?

親の都合で転校しただけだあって、私が望んで転校生になった訳では無い。
私を、からかう😜彼らを見て、呆れたいた。

数人の女子は、味方になってくれて
からかう彼らを注意してくれた。
彼らは、口喧嘩では刃が立たず

◯◯は◯◯が好きなんだろー
チューしろ チューしろと囃し立てる。

バッカじゃないの?
あんた達より◯◯君の方が、頭いいし
カッコいいよー

褒めるのをやめて欲しかった。
ますます彼らとの距離が、離れていく。

そこは、互いに子供同士。
時間が、解決してくれた。
二つ月もすると、一緒に帰る友人もできた。
私の服装も次第にTシャツ👕とジャージになっていき
周りの風景に、とけ込んでいったのであった。

大人になってから同じ気持ちになった事がある。
初めての出社 
初めての部署

さすがに、イジメや変なあだ名を付けられる事を
心配しなかった。

初めて会う人々
ざわめきつつ 私に集まる皆の視線
緊張しながらの自己紹介

何だか転校生と同じだな。
転校生は、やっぱり珍しい生き物なのかもしれない