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ラッキーBoy
人間は、そう簡単には死なないものである。
そう感じた出来事が、3回あった。
小五の夏休みに友達数名と川へ釣りにでかけた。
自転車に乗り、自宅から三十分程度の場所へ向う。
ウキを見つめる私。
フナやウグイが、数匹釣れた。
誰かが、堰堤を渡り向こう側に行こうと言いだす。
堰堤の上は、水深がくるぶし程度で浅かった。
次々と友達が渡り始め、サンダルを履いた私も後に続く。
とその時…
足下の苔に乗り上げて、足が滑った。
焦った私は、両足に力を込めて進もうとしたが
コケて流された。
みるみる堰堤下の深みにハマり、溺れかける。
川の流れと水深の為、水面から顔を出せず
アップアップともがく私。
息が出来なくて、更に慌ててもがく。
手をバタバタと動かし必死に、水面から顔を出そうとしていたのである。
その時、何かが手に触れた。
私は、藁にでもすがる思いで両手で掴むと
誰かが、力を込めて引いてくれた。
たまたま、近くにいた大人が自分のシャツを脱いで
投げ入れてくれたお陰で助かった。
全身が、ずぶ濡れになりハァハァと息をしていた。
心配した大人が、救急車🚑️を呼ぼうか?と尋ねる。
親に知れれば一大事、激しく叱られると思った私は大丈夫ですを繰り返しお礼の言葉をのべる。
少しだけ休み友達と帰路につく。
帰る間も親への言い訳を考えていた。
私の乗る自転車の後には、ポタポタと服から垂れる
雫💧の跡が、点々と続いていた。
全身ずぶ濡れの私を見た母が、理由を尋ねる。
川で転んだ。
母は、呆れて
直ぐにお風呂は入って着替えなさい。
事なきを得たのであった。
中学一年の時、遊ぶ約束で友達の家へと自転車に乗り急ぐ💨
住宅街🏘️の細い私道を走り抜ける。
急いでいた私は、一時停止を無視してとびだした。
右側を振り向くと大きなトラック🚛が視線に入る。
突然現れた私にドライバーは、急ブレーキ!!
私は自然と自転車ごと倒れ込み、そのままトラック🚛の下に潜り込む。
頭上をトラックがかすめて停止。
慌てて駆け寄り声をかけるドライバー。
大丈夫か?
私はモゾモゾと這うように出て来た。
ドライバーが自転車を引きずり出す。
私も自転車も奇跡的に無傷!
事が知れれば親に叱られるとの思いが強くなり
ごめんなさいを繰り返し、逃げる様に立ち去った。
普段は、殆ど車の通行がない住宅街の道路。
油断していた。
驚いたドライバーの顔が、目にうかぶ。
18歳になり車の免許を取るために、教習所へ原付バイクで向かっていた。
仮免の試験日で急いでいた私。
当時の原付バイクは、ヘルメットの着用義務は無く
ノーヘルだった。
風を切り鼻歌交じりで、国道を疾走。
キープレフトで、左端を走行中。
右側横には、大きなダンプカーが並走していた。
交差点に近づくと、なんとダンプカーが左折してくる。
私は、必死にバイクのクラクションを鳴らす。
プ〜プ〜と🦟蚊の泣くような音しか出ない。
ダンプカーは、私に気付かずそのまま左折してくる
巻き込まれ、歩道に転がる私とエリー( 愛車の名前)
結構な勢いでゴロゴロと転がる。
だっ大丈夫か?
慌ててかけ寄るドライバー。
大丈夫ですと応える。
気をつけろよ
あ〜あ取り替えたばかりのバンパーが、曲がったよ
愚痴るドライバー
アタマにきたが、試験が気になり急いでその場立ち去る。
私とエリーは、かすり傷ですみ無事に試験は合格。
川で溺れ、トラック🚛に轢かれ、ダンプカーに巻き込まれても生きている。
人間、そう簡単には死なないものである。
神様が、お前はとりあえず生きとけと…
ラッキーな人間なのかもしれない。
宝くじには、当たらない…